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コラム

eスポーツとゲーム依存の関係性とは?プロゲーマ―から学ぶ予防法3つ

ゲームをプレイしていると、徐々にプレイ時間が長くなり、四六時中ゲームの事を考えてしまうという経験をした事のある人もいるのではないでしょうか。このような状態が続き、日常生活に支障をきたすと「ゲーム障害」と診断されることがあります。

ゲーム障害は依存症のひとつであり、子供だけでなく大人も陥ってしまう可能性があります。ゲームをプレイするうえで十分に注意すべきリスクと言えるでしょう。

ゲームを長くプレイすることで起こりやすいゲーム依存ですが、職業としてゲームをプレイするeスポーツプレイヤーはゲーム障害にならないのでしょうか?これからeスポーツを始めたいと思っている人は、ゲーム障害やeスポーツの本質について深く理解しておく必要があります。

この記事では、eスポーツとゲーム依存の関係性やゲーム障害について詳しく解説します。合わせて、eスポーツプレイヤーがゲーム依存に陥りにくい理由や予防方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ゲーム依存(ゲーム障害)とは

ゲーム依存症(ゲーム障害)とは、ゲームをプレイすることに依存してしまう症状を指します。ゲームのやり過ぎ、というレベルを遥かに超えてしまい、日常生活に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。

特に、自制心の未熟な子供に起こりやすいですが、一方で大人が発症してしまうケースも近年増加傾向にあります。最初に、ゲーム依存について詳しく紹介していきます。

症状

ゲーム障害には大きく分けて2つの症状が見られます。ひとつは惰性からの依存、もうひとつは執着からの依存です。それぞれの症状について具体例も交えて紹介します。

惰性から依存してしまう症状

ゲーム自体を楽しむ訳ではないのに、ダラダラといつまでもプレイをやめられず依存してしまう事から、ゲーム障害を発症してしまうケースが多く見られます。特に、大人に多くみられ「ゲームをプレイしている間は嫌な事を考えなくて済む」などの現実逃避から、ゲームに依存の症状が起きていることも少なくありません。

執着から依存してしまう症状

ゲームそのものに執着している場合やゲームで構築されたコミュニティに依存している場合、ゲームへの執着が重症化してゲーム障害を発症することがあります。

執着から依存してしまうケースでは、度々課金サービスに関するトラブルも聞かれます。ゲームに執着し、より強いアイテムなどを得るために課金をやめられなくなってしまうのもゲーム障害に見られる症状のひとつです。なかには「ここまで課金したのにゲームをやめるのは勿体ない」など、執着と惰性が混濁した状態に陥ってしまう人もいます。

また、オンラインゲームなどで構築されたコミュニティに執着することでゲーム障害に陥る人もいます。「オンラインプレイの約束をしているから」「自分が参加しなければ他のプレイヤーに迷惑をかけてしまう」など、他人との関わりに重点を置き過ぎることでゲームから離れられなくなってしまうケースも少なくありません。

原因

ゲーム障害と聞くと「ゲームをやめればいいだけではないか」と思う人もいるでしょう。しかし、依存症は精神的な病気のひとつです。自分自身がゲーム障害である自覚もなければ、自覚を持っても辞めることが難しいのが依存症の恐ろしい部分と言えるでしょう。

ゲームによってドーパミンなどの脳内神経物質が分泌されると、気分が高揚し快楽や喜びを感じます。しかし、ドーパミンの効果が枯渇してしまうと「また高揚感を味わいたい」という欲求が増してしまいます。これが、ゲーム依存の第一歩と言えるでしょう。

次第に、ゲームをプレイしていない間、不安感、退屈寛、焦燥感などを感じるようになりゲーム障害へと発展していくケースが多くみられます。

影響

ゲーム障害を発症してしまうと、正常な日常生活を送れなくなってしまうケースが多く、子供の場合は不登校の原因となってしまうこともあるでしょう。社会人の場合は、朝起きれずに遅刻を繰り返してしまう、勤務中もゲームの事を考えて集中できない、休息がとれずに体を壊してしまう等の症状から社会生活自体が送れなくなってしまうケースも少なくありません。

また、近年の研究では、ゲーム障害によって脳の仕組みそのものが依存しやすい形態に変化してしまうという報告もされています。

東北大学加齢医学研究所の発表では、子供の脳構造を調べたところインターネットの使用頻度の高さが脳の構造の変化に影響を与えている可能性について示唆しています。特に、脳内の言語関連領域で脳内組織内の水分子量が増加し、白質組織がまばらになってしまうなどの研究結果が報告されています。

同研究レポートでは、インターネットやゲームを長時間プレイすることによって言語機能、認知機能などに何らかの影響を与える可能性があることを危険性として報告しています。

参考:ネットとゲームへの依存が脳に及ぼす影響

eスポーツ選手はゲーム依存(ゲーム障害)にならないの?

ゲームへの依存について語るなかで、eスポーツとの関係性については外せないでしょう。

eスポーツはelectronic sportsの略称で、コンピューターゲームを用いて勝敗を競うスポーツです。プロeスポーツ選手はスポンサー契約や大会賞金などで収入を得ているケースもあり、まさにゲームを仕事にして生活している状態になります。

eスポーツとして活躍するためには、大会等でゲームをプレイするだけでは足りません。大会で実力を発揮するためにも、日々ゲームをプレイしてスキルを磨く必要があります。

一般人と比べればゲームをプレイする時間が必然的に長くなるでしょう。そこで「eスポーツ選手はゲーム依存にならないの?」と思う人もいるのではないでしょうか。実際にプロeスポーツ選手でゲーム依存やゲーム障害を発症しているという人の話はあまり聞かれません。

eスポーツ選手がゲームに依存しない理由

プロeスポーツ選手がゲーム依存を起こしにくい理由として、以下の要因が考えられます。

理由1.心身のコンディショニングも仕事だから

eスポーツ選手として最前線で活躍するためには、心身のコンディショニングが欠かせません。いくらゲームスキルを上げるためとはいえ、身体を故障してしまったり、精神的に不安定になってしまったりしては、成果が上げられないからです。

プロeスポーツ選手の多くは、適度な運動や正しい生活習慣、食生活などを意識し、いつでも最高のパフォーマンスができるよう日々のコンディションを整えています。

また、専属のコーチなどがゲーム依存を起こさないよう管理・コーチングしているケースもあるでしょう。自分自身にeスポーツ選手としての価値があることを理解しているからこそ、ゲーム依存やゲーム障害に陥らないよう細心の注意を払って日々を過ごしています。

これらは、どのようなスポーツにおいても当たり前に見られる考え方です。

理由2.娯楽としてプレイしていないから

どのような競技においてもスポーツ選手において、競技は娯楽ではありません。成果が出なければ、生活が立ち行かなくなる可能性すらあります。

eスポーツプレイヤーがプレイするゲームと一般人がプレイするゲームは、中身こそ同じですがゲームに対する捉え方は全く違ったものと考えられます。

もちろん、勝利すれば嬉しいし脳内物質が分泌され興奮や多幸感を得ることがあるでしょう。しかし、同時に「勝利しなければいけない」というプレッシャーも存在します。ゲーム依存してしまう人の多くが現実からの逃避を目的としているのに対し、eスポーツプレイヤーは現実に向き合うためにゲームをプレイしているのです。 eスポーツプレイヤーは娯楽としてゲームをプレイしていないからこそ、ゲーム依存やゲーム障害になりにくいと考えられます。

理由3.人間関係の執着を起こしにくいから

ゲーム依存のなかには、ゲーム内で構築された人間関係に執着するあまり依存してしまうケースもあります。インターネット上の顔が見えない相手だからこそ、自分にとって友好的な人物像を想像してのめり込んでしまうことも少なくありません。

しかし、eスポーツレイヤーの場合、チームを組むのであれば現実で人間関係を構築することの方が多いです。対面してチームミーティングをしたり、合同で練習したりすることもあるでしょう。そもそも、大型のeスポーツ大会の多くはオフライン大会です。たくさんの人と現実世界で交流する機会も多いため、ゲームを介したコミュニティであっても過度に執着しにくい環境にあります。

ゲームを介したコミュニティに執着しにくい環境であることも、ゲーム依存やゲーム障害を起こしにくい理由のひとつと言えるでしょう。

ゲームへの依存を防ぐ3つの方法

eスポーツ選手がゲーム依存やゲーム障害になりにくい理由から、以下の方法がゲームへの依存を防ぐのに有効だと考えられます。

1.惰性でゲームをプレイしない

面白さや楽しさを感じることもないのに「やる事がないから」などの理由でゲームをプレイするのは非常に危険です。惰性でゲームを続けてしまうと、なんらかのきっかけで簡単にゲームが現実逃避のためのツールになってしまいます。

飽きてきたな、面白くないなと感じたらゲームを中断するようにしましょう。

2.自制心を持つ

ゲームをするうえで、自制心をもつことが大切です。「明日は朝から予定があるのに、夜遅くまでゲームをしてしまった」という経験のある人も少なくないでしょう。

何度も同じ過ちを繰り返しているのにも関わらず自制して状況を改善できない人は注意が必要です。徐々に依存度が高まり、日常生活に支障をきたしてしまうこともあるでしょう。

特に、自制心の未熟な子供の場合は保護者がプレイ時間を管理する必要があります。大人の場合は「〇分でプレイを中断する」という練習をするのがよいでしょう。15分、30分など、短いスパンでゲームを中断する練習を繰り返すことが大切です。徐々にゲームを中断することに抵抗がなくなり、自制しやすくなります。

3.現実世界の人間関係を築く

ゲームを介したコミュニティに依存している人の多くに、現実世界での人間関係が希薄になってしまっている傾向が見られます。現実世界で他人との交流を持たないからこそ、ゲームを介して構築したコミュニティに依存しやすくなってしまっているケースもあるでしょう。

1つの人間関係に依存しないためには、多くの人間関係をもつ必要があります。学生であれば学校のゲーム部に所属したり、学生・社会人問わずゲーミングスクールに通ったりするのもおすすめです。同じゲームを介したコミュニティであっても、現実世界で交流がある場合依存しにくい傾向にあります。

AFRAS(アフラス)でeスポーツを正しく学びゲーム依存を防ごう

ゲーム依存(ゲーム障害)は正式な依存症のひとつです。治療には長い年月や専門家の助けが必要となるため、事前に防ぐための対策を行う必要があるでしょう。

身近な存在であるゲームを正しく学び、楽しむために今回紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。

AFRAS(アフラス)はゲームを専門的に学べるゲーミングスクールです。「eスポーツをしてみたい」というお子様をお持ちの親御様のなかには、ゲーム依存を心配する人もいるでしょう。AFRASでは、ゲームをプレイするなかで目標を持ち、同じスクールでゲームを学ぶ友人達と人間関係を構築することもできます。プロゲーマ―の指導の元で目的を持ってゲームに取り組むため、これからの人生のなかでゲームとどのように付き合っていくのかを学ぶこともできるでしょう。

ゲームを学ぶなら、ぜひAFRASをご検討ください。