“fpsは足りてるのに、なぜか当たり負ける…”——犯人は**Ping(遅延)とJitter(揺れ)**かもしれません。
こんにちは!eスポーツスクールAFRAS(アフラス)本山校です!ここでは小中学生と保護者でもできる、配線 → ルーター → PC設定 → 家の運用までを、最短で効く順にまとめました。対応タイトルは APEX/Fortnite/VALORANT/LoL。今日から“ラグ沼”を抜け出しましょう。
0. まず知っておく指標(1分で理解)
- Ping(ms):サーバー往復の時間。数字が小さいほど有利。
目安:〈神〉~20ms/〈良〉20–40ms/〈要改善〉40ms+ - Jitter(ms):Pingのバラつき。5ms以下が理想。
- Packet Loss(%):データ欠損。0%が前提、0.1%でも撃ち合いに響く。
ゲーム内ネットワーク表示をON
- APEX:ネットグラフ
- Fortnite:ネットデバッグ統計
- VALORANT:ネットワーク統計
- LoL:Ctrl+FでPing/ fps 表示
まず“現状把握”が勝ち筋の出発点。
1. 配線で勝つ:ONU→ルーター→PCを“最短・有線”に
推奨トポロジ(基本形)
[光回線の終端装置(ONU/ホームゲートウェイ)]
↓(LANケーブル)
[ルーター]—(LAN)—[スイッチ※任意]—(LAN)—[PC/PS5等]
ケーブルの選び方
- Cat6以上(できればCat6A)。安価な平型ケーブルは避ける(断線・ノイズに弱い)。
- 長さは必要最小限(巻きグセ・折れ曲がりは×)。
- コネクタの爪割れは接触不良の原因。怪しいと思ったら交換。
物理配置
- ルーターは家の中心/床から離す/金属や電子レンジの近くを避ける。
- 可能なら有線。Wi-Fiしか無理な部屋は**有線中継(スイッチ or 無線APの“有線バックホール”)**を検討。
- 電力線通信(PLC)や無線メッシュの無線中継はJitter増の原因に。やむを得ない場合は有線バックホールに。
10分で効く一手:PCだけでも壁から直接LANに。スイッチやハブを跨ぐなら良質なギガビット対応を。
2. ダブルNATを解消:ルーターは“1台が基本”
- 症状:マッチ検索が遅い/パーティ招待が不安定/NATタイプが「Strict/Moderate」。
- 確認:
- ゲーム内NAT表示/接続診断
- ルーターのWAN側IPが**プライベート帯(例:192.168.x.x/10.x.x.x/100.64–127.x.x)**なら“二重ルーター/CGNAT”の可能性。
- 対処:
- ONU側をブリッジモード or 家のルーターをAPモードに(どちらかを“ルーター化しない”)。
- どうしても無理ならUPnPオン(セキュリティ観点で“必要デバイスのみ”) or ポート開放をピンポイントで。
迷ったら**「二重ルーターを解消したい」**と回線業者に相談。設定で一気に改善することが多いです。
3. ルーター設定:安定優先の“3本柱”
3-1. 帯域と優先度(QoS / デバイス優先)
- ルーターの**QoS(優先度設定/トラフィック優先)**を有効化。
- ゲームPC/コンソールを“最優先”、配信/動画/ダウンロードは“中〜低”。
- 帯域を入力するタイプは、計測値の**80–90%**を上限設定(溢れ防止)。
3-2. スマートキュー(SQM/Cake/CoDel等)
- 対応機種ならSmart Queue ManagementをON。
- **“アップ/ダウン両方”**に適用し、**バッファ膨張(Bufferbloat)**を抑制=Jitter低減。
3-3. Wi-Fiは“混信回避と帯域幅の管理”
- 5GHz(または6GHz対応なら6GHz)優先、2.4GHzはIoT用に分離。
- チャンネルは自動で問題なければOK。切断があるなら36/40/44/48等の低チャネル固定を試す。
- チャネル幅は混雑環境なら40MHz(80MHzは速度は出るが混線しやすい)。
- **メッシュは“無線中継”より“有線バックホール”**に。1ホップ毎に遅延が積み上がります。
ファームウェア更新と再起動の定期実施(例:月1回)。熱暴走対策に風通しも重要。
4. PC(またはPS5等)側の“ラグらない”設定
有線LANの基本
- NIC(有線LANアダプタ)ドライバ更新。
- Windows電源プラン:高パフォーマンス/NICの省電力オフ。
- バックグラウンドDL(ゲームランチャー・クラウド同期)はプレイ前に停止。
- DNSは過度にこだわらなくてOK(名前解決の速さ<ルーティング)。まずは回線の安定が先。
Wi-Fi運用するなら
- 5GHz固定、席をルーターに近づける。
- Bluetooth機器の併用(無線マウス等)は干渉源になり得る。USB延長でドングルを前面へ。
- 金属デスク/PCケースの陰にルーターを置かない。
コンソール
- LANケーブル直結、NATオープンを目標に(UPnPは必要デバイスのみ)。
- 自動アップデートはプレイ時間外へ。
5. 家の“通信渋滞”を起こさない運用
- 同時間帯の大容量(動画4K、バックアップ、写真同期、OS更新)を**予約(夜間)**に回す。
- 家族のスマホを2.4GHzへ集約、ゲーム機は5/6GHzで分離。
- オンライン授業や在宅勤務がある日は、ゲームはQoS最優先+他端末は低優先へ。
- ルーターのクライアント一覧を月1でチェック。使っていない端末はWi-Fiから削除。
6. それでもダメなら“外科的アプローチ”
- 回線プランの見直し:混雑の少ない回線方式(IPv6 IPoE / v6プラス等)を契約中の事業者に相談。
- 宅内配線の刷新:古いモジュラージャックや分配器がボトルネックのことも。
- スイッチ追加:リビングにルーター、各部屋へ有線を分岐(遠距離はCat6Aケーブルを壁沿い配線)。
- 電源品質:タップの共有過多や劣化で再起動を誘発する例あり。雷ガード・余裕ある容量を。
PLC(電力線通信)は手軽だがJitterが増えやすい。最後の手段に。
7. タイトル別・“ここを詰めると体感が変わる”
APEX
- 3rd回避の撤退を判断する情報線=音(足音・銃声)+ミニマップ。
- Pingが40ms超で当たり負ける体感→有線接続+QoS最優先が即効。
Fortnite
- 建築・編集は入力遅延の影響が大きい。240Hzモニター×有線LANで差が出る。
- ゼロビルドは遮蔽の出入りが命。Jitter 5ms以下を目安に。
VALORANT
- ヒット判定がシビア。Packet Loss 0%/Jitter極小が前提。
- レンジ練習中もネット統計を表示し、安定しない日は設定と家のトラフィックを点検。
LoL
- 集団戦のスキル同期でJitterが響く。家族の4K動画を時間帯で分離するだけで安定する例が多い。
8. 10分トラブルシュート(順にやるだけ)
- PCだけ有線直結(ルーターLAN1→PC)にして測定
- QoSオン、ゲームPCを最優先に
- バックグラウンドDL停止、端末を最小構成へ
- ルーター再起動&ファーム更新(熱が高いなら設置見直し)
- Wi-Fiなら5GHz固定、チャンネル幅40MHz、チャンネルを36/40/44/48で試す
- 二重ルーター確認(WAN側IPの帯域)、必要ならブリッジ/APモード化
- 改善が乏しければ回線事業者へ相談(混雑時間帯・IPv6 IPoE対応・機器交換)
9. 親子で使えるチェックリスト(印刷OK)
[配線]
□ PCは有線直結(Cat6以上) □ 平型ケーブルや劣化ケーブルは交換
[ルーター]
□ QoS/デバイス優先ON □ ゲームPC=最優先
□ 5GHz(or 6GHz)優先 □ チャンネル36/40/44/48等を試行
□ ファーム更新 □ 月1再起動 □ 発熱対策(風通し)
[設定]
□ バックグラウンドDL停止 □ NIC省電力OFF □ 高パフォーマンス
□ ダブルNATなし(要:ブリッジ/APモード)
[運用]
□ 家族の大容量通信は夜間に □ 2.4GHzと5GHzを分離運用
□ 週1で接続端末を見直し/不要端末を削除
10. 連絡テンプレ(回線事業者/機器サポート向け)
平日19〜22時にPingとJitterが悪化します。
・計測値:Ping __ms → __ms、Jitter __ms → __ms
・接続:ONU(機種:____)→ ルーター(機種:____)→ PC(有線)
・対処済み:QoS設定/有線直結/ファーム更新/再起動/端末最小構成
・相談:二重ルーターの可能性、IPv6 IPoE/IPv4 over IPv6対応、機器交換の可否
11. よくある質問(FAQ)
Q. DNSを変えるとラグは減りますか?
A. 多くのケースで体感差は小さいです。名前解決の速さより、有線化・QoS・二重ルーター解消が優先。
Q. 240Hzモニターは必要?
A. 入力遅延と視認性で有利ですが、まずはPing/Jitterの安定が先。144Hz+安定回線でも強くなれます。
Q. メッシュWi-Fiを買えば解決?
A. 無線中継は遅延が増えやすいです。有線バックホールでつなげる製品・配線を選ぶと◎。
名古屋市内スクールのサポート(CTA)
体験レッスン時にお家ネット診断を実施します。
- 配線図の作成(最短有線化の提案)
- ルーターのQoS/優先度設定の同時チェック
- タイトル別のネットワーク統計の見方レクチャー
→ サイト内「体験」ページからご予約ください。→『https://afras.jp/trial/』