近年、eスポーツは世界中で急速に成長を遂げ、数百万人のファンを魅了する大規模な競技イベントとして定着しています。しかし、この現象は一夜にして生まれたものではありません。eスポーツのルーツは1970年代にさかのぼり、その後数十年にわたり様々な変遷を経て現在の形に至っています。本記事では、eスポーツの発祥から現在に至るまでの歴史を振り返り、その進化の過程を解説します。
1. eスポーツの黎明期(1970年代)
eスポーツの起源は1972年に遡ります。この年、アメリカのスタンフォード大学で「Spacewar!」というゲームのトーナメントが開催されました。この大会は、公式なビデオゲーム大会として初めて認識され、優勝者には1年分の「Rolling Stone」誌の購読権が贈られました。この時期は、まだゲームが娯楽として広まる前であり、競技としての形態は確立されていませんでした。
2. アーケードゲームと家庭用ゲーム機の普及(1980年代)
1980年代に入ると、アーケードゲームが人気を博し、多くのゲームセンターで大会が開催されるようになりました。特に1980年にはアタリ社が主催した「スペースインベーダー選手権」が大規模なトーナメントとして開催され、1万人以上が参加しました。この大会は、eスポーツの先駆けとなり、多くの人々に競技としてのゲームを体験させました。
家庭用ゲーム機も普及し始め、多くの家庭で対戦ゲームが楽しめるようになりました。この時期には「Pac-Man」や「Donkey Kong」といったゲームが登場し、プレイヤーたちによるスコア競争が行われました。
3. インターネットとオンライン対戦の普及(1990年代)
1990年代にはインターネットが急速に普及し、これにより遠隔地にいるプレイヤー同士がオンラインで対戦できるようになりました。特に1998年に発売された「StarCraft」は、その戦略性から大人気となり、韓国では国民的な人気を誇るゲームとなりました。この時期には、プロゲーマーが登場し始め、彼らはスター選手として扱われるようになりました。
また、この時期には「Quake」や「Counter-Strike」といったFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲームも登場し、オンライン対戦が盛んになりました。これらは後のeスポーツシーンにおいて重要な役割を果たしました。
4. プロフェッショナルeスポーツの確立(2000年代)
2000年代にはeスポーツがプロフェッショナルな競技として確立されました。2000年には「World Cyber Games(WCG)」、2003年には「Electronic Sports World Cup(ESWC)」といった国際大会が開催され、世界中からトッププレイヤーが集まりました。これにより、eスポーツは国際的なイベントとして認知されるようになりました。
また、この時期には韓国で「Korean e-Sports Association(KeSPA)」が設立され、eスポーツを公式なスポーツとして認める動きが進みました。プロリーグも設立され、多くのプレイヤーが賞金を目指して参加するようになりました。
5. 大規模イベントとメディア進出(2010年代)
2010年代に入ると、eスポーツは大規模なイベントへと成長しました。「League of Legends」や「Dota 2」といった人気タイトルが登場し、それぞれの国際大会は数百万人もの視聴者を集めるまでになりました。「The International」や「LoL World Championship」は特に注目され、多くのスポンサーもつくようになりました。
この時期にはストリーミングプラットフォームTwitchが登場し、視聴者はリアルタイムで試合を観戦できるようになりました。これによりeスポーツへの関心が高まり、新たなファン層を獲得しました。
6. 現在:教育と社会的認知
近年ではeスポーツは単なる娯楽や競技を超え、教育分野でも注目されています。多くの大学や専門学校がeスポーツ関連のコースを設けており、プロゲーマーだけでなくeスポーツ業界で働くための人材育成にも力を入れています。また、チームワークや戦略的思考など、さまざまなスキルを学ぶことができるため、その教育的価値も認められています。
さらに、日本でも日本eスポーツ連合(JeSU)が設立され、市場規模は急成長しています。2022年には125億円だった市場規模が2025年には210億円を超えると予測されています。また、IOC(国際オリンピック委員会)がeスポーツ大会実現に向けた専門委員会を設置するなど、その社会的認知度も高まっています。
7. eスポーツの未来
今後もeスポーツはさらなる発展が期待されており、新しい技術やプラットフォームによってその形態も変わっていくでしょう。例えば、VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)技術を活用した新しい競技形態や体験型イベントなど、新たな可能性が広がっています。
また、大規模な国際大会やオリンピックへの採用も進んでおり、多くの国々で公式な競技として認められる日も近いでしょう。これにより、一層多くの人々がeスポーツに触れ、その魅力を享受することになるでしょう。
eスポーツは1972年から始まり、その後数十年にわたり急速に進化してきました。初期の大会から始まり、インターネットによるオンライン対戦、大規模イベントへの成長と続き、現在では教育分野でも注目されています。今後も新たな展開が期待され、多くの若者に新しい可能性と機会を提供し続けることでしょう。afrasとしても、この流れに乗りながら次世代のプロゲーマーや業界人材育成に貢献していきます。