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コラム

eスポーツ専門学校の卒業生はその後どうなる?学費や卒業後の進路についても解説

eスポーツ専門学校とは、eスポーツについて専門的に学べる教育機関です。

eスポーツにおけるプレイスキルはもちろん、マネジメントや大会運営など、裏方の仕事についても幅広く学べると人気を博しています。一方で「eスポーツ専門学校に進学したからといって必ずプロゲーマ―になれる訳じゃない」「eスポーツ分野に就職できなかった場合、他職種に就職できるのか?」など不安の声も多く聞かれます。

この記事では、eスポーツ専門学校について詳しく紹介します。eスポーツ専門学校の学費や卒業生はプロゲーマ―になれるのか、卒業後の進路などについても解説しますので、eスポーツ専門学校への進学を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

eスポーツ専門学校とは

eスポーツとは、デジタルゲームでスキルや戦略を競うスポーツです。Electronic Sports(エレクトロニックスポーツ)の略称で知られ、世界中で盛り上がりをみせています。

eスポーツ専門学校は、eスポーツについて専門的に学べる学校です。eスポーツ専門学校と聞くと、ゲームスキルやゲーム戦略だけを学ぶと考えられがちですが、他にもさまざまな教養について幅広い教育を行っています。

eスポーツチームの運営やコーチングスキル、マネジメントスキル、イベント運営など、ゲームプレイヤー以外の分野についても学べるのが特徴です。ゲームプレイヤーに関しても、スキルや戦略だけでなく、プロゲーマーとしてeスポーツに取り組むためのフィジカルを持つ方法やメンタルの保ち方、チーム競技において必要とされるコミュニケーション能力についても学べる学校が多いです。

eスポーツ専門学校は、単純にゲームをするだけの勉強ではなく、eスポーツ業界で将来就職するための知識やスキルを学ぶための教育機関と言えるでしょう。

eスポーツ専門学校で目指せる職種

eスポーツ専門学校では以下のような職種に就ける人材の育成を目的としています。今回は多くの専門学校で選択肢に上げられている職業の一例を紹介します。

eスポーツプレイヤー(プロゲーマ―

ゲームのスキルを磨き、国内外で活躍できるeスポーツプレイヤーを育成することも、eスポーツ専門学校の目的のひとつです。

eスポーツで最高のパフォーマンスをするために必要とされるフィジカルやメンタルケアを始め、チーム内でのコミュニケーションスキルなども学ぶことができます。

ストリーマー

ストリーマーとは、動画配信サイトなどで動画配信をして収入を得ている人を指します。ゲームに限らず、音楽やトークなど、さまざまな内容の動画を配信しているのが特徴です。eスポーツ専門学校のなかには、ストリーマーの育成を目的として動画編集などを授業カリキュラムに加えているケースも少なくありません。

企画作成や視聴者を引き付けるマネジメントスキル、実況スキル、ネットリテラシーなどについて学べるeスポーツ専門学校もあります。

イベント運営

eスポーツ専門学校では、eスポーツ大会を支えるイベントマネジメントなどについても授業カリキュラムに編成している学校が多くあります。将来的にイベント会社などに就職したい人に向けて、実際に学校主催のeスポーツ大会を運営する経験ができるのも大きな魅力です。

エンジニア・プログラマー

ゲームがどのように作られているのかを学ぶ授業を取り入れているeスポーツ専門学校も多くあり、ゲーム関連のエンジニアやプログラマーを目指す人に特に人気です。

ゲームはエンジニア・プログラミング界隈でも特殊な手法などを用いる事が少なくありません。ゲームについて突出した知識を得られるeスポーツ専門学校は、ゲーミングエンジニアやゲーミングプログラマーを目指す人に最適な学習環境と言えるでしょう。

eスポーツ専門学校の卒業生でプロゲーマ―になれる割合は?

さまざまな職種で活躍できる人材の育成を行っているeスポーツ専門学校ですが、なかでも特に人気が高いのがプロゲーマ―です。

ゲームのプレイ実績によって収入を得るプロゲーマ―になることを目指してeスポーツ専門学校への進学を決める人は非常に多くいます。しかし、プロゲーマーとして生計を立てられる人は極わずかで、世界で活躍するeスポーツプレイヤーともなるとさらに少なくなるでしょう。

実際に、eスポーツ専門学校の卒業生でプロゲーマ―として活動している人の割合は1割以下であるという声も聞かれます。

もちろん、プロゲーマ―には資格がないため、自ら名乗っていればプロゲーマ―になれるかもしれません。しかし、プロチームに所属してeスポーツプレイヤーとして活動できている人は極わずかであるのが実情です。

eスポーツ専門学校がやばいと言われる理由は?

eスポーツ専門学校は時折「やばい」との評価を受けてSNSなどで話題に上ることがあります。続いては、eスポーツ専門学校がやばいと言われる理由についてみていきましょう。

プロになれる確率が極わずかだから

前述したように、eスポーツ専門学校を卒業したからといって必ずしもeスポーツプレイヤー(プロゲーマ―)になれる訳ではありません。プロを目指してeスポーツ専門学校に入学しても、夢を叶えられるのは才能を持っている人や最大限の自己研鑽をできる人だけです。eスポーツ専門学校に入っても、夢を叶えらない人が多いため「やばい」と評されています。

生徒間の温度差が激しいから

eスポーツ専門学校に進学する人のなかでも熱量はそれぞれです。本気でプロゲーマ―を目指して日々自己研鑽をする人がいれば、ただ毎日ゲームができるという間隔で過ごしている人もいます。なかには、入学時には高いモチベーションを持っていたのに、熱量の低い人に悪影響を受けてしまうこともあるでしょう。

同じモチベーションでプロゲーマ―やeスポーツ業界への就職を目指せる人だけではないため、自分自身を叱咤するための努力も必要になることがあります。選んだeスポーツ専門学校によってはクラスのほとんどがやる気のない生徒という状況も無いとは言い切れません。

「ゲームができるから」という甘い理由で入学し、大切な数年間を消費してしまった際には、その後の人生に支障をきたす可能性も大きいでしょう。

学費が高額だから

eスポーツ専門学校の学費はおおよそ90~140万と学校によって異なります。その他、eスポーツを中心とした専門的な知識や技術を学ぶための周辺設備なども必要です。学費の他に多くの雑費が必要となり、総額で270~300万円を必要とするケースも少なくありません。

在学期間によっても学費総額は大きく異なり、4年間通った場合総額で500万円近い費用を必要とするeスポーツ専門学校もあります。

世界的に見て、eスポーツは高額賞金の大会が数多くあります。数百万の学費でeスポーツプレイヤーやプロゲーマーになれるのであれば、先行投資としてコストパフォーマンスも悪くありません。また、eスポーツ界隈はこれからも盛り上がることが予想されているため、業界企業に入社できれば幸先の良い可能性も高いでしょう。

しかし、前述しているとおりeスポーツ専門学校の卒業生でプロゲーマ―になれる割合は1割以下と言われています。eスポーツの業界企業も、徐々に競争が激しくなっているため、必ずしもeスポーツ業界に身を置けるとは限りません。

eスポーツ専門学校は正にハイリスクハイリターンです。このギャンブル性によって「eスポーツ専門学校はヤバい」と言われている面もあります。

学校側も手探りで運営している可能性があるから

eスポーツ自体、歴史が浅く日本での認知度が高いとは言えません。世界で盛り上がりを見せている現状に慌てて追いかけているような一面もあるため、海外のeスポーツ専攻学科などと比べると学校自体もノウハウを持っていないことが少なくありません。

学習カリキュラムなどをよく比較して学校を選ばなければ、高い学費を支払っているのに満足なeスポーツ教育を受けることができない可能性もあるでしょう。

eスポーツ専門学校の卒業生の末路

eスポーツ専門学校を卒業し、プロチームに所属できたり、イベント企業などに就職できたりする人は理想の進路に進めたと言えるでしょう。

一方で、夢に破れてしまう人もいます。希望の進路に進めなかった場合、eスポーツ専門学校の卒業生はどのような末路を辿るのかも知っておく必要があります。

別業種の一般企業への入社

プロゲーマ―を志す人の多くは、狭き門である事を理解している事でしょう。そのため、「プロゲーマ―になれなかったとしても、eスポーツ専門学校で学べばeスポーツ関連の仕事に就く事ができるだろう」と考えている人が少なくありません。

しかし、eスポーツ関連企業も今や競争の激しい分野です。eスポーツ専門学校界隈のなかでも高い倍率を誇り、少ない席を奪い合う事になります。さらに、世界的に盛り上がりを見せるeスポーツ市場で飛躍するべく、eスポーツ専門学校だけでなく一般大学などからも就職希望があるでしょう。なかには、名門と呼ばれる大学などが参入してくる可能性もあります。

eスポーツ関連企業での就職が叶わなかった人の多くは、eスポーツとは全く関係ない一般企業への就職を検討します。eスポーツ専門学校で学ぶ知識は特殊なケースが多いため、一般企業で活かせる可能性は高くありません。尚かつ、一般的な専門学生や大学生は在学中にさまざまな資格を取得します。

職種に活かせる知識を持たず、無資格の人の行く末の多くは、「誰にでもできる仕事」です。「こんな筈ではなかったのに…」と思いながら日々の業務に追われている卒業生も少なくありません。

収入のない「自称プロゲーマ―」になる

プロゲーマ―やストリーマーには資格がありません。敢えていうのであれば、ゲームや配信によって収入を得ているのであれば、プロゲーマ―、ストリーマーと呼べるという考え方も聞かれます。

そのため、就職が決まらないけれどeスポーツ業界やゲーム業界に身を置く事を諦めたくない卒業生が「自称プロゲーマ―」「自称ストリーマー」になるケースも少なくありません。

実際は実家に依存したり、バイトで食いつないだりしながら、ほとんどニートやフリーターのような生活をしている卒業生もいます。

eスポーツプレイヤーになるためにはeスポーツ専門学校の選択肢しかないの?

eスポーツ業界の関連企業でマネージャー業や企画運営などをしたいという人にとっては、業界の特殊な知識を学べるeスポーツ専門学校が適しているでしょう。

しかし、eスポーツプレイヤー、プロゲーマ―、ストリーマーなどを目指している人の場合、必ずしもeスポーツ専門学校での学歴が必要ではありません。

最後に、eスポーツプレイヤー、プロゲーマ―、ストリーマーなどを目指す人の専門学校以外の選択肢について紹介します。

独学でプロを目指す

現在活躍しているeスポーツプレイヤーやプロゲーマ―、ストリーマーの多くは独学で知識や技術を磨いてきた人達ばかりです。トライ&エラーを繰り返しながら、能動的に活動を行う事で実績を作り、輝かしい地位に就いていると言えます。

本来、eスポーツは自己研鑽のスポーツです。ゲームスキルや戦略だけでなく、セルフマネジメントまでできる人が結果を出すのは、当然の結果と言えるかもしれません。

ゲーミングスクールで学ぶ

独学でプロを目指す事のできる人は、一握りの才能を持っています。では、才能を持っていなければ夢を追う事ができないのかと問われれば、そんな事はありません。

近年、eスポーツを塾や習い事のように学べるゲーミングスクールの数も増えてきました。将来のリスク管理をしながらeスポーツについて学び、「自分はeスポーツ業界に身を置けるのか?」という本質を見つめてみるのもよいでしょう。

一般大学に通ったり一般企業に勤めたりしながらゲーミングスクールに通う人も多くいます。実力がついて大会で実績を出せるようになってきたり、プロチームからのオファーを受けたりした段階でプロに転向するのもひとつの方法です。

eスポーツ専門学校が自分に向いているのか?卒業後のビジョンを想像してみて

eスポーツ専門学校は、eスポーツ業界の特殊な知識や経験を得られる教育機関です。一方で、強い情熱や真剣さがなければ時間と大金を失ってしまうだけの場所になってしまいます。

まずは、自分自身がeスポーツ専門学校に向いているのか?卒業生がどのような進路に進んでいるのかなどを理解し、検討してみるのがよいでしょう。進みたい分野によっては独学などでも目指せる場合があります。

「プロゲーマ―を目指すからeスポーツ専門学校に通う」という固定観念を持たないように、将来のビジョンを想像しながら進路を選択してください。

AFRAS(アフラス)は、プロゲーマ―のマンツーマン授業を受けられるゲーミングスクールです。大学や一般企業に勤めながらでも、自分の予定に合わせて授業が組めるため、単純にeスポーツのスキルを磨きたい人やリスク管理をしながらプロゲーマ―を目指したい人にぴったりです。eスポーツプレイヤーになりたい、プロゲーマ―になりたいという志しをもっている人はぜひ、ご検討ください。