コンピューターゲームを用いて勝敗を競うeスポーツの普及が広がるなか、高校競技シーンでもeスポーツが採用されるようになりました。高校のeスポーツ部はまだ多くありませんが、徐々に増加傾向にあり多くの学生の関心を集めています。
この記事ではeスポーツのクラブ活動について、どのような活動をしているのか、メリット・デメリットなどを紹介します。合わせて、eスポーツ部がない学校に在学している場合にできるeスポーツの活動についても紹介しているので、最後までチェックしてみてください。
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eスポーツクラブやeスポーツ同好会を創部する高校が増加中
eスポーツが社会に普及するなかで、選手層の低年齢化が進んでいます。ゲームに幼い頃から触れているZ世代の躍進は目覚ましく、後に続くべく小学生、中学生、高校生などがeスポーツを始めるケースも増えてきました。
特に中学校、高校ではeスポーツをクラブ活動として認める動きも出てきています。
保護者のなかには「学校でゲームをするの?」と批判的な声もありますが、eスポーツには教育的効果が期待されており、NASEF(北米教育eスポーツ連盟)では世界に先駆けてeスポーツの教育効果を検証、発表しています。
基本的に教育機関のクラブ活動に求められるのは、スポーツによる教育的効果です。社会性、情動性、体力向上、知力向上、スポーツ人材の育成など、求められる教育効果は多岐に渡ります。eスポーツは他のスポーツと同じく前述した効果が認められることから、教育機関によってクラブ活動として認められるケースが増えてきているのです。
実際、教育現場にeスポーツが導入され始め、小学校では地理の勉強として桃太郎電鉄をプレイする授業を取り入れている公立学校も増えてきています。ゲームが娯楽の範疇を越え、子どもにとって前向きな教育効果を発揮していることから、今後ますますeスポーツをクラブ活動として導入する学校は増えていくことでしょう。
学校選びの要件として「eスポーツクラブの有無」が決め手になるケースも
eスポーツクラブにはさまざまな教育効果があるものの、実際は設備環境を整えるための予算や指導人材の確保など、創部の壁は決して低くありません。
それでも、私立の学校では予算を割いてeスポーツクラブを創部する動きが特に顕著に見られます。
これは、昨今の学校選びの際にeスポーツ部の有無が入学希望者の数に反映される傾向にあるからです。特にeスポーツ強豪校と呼ばれる学校には、eスポーツクラブへの入部を目当てに入学を希望する声も多く聞かれます。
自分の所属したいクラブ活動が学校選びの決め手になるのは、一般スポーツでは当然とされてきました。eスポーツがスポーツとして認められ、他のスポーツと同様に選ばれるようになってきていることを実感している学校が多いのです。
また、eスポーツの地方創成や地域経済活性化効果に期待する自治体などが、eスポーツクラブを支援する動きも高まっています。支援を受けてeスポーツを創部することで入学希望者が増加するならば、学校にとって指導人材さえ確保できるのなら積極的に創部を促したいのも当然と言えるでしょう。
eスポーツクラブではどのような活動をするの?
eスポーツが他のスポーツと同様にクラブ活動として認められつつあるとは言え、どのような活動をするのか想像もつかないという人も多いでしょう。
続いては、eスポーツクラブの活動内容について紹介していきます。
競技ゲームのプレイ練習
eスポーツクラブでは、当然eスポーツの競技練習を行います。学校施設に設置されたeスポーツスペースで、ゲームをプレイしながらスキルの向上を目指しています。
しかし、一般的に想像されるような娯楽的なプレイではなく、指示や指摘が飛び交う様子が多く見られるようです。あくまでスポーツとして取り組んでいるため、娯楽との線引きを意識して指導するケースが多く、和気あいあいとしたイメージとのギャップを感じる学生も少なくありません。
ミーティング・作戦会議
学校のeスポーツクラブでは、チーム競技を選択するケースが多くみられます。また、ソロ競技であっても明確な目標を決めるなど、「ただゲームをプレイするだけ」という状況を避けるための取り組みが重要と考えられています。
時には、ミーティングによって目標を共有したり、プレイの作戦について議論を交わし合ったりすることもあります。
現状、eスポーツの指導人材は十分とは言い難いため、生徒同士で情報共有し戦略について検討するケースも少なくありません。
座学
eスポーツは、スキルだけでなく知略を必要とするスポーツです。操作するキャラクターやマップ、アイテムの特性などを正しく把握している必要があります。
時には、座学の時間をとり競技タイトルに対する知識を深めることもあります。
体力作り
eスポーツは室内で着席し、モニターに向かって競技することが多いです。そのため、運動能力は不要というイメージを持たれていることもあるでしょう。
eスポーツは一見すると「座っているだけ」と思われがちですが、実は座っているだけでも体はさまざまな筋肉を使います。長時間デスクワークや勉強をした後に肩こりや腰痛、疲労を感じるように、激しく体を動かさないからといって体力が不要という訳ではないのです。
eスポーツは特に思考力を必要とします。身体の負担によって集中力が途切れパフォーマンスが低下してしまうことも珍しくありません。実際に、プロeスポーツ選手の多くは体を鍛えることで、より高いゲーミングパフォーマンスを発揮できると言います。
eスポーツと体力作りの関係性が広まりつつあり、eスポーツクラブなどでも体幹トレーニングなどを取り入れるケースが増えてきました。
他校との交流戦
他のスポーツでも行われるように、eスポーツでも練習試合、交流戦などが行われます。eスポーツの特性上、交流戦はオンラインで行うため移動の手間なども省けることから、他のスポーツに比べれば、機会を設けやすい面もあるでしょう。
学校のeスポーツクラブで採用されやすい競技タイトルは?
eスポーツではさまざまなタイトルが競技に採用されます。なかでも、eスポーツクラブで採用されやすいタイトルに「VALORANT」「League of Legends」「APEX LEGENDS」などがあります。特に、VALORANTは多くのeスポーツクラブで競技タイトルに採用されています。
これらのタイトルに共通するのはパソコンでプレイできるという点にあります。教育機関のクラブ活動として行う以上、家庭用ゲーム機などは設置しにくいことや、万が一eスポーツ部が廃部した後でも使い道のあるパソコンでできるタイトルを選びたいという理由などもあるでしょう。
ただし、学校によってはスマホ用タイトルを競技タイトルとしている場合などもあります。eスポーツでプレイしたい競技タイトルがある場合は、eスポーツクラブの有無だけでなく、どのような競技タイトルで活動しているのかについても調べる必要があります。
eスポーツクラブのメリット
eスポーツには認知力や集中力の向上効果が期待できます。そのため、学生の本分である学業にとっても良い効果をもたらすことが期待できるでしょう。
また、eスポーツにとってコミュニケーションは非常に重要です。活発なコミュニケーションを交わすことで、社交性を高め情操を育むことにも繋がります。
eスポーツクラブのデメリット
倶楽部活動としてeスポーツに取り組むうえで、重大なデメリットは多くありません。
eスポーツにおいて重大なデメリットと考えられるゲーム障害は、ゲームに依存するあまり社会生活や日常生活に支障をきたしてしまう症状を言います。しかし、eスポーツクラブとして集団生活を送るなかで、自分勝手にプレイを続けることはできないため、寧ろ自制力を高めてゲーム障害を防ぐ働きが期待できるでしょう。
また、クラブ活動に夢中になるあまり学業が疎かになることを心配する声も聞かれますが、その点は他のクラブ活動と大差ないでしょう。学校の多くは、成績が著しく低下した際には部活動の停止などの措置をとります。クラブ活動に教師が関わることで、学業に大きくデメリットを与えるリスクは抑えることができます。
在学している学校にeスポーツクラブがない時には
eスポーツ活動をしたい学生のなかには、在学中の学校にeスポーツクラブがないケースや、進学範囲内にeスポーツクラブのある学校がないというケースもあるでしょう。
もちろん、eスポーツは1人でもプレイできますが、同年代や指導者の元でプレイすることには学生のうちに体験しておくべき多くの要素が含まれます。
eスポーツのクラブ活動をしたいけれど、クラブ活動ができる環境が学校にない場合には以下の選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
オンラインでeスポーツチームを探す
ネット上では、同じ境遇でeスポーツのクラブ活動を断念している学生も多くいます。幸い、eスポーツは場所を選ばずプレイできるのが特徴です。eスポーツチームメンバーの募集掲示板などを利用して、加入できるチームを探しプレイするのもよいでしょう。
ただし、ネット上だと相手の身元が分からないというデメリットがあります。犯罪に巻き込まれないよう、ネットリテラシーについて十分に学んでから利用する方がよいでしょう。
ゲーミングスクールに通う
eスポーツを塾のように学べるゲーミングスクールに通うことで、指導を受けることができます。また、同じスクールに通う同年代の生徒と一緒にチームで活動することもできるでしょう。
eスポーツクラブで学生スポーツをより楽しもう
eスポーツは学生スポーツとしてして認められはじめ、より盛り上がりを見せています。学生スポーツには学生スポーツにしかない魅力があり、かけがえのない時間となるでしょう。
今回紹介した内容を参考に、クラブ活動でeスポーツに励んでみてください。
また、学校にeスポーツクラブのない人や学校のeスポーツクラブだけでは物足りないと感じている人は外部でeスポーツに取り組むのもおすすめです。
AFRAS(アフラス)は、プロeスポーツ選手からのマンツーマン指導を受けられるゲーミングスクールです。学校の予定に合わせて受講スケジュールを組み、スキルアップを目指すことができます。また、同じようにゲーミングスクールに通う学生との交流の場にもなるでしょう。
学生としてeスポーツにどのように取り組もうか考えている人はAFRASを検討してみてください。