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ゲームのマナー違反行為「スマーフ」とは?やってはいけない理由についても紹介

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近年、FPSやTPS、MOBAなどのオンラインゲームで「スマーフ」と呼ばれる違反行為が話題になっています。オンラインゲームが主流になり、年齢や性別、国籍など関係なくさまざまな人が一緒にゲームをプレイできるようになったなかで、全ての人が公平にゲームを楽しめるようにさまざまなシステムが開発されています。

そんなシステムの抜け穴をつき、ゲームマナーを守らずに行われているのが「スマーフ」という行為です。

この記事では、スマーフがどのような行為なのか、なぜマナー違反とされているのかなどを分かりやすく解説します。スマーフについて知りたい方やスマーフの何が悪いのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ゲーム内で行われるスマーフとは

スマーフとは、主にFPSやTPS、MOBA系のオンラインゲームで行われるマナー違反行為のひとつです。高ランクのプレイヤーがメインアカウントとは別のアカウントを作成して、低ランク帯でゲームをプレイする行為を指し、英語の「smurf(素状を偽る、という意味)」から生まれたスラングとして知られています。

近年、オンラインゲームの多くで採用されているランクマッチシステムは、同程度のゲームスキルを持つプレイヤー同士をマッチングさせて、多くのプレイヤーが公平にゲームを楽しめるよう運用されているシステムです。しかし、高ランクプレイヤーがスマーフして低ランク帯でマッチングされてしまうと、ゲームバランスが崩れ初心者をはじめとする低ランク帯のプレイヤーが楽しめない状況に陥ってしまいます。

これらの問題から、スマーフはマナー違反行為とされ、タイトルによっては規約で禁止されているケースもあります。

また、スマーフを行うプレイヤーのことを「スマーファー」、スマーフ行為自体のことを「スマーフィング」と呼びます。オンライン上で気軽に情報交換ができるデジタル社会のなかで、特定のタイトルに「スマーファーが多い」という噂が立ってしまうと、それだけで新規ユーザーが参入を敬遠してしまうことも少なくありません。

スマーフは、ゲーム業界全体でさまざまなリスクを持つマナー違反行為としてタブー視されています。

スマーフとブースティングの違い

スマーフと同様にオンラインゲームにおけるマナー違反行為に「ブースティング」があります。ブースティングとは、低ランクプレイヤーがランク上げのために高ランクプレイヤーにプレイを代行してもらうことです。

つまり、低ランクプレイヤーのアカウントを高ランクプレイヤーが操作してランクマッチをプレイし、希望するランクまで到達したら本来のプレイヤーにアカウントを返却する行為を指します。

海外ではブースティングを受注する業者が現れるなど、スマーフよりもさらに悪質な行為として注意喚起されています。

スマーフがマナー違反といわれる3つの理由

プレイヤーのなかには「スマーフの何が悪いの?」という主張をする人もいます。続いては、スマーフがマナー違反といわれる理由について解説していきましょう。

1.新規ユーザーがゲームを楽しめなくなるから

オンラインゲームにおけるランクマッチシステムは、マッチングに公平性を保ち多くの人が楽しめるよう運用されています。特に、FPSやTPS、MOBAなどのゲームにおいて、操作スキルや戦略は勝敗を左右する最大の要素です。高ランクプレイヤーと低ランクプレイヤーがマッチングされてしまうと、低ランクプレイヤーはスキルや戦略で簡単に圧倒されてしまうでしょう。

同ランク帯のプレイヤーとマッチングされれば、勝ったり負けたりを繰り返して上達していけるところを、スマーフする高ランクプレイヤーに太刀打ちできずゲームをやめてしまう可能性もあります。

ランクマッチシステムは、同ランク帯のプレイヤー同士が切磋琢磨しながらゲームを楽しむためのシステムです。スマーフによってシステムが適切に稼働しなくなってしまうと、新規ユーザーをはじめとした低ランク帯のプレイヤーはゲームを楽しめなくなってしまいます。

2.タイトルのイメージが悪くなるから

近年、SNSの普及によりゲームを始める前に口コミを調べる人も増えています。そこで「あのゲームにはスマーフが多い」「スマーファーばかりで、プレイを楽しめない」などの口コミを見かけたら、あなたはそのゲームタイトルをプレイするでしょうか。

スマーフをはじめとするゲームマナーを守らないユーザーが多いタイトルは、イメージが悪くなりユーザーの新規参入が減ってしまうケースがあります。また、スマーフが横行している状態を運営が放置しているとみなす人もいるため、既存ユーザーが「運営が適切に管理していないゲームはトラブルが起こりやすいからプレイを辞めよう」と、離脱してしまう可能性もあります。

3.ゲーム運営に支障をきたす可能性があるから

スマーフをはじめとするゲームマナー違反の最大のデメリットは、ユーザーがタイトルを敬遠してしまうリスクにあります。スマーフが原因でユーザー離れが加速してしまうと、ゲーム運営は継続が困難になってしまうでしょう。

基本無料でプレイできるタイトルやオンライン対戦などが可能なタイトルの場合、ゲーム運営会社は広告料やアイテムなどの課金、有料会員への登録・利用料などを主な収入源として運営しています。これらの費用を得るためには、多くのユーザーにゲームを利用してもらう必要があります。

スマーフをはじめとする迷惑行為によってユーザーが減少してしまうと、運営会社が収入を得る機会も損なわれるでしょう。最終的には、ゲームを存続させることが難しくなり、サービスの提供を終了してしまう可能性もあります。

スマーファーはどうしてスマーフィングをするのか

スマーフがゲームに対して悪影響をおよぼすことを理解してなお、スマーフ行為を行うプレイヤーが存在するのも事実です。スマーファーのなかには、以下の理由でスマーフ行為を行う人がいます。

  • 低ランクプレイヤーを攻撃したいから
  • メインアカウントはチームプレイで活用しており、サブアカウントでソロプレイをしたいから
  • 家族でメインアカウントを共有しており、個人用としてサブアカウントを利用したいから
  • 初心者の友人と同じランクでプレイしたいから

低ランクプレイヤーを攻撃したい人、つまり「初心者狩り」を目的としてプレイするのが悪質なことは誰もが理解できるでしょう。

チームプレイが可能なゲームでは、メインアカウントはチームプレイ用で使用し、ソロプレイ用としてサブアカウントを作成して低ランク帯から再スタートするケースも見受けられます。その他、家族で共有アカウントを作成しているため、自分専用のアカウントを作成するためにサブアカウントを使用せざるを得ないという状況もあるでしょう。

チームプレイ用とソロプレイ用を使い分けたい、家族の共有アカウントと個人用アカウントを使い分けたいなど、状況や理由によってはスマーフが絶対的な禁止行為として摘発できない点についても議論されてきました。

基本的に複数アカウントの所持を利用規約として禁止しているタイトルであれば、罰することができるかもしれませんが、悪質なスマーフとそうでないスマーフを見分けるのは現状のテクノロジーでは困難です。

また、多く聞かれるのが「新規ユーザーの友人と同じランク帯でプレイしたいから」という理由です。この問題に関しては、ランクマッチ以外のシステムを活用してプレイをするべきだという意見が多く聞かれます。高ランクプレイヤーがサブアカウントで新規ユーザーと共にランクマッチをプレイし、新規ユーザーを実力以上のランクまで引き上げることはブースティングに近い行為とも呼べるでしょう。

ゲーム運営が担保している公平性を維持するためにも、新規ユーザーと一緒にプレイしたい場合には、スマーフをするのではなくメインアカウントを使用してランクマッチ以外のマッチングシステムを活用してプレイするのが望ましいです。

スマーフがバレたらどうなる?

ゲームをプレイしていて、運営がスマーフ行為を発見・摘発するのは簡単ではありません。しかし、高ランクプレイヤーと対戦しているプレイヤーには分かるものです。

装備やキャラクターの育成レベルが低いにも関わらず、圧倒的なスキルや戦略を駆使してくるのだから、当然プレイヤーは違和感を覚えるでしょう。

スマーフしていることがバレた場合、一番多いのは運営に通報されることです。運営によってスマーフを行ったアカウントであることが立証された場合、ゲーム規定に則って処罰される可能性もあるでしょう。

多くのゲームでは、1人で複数のアカウントを所持することを禁止しています。スマーフに対する処罰というよりも、スマーフを立証できなくても対処ができる「複数アカウント所時違反」によって、サブアカウントだけでなくメインアカウントも削除される可能性も考えられます。

各ゲームタイトルのスマーフ対策

ゲームを公正かつ健全に運営するために、ゲーム会社でもスマーフ対策が行われてます。

VAROLANTのスマーフ対策

人気FPSゲームとしてeスポーツのメジャータイトルに挙げられるVAROLANT。5vs5で対戦する同タイトルでは、1人の高ランクプレイヤーによってチームが全滅させられてしまうこともあります。そのため、ランクマッチによる公平性が特に必要とされ、スマーフによる悪影響を特に受けやすいタイトルとしていわれてきました。

同タイトルでは、2022年に自動スマーフ検知システムを導入しています。自動スマーフ検知システムによって、スマーフアカウントを迅速に検出し、スマーファーのアカウントをなるべく早くランクアップさせMMRを適切な数値に誘導することが可能です。スマーフに使用しているサブアカウントをなるべく早くメインアカウントのランク帯に近付けることで、スマーフによる迷惑行為を防いでいます。

また、従来のVARLOANTでは、同ランク帯のプレイヤー同士でないとチームを組めなかったため、低ランク帯の友人と一緒にプレイしたいなどの動機でスマーフが横行していました。チーム編成におけるランク制限を撤廃したことで、スマーフ数は激減しています。スマーフを適切に問題視し、スマーフをしなくてもゲームに満足できるよう仕様を変更するという対策も行っています。

Apex Legendsのスマーフ対策

Apex Legendsは、2もしくは3人1組のチームバトルロワイヤルゲームです。複数のチームで競い最後の1組が残るまで戦うゲームなので、これまでスマーフの影響を比較的受けにくいタイトルと言われていました。

しかし、近年スマーフのなかでも特に悪質な「初心者狩り」と呼ばれる迷惑行為をするユーザーが急増しており、運営元であるエレクトロニックアーツによる対策が行われています。

Apex Legendsでは、スマーフを迷惑行為として通報できるシステムを実装しました。通報したからといってすぐにBanされる訳ではありませんが、通報に則って運営がスマーフと認めるかどうかを判断してくれるため、ゲームの公平性を保つ助力になるでしょう。

ゲームにおいてスマーフはNG!マナーを守ってゲームを楽しもう

スマーフをはじめとする迷惑行為は、オンラインという環境のなかで顔の見えない相手に不快な思いをさせてしまう可能性が大きい行為です。同じタイトルを愛するユーザー同士、公平にゲームを楽しむためにも、スマーフや類似したマナー違反行為は行わないよう注意しましょう。

ゲームで遊ぶなかにも、さまざまなルールやマナーがあります。特に、オンラインゲームが主流になった今、マナーを適切に守れなければ思わぬトラブルに発展してしまうこともあります。

ゲームでも現実と同様に画面の向こう側にプレイヤーが存在していることを意識し、ルールやマナーを守りながら楽しくプレイしましょう。

AFRAS(アフラス)は、ゲームについて学べるゲーミングスクールです。ゲームについて学ぶことで、スキルや戦略だけではなくオンラインゲーム特有のルールやマナーを学ぶこともできます。安全にゲームを楽しむためにも、AFRASでゲームについて学んでみてはいかがでしょうか。