ゲームをしていて「リスキル」という言葉を聞いたことがある人も少なくないでしょう。リスキルとは、FPSやTPSジャンルのゲームで見られるプレイのひとつです。
しかし、リスキルは行う人や受ける人によって「戦略」や「マナー違反」など、全く異なる印象を与えるプレイでもあります。
この記事では、リスキルがどのようなプレイなのか、その意味を分かりやすく解説します。合わせて、リスキルに対する一般的な意見なども紹介しているので、リスキルについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
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ゲーム用語の「リスキル」とは

FPSやTPSジャンルのゲームでは、戦闘中に行動不能となっても復活できるリスポーンという仕様が採用されているものがあります。リスポーンしてプレイを再開させる場所はゲームによって異なりますが、リスポーン地点を敢えて攻撃し復活したプレイヤーを再び倒す行為を「リスキル(リスポーンキル)」と言います。
復活したキャラクターは為す術もなく再び行動不能になり、リスポーンしても再度リスキルされてしまう状況に陥りやすく、ゲーム業界でもマナー面での可否が議論されているプレイです。
復活した相手をすぐに倒すのは戦略としてありかもしれません。しかし、リスキルされたプレイヤーにとっては手も足も出ない状況は面白くないでしょう。
こういった背景から、リスキルは戦略として容認する人とゲームマナーとして否定する人に分かれやすい傾向があります。
ビジネス用語のリスキルとは違う意味
リスキルという言葉はゲームだけでなく、ビジネス用語として用いられることもあります。ビジネス用語としてのリスキルは「リスキリング」の略称です。
リスキリングとは、企業に勤める従業員がこれまで持っていない資格や技術を身に付けることを指します。
ビジネス用語として用いられるリスキルは、ゲーム用語のリスキルとは全く違う意味を持っているため、混同しないように注意しましょう。
ゲームによってはリスキル対策がされている場合も
ゲーム制作側としてもリスキルは容認すべきか禁止すべきかの判断が難しいと言えるでしょう。
そもそも、高いゲームスキルがなければリスキルを実行することはできません。ルール違反やチートプレイをしている訳ではないため、リスキルは正当なプレイと言えます。
一方、復活してもすぐに行動不能になってしまうリスキルは、初心者プレイヤーやスキルの未熟なプレイヤーにとってゲーム離れを引き起こしてしまうリスクがあります。リスキルされる側のプレイヤーはゲームをつまらないと感じやすいため、ゲーム運営としても何か対策を講じたいと考えるケースが多く見られます。
なかには、キルされて行動不能になりリスポーンした際に、一定時間ステータスが上昇したり攻撃が無効化されたりする仕様を導入しているゲームもあります。リスポーン時にキルされにくくすることで、リスキルを防いでいると言えるでしょう。
また、自分自身でリスポーン地点を選び、敵のいない場所に任意でリスポーンできる機能を導入しているゲームもあります。
多くの人にゲームを楽しんでもらうため、ゲーム運営会社もリスキル対策を行っているようです。
リスキルが起こりやすい状況とは

リスキルは、リスポーンシステムを採用しているからといって必ずしも発生するプレイではありません。反対に、特に起こりやすい状況なども存在します。
続いては、リスキルが起こりやすい状況についてみていきましょう。
スキルに大きな差がある
リスキルを行うには、基本的に相手陣地を制圧している必要があります。相手を倒して行動不能にしながら、自陣を守りつつ相手陣地を制圧するには高いスキルが求められるでしょう。
このような理由から、リスキルはスキルの差が大きいマッチプレイの際に起こりやすい傾向があります。上級者と初心者、超上級者と中級者など、実力差が大きいプレイヤー同士がマッチングされた際に起こりやすいです。
マップが狭い
戦闘マップが広い場合、自陣を守るのも相手陣地を制圧するのも必然的に難しくなります。反対に、マップが狭ければ相手陣地を制圧する難易度が低下するでしょう。
マップが狭いと混戦しやすく、1つのミスで相手に自陣を制圧されてしまうことがあります。リスキルは自陣を制圧された際に起こりやすく、狭いマップでは特に発生しやすいです。
【戦略?マナー違反?】リスキル容認派と否定派の意見

リスキルについては、ゲーム業界でも度々議論が起きており、戦略として容認するのかマナー違反として否定するのか意見が分かれています。
リスキル容認派の意見
リスキル容認派の意見には以下のものがあります。
- そもそもルール違反ではない
- 戦術としてリスポーンしたプレイヤーを早くキルしたいと考えるのは普通
- 自陣の制圧を許してしまうから起きること。リスキルされる側の実力不足
ここまでも言及しているように、リスキル自体はゲームの仕様としてルール違反ではありません。そのため、リスキル容認派の意見としては「ゲームの仕様として、最も効率的な方法で攻撃をしているだけ」という主張が多く見られます。
リスキル否定派の意見
リスキル否定派の意見には以下のものがあります。
- リスキルされた側はゲームを全く楽しめなくなる
- 実力の高いプレイヤーこそ、ある程度の謙虚さを持ってゲームを盛り上げるべき
- 煽り行為と同じ
リスキルされたプレイヤーは、手も足も出ない状態でただ対戦時間が終るのを待つだけという状況に陥ることが多いです。これではゲームを楽しむことは難しいでしょう。また、実力差が大きい状況で発生しやすいプレイだからこそ、上級者として多くの人がゲームを楽しめるようにリスキルをせずに配慮すべきという意見もあります。
なかには、リスキルを煽り行為として受け取る人もいて、ルールには抵触しないもののマナー違反であるという主張が多く聞かれます。
ゲームにおけるリスキルのリスクとは

リスキルには、さまざまな面でリスクがあると考えられるため、基本的には避けるプレイヤーが多い傾向にあります。続いては、リスキルをすることで考えられるリスクについて紹介します。
相手を煽る行為と受け取られる
リスキルを確実に行うには、相手陣地への侵略を止めリスポーン地点で待ち伏せをする必要があります。
もちろん、相手のキャラクターを行動不能にする回数でゲームの勝敗に影響する場合もあるでしょうが、リスポーン機能が導入されているゲームの多くは、相手プレイヤーのキル回数以外にも勝利条件を設定していることが多いです。
他の勝利条件を無視してリスキルだけを行うプレイスタイルは、「相手にゲームを楽しませないようにするプレイ」として煽り行為と捉えられることもあるでしょう。相手プレイヤーに嫌悪感や不快感を与える行為として批判されることも多いです。
自陣の守備が手薄になる
前述したように、リスキルするには相手陣地のリスポーン地点付近で待ち伏せする必要があります。必然的に、自陣の守備は手薄になり、複数人同士のチーム戦においては「リスキルを狙っていたら、いつの間にか自陣が制圧されていた」というケースも少なくありません。
自分自身がリスキルに躍起になっている間、自チームの仲間は「リスキルなんてしていないで、自陣に戻ってくれ」と思われているかもしれません。自陣の状況を確認しながら行動できないうちは、リスキルするほどの技量があるとは言えないでしょう。
敵に囲まれる可能性が高い
リスキルをされてしまうと数的不利に陥ってしまうため、自チームの仲間がリスキルされていると分かれば仲間は当然加勢に向かいます。
結果として、リスキルを狙ううちに周囲を敵に囲まれてしまうケースも少なくありません。安易に敵陣に深く切り込みすぎて攻防のバランスを崩した結果、自陣が不利な状況に陥ってしまうこともあります。
ゲームの治安を悪くしてしまう
リスキルは、上級者が初心者に行うケースが多く見られることから「初心者狩り」と呼ばれることもあります。初心者狩りには、さまざまなプレイがありますが、横行してしまうとゲームの治安は悪くなり、新規ユーザーが敬遠しやすくなってしまうでしょう。
新規ユーザーが減少することで、ゲームは盛り上がりを欠き、結果的にサービスの継続に支障をきたす可能性もあります。
リスキルが起こりやすいゲームタイトル

ゲームによってもリスキルの起こりやすさは異なります。以下のゲームでは特にリスキルが起こりやすいと言われています。
スプラトゥーン(TPS)
人気TPSゲームとして幅広い層に人気のスプラトゥーンシリーズですが、全てのシリーズでリスキルが問題視されてきました。
ランクマッチシステムを採用しているガチマッチなどでは比較的起こりにくいものの、明らかにリスキルが発生しやすいマップなども存在します。
また、2vs2vs3で行われるフェスマッチ(トリカラバトル)などでは、実力差からリスキルが起こりやすい傾向にあります。低年齢層のプレイヤーも多く、ゲームスキルの実力差が発生しやすいこと、リスキルをしやすい狭小マップが存在することが要因です。
Call of Duty(FPS)
eスポーツ競技タイトルとしても世界中で親しまれているCall of Duty。リスポーン地点は固定されておらず、戦況によって流動的に変化するのが特徴です。
そのため、意図せず目の前に相手がリスポーンすることで、リスキルが発生することもあるでしょう。
同タイトルの場合、リスキルを狙ってできる仕様ではないため、そこまで問題視されていないようです。
マインクラフト(サンドボックスゲーム)
ここまで紹介したリスキルとはやや認識が異なりますが、子供から大人まで幅広い年代に熱狂的なファンを持つサンドボックスゲーム「マインクラフト」でもリスキルが存在します。
マインクラフトにおけるリスキルとは、敵モブのスポーンブロックなどの周囲にトラップを仕掛けてキルし、素材を量産することです。相手が人間プレイヤーではないことから禁止されることもなく、むしろ推奨して効率的に素材を獲得している傾向にあります。
【要注意】リスポーンがないのにリスキルが存在するタイトルもある

Rainbow six siegeはレインボー部隊とテロリストの攻防を描いた対戦型FPSゲームです。
攻撃側と防御側で勝利条件が異なり、基本的にリスポーン機能はありません。行動不能になってしまうと、同ラウンド内でリスポーンすることはできず、次ラウンドまで待機することになります。
そのため、一般的な意味での「リスキル」は存在しないゲームです。
しかし、ゲーム開始直後にスポーン位置を攻撃して、攻撃側を行動不能にする行為を「リスキル」と呼ぶことがあります。リスポーンしている訳ではないですが、スポーン地点ですぐに行動不能にされてしまうという状況が類似しているため、リスキルと呼ばれているようです。
同ゲームでリスキルをするには、高度なスキルが必要なため、頻繁に見られるものではありません。また、攻撃側が任意でスポーン地点を決定するため、リスキルされない位置を適切に選択できる知識を持っていれば回避も可能でしょう。
一方で、リスキルをするにも回避するにもスキルや知識が必要なため、リスキルが起こる状況の多くが上級者vs初心者となります。初心者のゲーム離れを引き起こすリスクが問題視されるため、マナー違反と指摘する声もあるようです。
リスキルされない・リスキルしなくても勝てるスキルを身に付ける
リスキルは、スキルの差が最も大きな発生要因と考えられます。リスキルをされる側も、リスキルされないようまずは同レベルの対戦相手を選び、自身のスキルを高めることが大切です。
戦略として必要なシーンなのか、初心者に配慮してリスキルを避けるべきなのか、上級者には慎重な判断が求められるでしょう。ゲームの根源は、楽しむものです。多くの人が楽しめるプレイスタイルを持ちたいものですね。
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