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コラム

エンドコンテンツとは?特徴や楽しむポイントを解説

eスポーツ全般

他のゲームジャンルと同様に、eスポーツにおいてもエンドコンテンツといった概念が重要性を増しています。エンドコンテンツとは、プレイヤーがゲームのメインスト-リーをクリアした後も、継続的にゲームを遊び続けられるように追加されたストーリーや要素などのことです。

特に、アクションアドベンチャーやRPGのように明確なゴールの存在するゲームでは、ユーザーが満足するようなエンドコンテンツは必要不可欠といえるでしょう。

この記事のコンテンツ

エンドコンテンツとは

eスポーツに限らずゲームにおいてのエンドコンテンツとは、メインストーリーが終わったり、クリアしたりしたあとも遊び続けられることです。ストーリーのあるアクションゲームやRPGなどでクリアした時点で新たな機能が登場することが多く、ユーザーにとって新たな楽しみがあります。

ストーリーがメイン

エンドコンテンツはRPGをはじめとしたストーリー性のあるゲームで使われています。つまり、クリアやメインストーリ―の終了などはっきりとした終わりがあるものが対象です。

したがって競技を主な目的としたゲームでは、エンドコンテンツといった考え方は基本的にありません。

eスポーツ業界でエンドコンテンツが注目される理由

ただ、競技性があるeスポーツ業界においてもゲームのメインとなる目的以外に、継続的なユーザーエンゲージメントにつながるエンドコンテンツが重要になってきています。その理由として、次の2点が挙げられるでしょう。

  • ユーザー満足度の向上
  • 長期的なユーザーエンゲージメント
  • コミュニティの活性化

eスポーツ全体的にいえることですが、一時的な大会やイベントだけ盛り上がるのではなくユーザーの満足度を高めるためにエンドコンテンツは必要です。また、エンドコンテンツが存在することでプレイヤーは長くゲームをプレイすることになります。

より強くしたい、楽しみたいといったニーズからアイテムを購入したりイベントに参加したりとさらなる意欲が高まることが期待されます。さらに、エンドコンテンツがあることで、プレイヤー同士が協力したり情報を交換し合ったりすることでコミュニティの結束強化につながる場合もあるでしょう。

これらのさまざまな理由から、eスポーツは従来の競技性だけでなくエンドコンテンツが存在することで、プレイヤーがより長くゲームを楽しめるようになります。

エンドコンテンツの特徴

ゲームによってさまざまなエンドコンテンツが用意されており、ユーザーは飽きることなく長い時間、遊べる仕組みとなっています。特徴としては主に次の3つが挙げられるでしょう。

  • メインストーリーとは違ったアイテムを入手できる
  • メインストーリーとは違ったストーリーがある
  • 過去のイベントや期間限定のコンテンツを楽しめる

メインストーリーとは違ったアイテムを入手できる

メインストーリーをプレイし終えた後に、これまで存在しなかった特別なアイテムが手に入る場合があります。新しいアイテムを使ってもう一度プレイしたり、コレクションとして集めたりするなどクリアした後も新しい楽しみ方を提供してくれます。

また、特別なアイテムを所有することでコミュニティ内での認知度が高まる場合もあるでしょう。

メインストーリーとは違ったストーリーがある

メインストーリーとは違ったストーリーを提供しているゲームも少なくありません。メインストーリーの続きであったり、まったく異なるサイドストーリーであったりとさまざまな種類が存在します。メインストーリーのエピソードを振り返ることができる機能のあるゲームも人気です。

過去のイベントや期間限定のコンテンツを楽しめる

また過去のイベントや期間限定のコンテンツを、エンドコンテンツとして再び楽しめる場合もあるでしょう。エンドコンテンツの実施によって、過去にプレイしていた人が復帰する可能性もあります。

代表的なゲームにおけるエンドコンテンツの事例集

エンドコンテンツはジャンルによって大きく異なる特徴を持ちます。ここではMMORPG、アクションゲーム、ソーシャルゲーム、そしてコンシューマRPGという4つのカテゴリに分け、それぞれの代表作におけるエンドコンテンツの実例を見ていきましょう。

MMORPG(例:FF14/ドラクエ10)

MMORPGでは、エンドコンテンツの多くが「高難度レイド」「最強装備の収集」「対人戦(PvP)」に分類されます。

たとえば「ファイナルファンタジーXIV」では、零式や絶シリーズといった超高難易度のボス戦が用意されており、プレイヤーは綿密なパーティ構成やスキル回しを求められます。

また「ドラゴンクエストX」では、常闇の聖戦や聖守護者など、特定のタイミングで解放されるボスバトルがあり、報酬としてレア装備や称号が手に入ります。これらは単に戦闘を楽しむだけでなく、チームワークや戦術の理解、そしてコミュニティ活動との深い結びつきが特徴です。

アクションゲーム(例:モンハン)

アクションゲームでは、テクニックを駆使してモンスターやボスに挑む要素がエンドコンテンツとして際立ちます。

「モンスターハンター」シリーズでは、ストーリーをクリアした後も「歴戦個体」や「強化個体」といった超難関モンスターが登場し、プレイヤーの装備・スキル・動作精度が問われます。

また、装備の厳選や装飾品集め、特定のビルド完成などのやり込み要素も含まれ、自己満足を追求するプレイヤーにとっては長く遊べる構造になっています。

特に最新作ではイベントクエストやアップデートによってエンドコンテンツが継続的に追加される仕組みが定着しています。

ソーシャルゲーム(例:ウマ娘・原神)

ソーシャルゲームにおけるエンドコンテンツは、限られたリソースや時間を活用し、育成やランキング上位を目指すスタイルが主流です。

「ウマ娘 プリティーダービー」では、育成周回による「理想ステータス」の厳選やチャンピオンズミーティングといった対戦イベントがエンドコンテンツに該当します。

一方、『原神』では「深境螺旋」の高層クリアやビルドの最適化がやり込み要素となり、装備や元素反応の理解が重要です。これらのゲームでは報酬の希少性だけでなく、効率よく育成するための知識や戦略が求められるため、単なる作業プレイでは到達できない奥深さがあります。

コンシューマRPG(例:ポケモン・ペルソナ)

コンシューマRPGにおいては、物語をクリアした後に開放される裏ボスや隠しダンジョン、図鑑コンプリートなどがエンドコンテンツとして用意されています。

「ポケモン」シリーズでは、全国図鑑の完成、対人対戦用の個体育成、色違いポケモンの厳選などが代表例です。また『ペルソナ』シリーズでは、高難度のボスやフュージョンによる最強ペルソナ作成、全コミュMAXなどが長期的なやり込み要素になります。

ストーリーを楽しんだあとでも、自らのプレイスタイルに合わせて「どこまで極めるか」を自由に設定できる点が、コンシューマRPGのエンドコンテンツの魅力です。

ゲームジャンル別のエンドコンテンツの違いとは?

エンドコンテンツはすべてのゲームに共通するものではなく、ジャンルごとに設計思想や遊び方が大きく異なります。

ここでは、MMOとシングルプレイの違い、PvEとPvPの方向性、そして運営型ゲームにおける「期間限定・常設」の違いなど、ジャンル別の特徴を整理して解説します。

MMOとシングルプレイで異なる設計思想

MMORPGでは、長期間にわたってプレイヤーを引きつけるために、高難度の協力バトルや装備収集、プレイヤー同士の交流を軸にしたエンドコンテンツが充実しています。

たとえば、定期的に追加されるレイドコンテンツや、ランキング形式のPvPイベントなどがその代表です。一方でシングルプレイRPGは、1人で完結する遊びが中心であり、裏ボスや隠しダンジョン、やり込み図鑑など、自己達成感を重視した設計が多く見られます。

マルチプレイ前提か、ソロで完結するかによって、エンドコンテンツの設計思想は大きく変わります。

PvE系/PvP系で異なるエンド要素

エンドコンテンツは、PvE(プレイヤー対環境)とPvP(プレイヤー対プレイヤー)のどちらを重視するかによって内容が分かれます。

PvE系では高難度ダンジョンや強敵との戦闘が中心で、プレイヤーは装備やスキルを駆使して攻略を目指します。FF14の「絶コンテンツ」や、モンハンの歴戦王などが好例です。

対してPvP系では、対人戦によるランキング競争や、バランス調整を巡る駆け引きが主なやり込み要素になります。LoLやウマ娘のチャンミなどは、他プレイヤーとの競争が常にエンドコンテンツ化している典型例です。

期間限定・常設など運営型ゲームの特徴

運営型ゲームでは、エンドコンテンツが「常設」と「期間限定」の2パターンに分類される傾向があります。

常設コンテンツはいつでも挑戦可能で、プレイヤーが自分のペースでやり込める設計です。これに対し期間限定コンテンツは、特定のイベント期間にのみ出現し、希少な報酬が得られる代わりにスケジュール管理やログイン頻度が重要になります。

原神やブルアカのようなライブサービス型ゲームでは、毎月のように限定イベントが開催される一方、恒常的な育成コンテンツも共存しており、継続的なモチベーション維持が求められます。

エンドコンテンツを楽しむポイント

プレイヤーがエンドコンテンツを楽しむためには次のポイントが挙げられます。

  • 楽しむための準備を整える
  • チームでプレイする
  • コミュニティに積極的に参加する

楽しむための準備を整える

エンドコンテンツは特別なストーリーやゲームの内容が提供されていることが一般的です。そのため、エンドコンテンツがどのような内容であるかを事前に把握しましょう。また、RPGやMMOでは通常のストーリーに登場する敵よりも強い場合が多いため、レベル上げや強い装備の準備などが必要になる場合もあります。

エンドコンテンツの内容を把握して最初からプレイしていくと、よりスムーズにエンドコンテンツを楽しめるようになります。エンドコンテンツに到達する前に、キャラクターを育成したり武器を収集したりすることで、エンドコンテンツをクリアしたときはまた違った達成感を得られます。

チームでプレイする

一人では勝てない敵やバトルであっても、チームでならクリア出来る場合もあります。仲間と共に敵と戦ったり、情報を交換して戦略を立てたりすることも可能です。また、チームプレイならではの楽しみ方もあるでしょう。

エンドコンテンツに登場するストーリーやステージは、それまでの内容と比べて難易度が高くなっていることが一般的です。そのため、一人ではクリアが困難な場合もあります。しかし、他のプレイヤーと連携して戦略を練り、それぞれの役割を活かすことで攻略できる場合があります。

仲間と一緒にプレイして強敵を倒した時の達成感は、一人では決して得られないものでしょう。難易度の高いエンドコンテンツだからこそ、仲間とプレイする喜びが増す場合があります。

コミュニティに積極的に参加する

エンドコンテンツで登場するストーリーや敵などは、通常と異なり高い難易度に設定されていることが一般的です。そのため、エンドコンテンツに挑む前にレベルアップをするほか、強い武器の収集が必要です。

しかし、一人では十分な対応ができない場合があるかと思います。そこで、ゲームコミュニティに参加して他のプレイヤーと情報交換をするという有効な手段があります。

エンドコンテンツの未来展望

eスポーツを含めてゲームは年々進化していますが、エンドコンテンツも多様なタイプが登場しています。最近では、UGCとよばれるユーザー生成コンテンツが人気を集めています。

ユーザー生成コンテンツは、SNSへの投稿、口コミ、レビューなどが主な対象でした。近年ではプレイヤーが生成したゲームを、他のプレイヤーと共有できることが特徴です。プレイヤーはゲームを作成することで、プレイヤーが「こんなストーリーも欲しい」「こんなアイテムも使いたい」といったエンドコンテンツを自ら作り出すことができるます。

ユーザーがエンドコンテンツをつくることで、プレイヤーの創造性が高まり、今後さまざまなエンドコンテンツが登場することが期待されています。

eスポーツにおけるエンドコンテンツとは

ここまで 一般的なゲームの エンドコンテンツについて解説をしてきました。 一般的なゲームであれば新しいアイテムを入手したり特別なストーリーをプレイできるなどの目的があります。 しかし、競技性の高いeスポーツではこれらの要素に加えて特別な工夫が必要です。

 eスポーツをより多くのプレイヤーや観客に喜んでもらうためには、次の点において工夫を凝らすことが重要です。

  • 大会の開催やランキングシステムなど
  • シーズン制の導入
  • 高額な賞金を得られるイベントの実施

大会やランキングなど

eスポーツにおいて大会やランキングシステムは、 主要なエンドコンテンツの一つです。 競技性が高いことから、大会はプレイヤー1人ひとりのスキルを試す場であり、ランキングは成果が可視化される特徴があります。そのため、プレイヤーにとっては継続していく上で重要なモチベーション向上の機会となるでしょう。

定期的に開催されるさまざまな大会はプレイヤーにとって明確な目標となり、日々の練習に励む理由となるのです。また、プロを目指すプレイヤーにとって、現在のスキルをアピールして キャリアを築くための重要な舞台ともなります。

観戦者にとってもハイレベルの戦いが続く大会は、大きな興奮と感動を呼び続けて応援したいという気持ちを高めます。このように、大会やランキングがあることでeスポーツ全体がより盛り上がっています。

また、年に1度日本国内eスポーツ界に貢献した選手を表彰する日本eスポーツアワードが開催されています。eスポーツ界だけでなく社会貢献や地方創生などさまざまな分野での功績を讃えています。

出典:2024年の年間最優秀eスポーツプレイヤー賞(MVP)は東大卒プロゲーマーときど!

「日本eスポーツアワード2024」公式レポート(JESU)

シーズン制の導入

多くのeスポーツではシーズン制が採用されています。一定期間ごとに区切りが設けられ、その期間内の成績に応じてランキングがリセットされることによって、プレイヤーは新たな目標 を設定しやすくなるでしょう。eスポーツでは基本のシーズンをレギュラーシーズンと呼び、リーグ戦形式の大会で開催されることが多く見られます。 

また レギュラーシーズンが終わったらプレーオフシーズンがあることが eスポーツの特徴です。プレーオフシーズンはレギュラーシーズンの上位に入ったプレイヤーで争われます。プレーオフの内容は大会によって異なりますが、次回大会の出場者や大会優勝者を決めることが一般的です。

高額な賞金を得られるイベント

eスポーツのプロプレイヤーにとって、高額な賞金が設定されたイベントはモチベーションの上がるエンドコンテンツといえるでしょう。例えば、Dota2での賞金総額は$346,429,431.04(約536億2,800万円)となっており、もっとも高額の賞金を得られるeスポーツの大会です。

日本で開催されたeスポーツの大会では、PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 2が最も高額で賞金総額は3億円です。優勝したチームは数千万円の賞金となっており、プロプレイヤーにとって夢のある話だといえるでしょう。

大会に関しては下記で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。

2025年注目のeスポーツ大会10選|ジャンル別に人気大会を一挙紹介!

eスポーツにおいてエンドコンテンツがもたらす効果

eスポーツにおいてエンドコンテンツは次の効果をもたらします。

  • コミュニティ活性化と継続的な話題作り
  • 新規ファンの獲得と長期的なファン育成

コミュニティ活性化と継続的な話題作り

ゲームにエンドコンテンツが存在することで、プレイヤー同士の交流を促進できるようになります。中でも、MMOとよばれる大規模な多人数が同時に参加するタイプのオンラインゲームであれば、エンドコンテンツの有無、また良し悪しがコミュニティ活性化に影響するでしょう。

エンドコンテンツによってプレイヤーのモチベーションを維持することで、継続的な話題作りも可能です。例えば、MMOであれば、プレイヤー同士で協力してレベルの高い相手を倒すエンドコンテンツがあります。さらに、プレイヤー同士が競うPvPでは他のプレイヤーと競い合うことでさまざまな戦略やスキルを試せるでしょう。

新規ファンの獲得と長期的なファン育成

eスポーツにおいて、新たなファンを獲得し長期的なファンに育成するためには、大会やランキング、シーズン制の設定などのエンドコンテンツが重要な要素となります。今後eスポーツが長期間にわたって盛り上がるためには、エンドコンテンツに対する工夫が大切です。

エンドコンテンツに関するよくある質問(FAQ)

「エンドコンテンツ」という言葉は耳にしたことがあっても、具体的に何を指すのか、誰にでも楽しめるのかなど、初めて触れる人には疑問がつきものです。ここでは、エンドコンテンツについて特によく聞かれる質問と、その答えを分かりやすくまとめました。

Q1:エンドコンテンツは初心者でも楽しめる?

A:基本的にエンドコンテンツは中〜上級者向けに設計されており、ある程度の知識や装備が必要になることが多いです。

ただし、最近のゲームでは段階的に挑戦できる難易度設計や、初心者向けのガイド機能が充実しているタイトルも増えています。

また、ギルドやフレンドと協力して挑むことで、初心者でも楽しみながらステップアップできる仕組みも整っています。

Q2:クリアしないとゲームを「やり切った」と言えない?

A:エンドコンテンツは「やり込み要素」であり、必ずしもクリアしなければならないものではありません。

多くのプレイヤーはメインストーリーを終えた段階で満足し、エンドコンテンツには手を出さないことも珍しくありません。

「やり切った」という感覚は人それぞれで、全アイテムを収集することを目標にする人もいれば、特定のボスを倒すことに満足する人もいます。自分なりの遊び方を見つけることが一番大切です。

Q3:アップデートでエンドコンテンツが変わることはある?

A:はい、特にオンラインゲームや運営型ゲームでは、アップデートによって新たなエンドコンテンツが追加されたり、既存の内容が調整されたりすることが頻繁にあります。

これにより、常に新しい目標が提供され、プレイヤーは長期的にゲームを楽しめるようになっています。一方で、既存のエンドコンテンツが相対的に価値を失う場合もあるため、タイミングを見て挑戦することも重要です。

まとめ

多くのプレイヤーや観客に長くeスポーツに興味を持ってもらうためには、エンドコンテンツの充実が重要です。ゲームにおいて特別なストーリーやアイテムを使える以外に、コミュニティ活性化や継続的な話題作りをすることで、新規ファンの獲得や長期的なファン育成につながります。

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