近年eスポーツといった言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか。世界大会が開始されている他、日本でも市場規模は拡大し続け、参加する人数も増えています。 しかし、具体的にどのようなものかわからない方も多いことでしょう。
本記事ではeスポーツとはどのようなものなのか、 また市場規模や特徴、種類についても詳しくご紹介していきます 。年々プレイヤー、観客ともに増加し続けているeスポーツについてもっと詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
この記事のコンテンツ
eスポーツとは

eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)を略した言葉でありビデオゲームを使った対戦のことを指します。競技や娯楽など幅広い分野でスポーツ競技として捉えています。
一般のスポーツと違って汗を流すわけではありません。しかし決められたルールの中、チームで切磋琢磨して勝利を目指す姿勢を見てeスポーツに感動を覚える観戦者やファンが増えています。
世界的な競技大会でも正式に認定されているほか、日本国内でもさまざまな大会が開催されています。プレイヤー、観客ともに年々増えており今後さらに需要が高まっていくでしょう。
文部科学省による概念とは
文部科学省ではeスポーツを次のように定義しています。
「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称
引用:文部科学省
日本政府は2018年の未来投資戦略 2018において、eスポーツが健全に発展を続けるよう適切な環境整備をすると明記しており、定義している内容からも力を入れていることが明確となっています。
観戦者も楽しめる
eスポーツは一般的なスポーツと同じで観戦者やファンも楽しめることが特徴です。そのため、エンターテイメントコンテンツの1つとして、大きな成長を続けています。 例えば2025年に開催された東京eスポーツフェスタ2025では、3日間で延べ約9,000人が来場しており、大変な賑わいを見せました。
正式種目に採用されている
eスポーツはさまざまな国際的なスポーツ競技大会で正式種目に採用されていることも特徴の1つです。「コンピューターやビデオを使ったゲームなのになぜ?」と疑問に感じる方がいるかもしれません。しかし、世界的にスポーツは娯楽や競技などを指すもので体育に限ったわけではありません。また、コンピューターを使ったもの以外に、チェスはマインドスポーツとして認識されています。
2018年に各国で開催されているアジア競技大会で導入されるなど、世界各国さまざまな大会でeスポーツは正式種目に採用されているのです。
eスポーツの誕生から現在まで

eスポーツは1980年代に誕生して以来、世界各国で普及を続けてきました。日本でも2007年に日本eスポーツ協会設立準備委員会の設立をきっかけに、2019年以降は急激に市場が拡大しています。世界的な大会が開催されたり、大きなスポンサーがついたりと成長を続け今後さらに需要が高まることでしょう。
eスポーツの歴史
eスポーツは1980年代に誕生し、世界各地で大会が開催されました。1990年代に入ると日本では格闘ゲームがブームになり、一方ヨーロッパではCPLやPGL等プレイヤーのプロ化が始まりました。ヨーロッパではインターネット環境が普及したことによって、ゲームのスポーツ化が進んだ時期でもあります。
eスポーツといった言葉が登場したのは、2000年10月にWCGC (World Cyber Games Challenge) が開催されたのがきっかけです。その後、ロシアやフランス、中国などでさまざまなeスポーツの大会が開催されたり、正式体育種目に指定されたりするなど世界中でeスポーツが浸透していきました。
日本では2007年6月に日本eスポーツ協会設立準備委員会が発足し、同年にアジア大会や日韓戦が開催されました。その後も2011年11月に第1回eスポーツJAPAN CUPが開催されたり、2015年に日本eスポーツ協会(JeSPA)が設立されたりなどeスポーツが徐々に普及しはじめたのです。
eスポーツが成長したきっかけ
eスポーツが急成長したきっかけとして挙げられるのは、ナイキがLeague of Legendsに所属していたJian Zihao選手と2018年にスポンサー契約をしたことです。契約内容はMLB選手やプロゴルファーなどと遜色ないものだったといわれています。
日本では2019年にプロチームの設立が相次ぎ、ソニー生命が行った日本の中学生のなりたい職業ランキングでプロのeスポーツプレイヤーが2位となりました。
参考:ソニー生命
コロナによるeスポーツに対する影響
2019年以降新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、実際にプレイをするスポーツの大会は次々と中止になりました。中でも2020年に世界最大級のeスポーツイベントである「EVO2020」が中止になったのは記憶に新しい出来事です。
他にも「ストリートファイターリーグ:ワールドチャンピオンシップ2020」が中止となるなど、コロナ以前と比較すると賑わいを失ってしまいました。
コロナ後のeスポーツ
コロナが落ち着いた2024年には、リアル公開された大会が復活し始め、観客数含め盛り上がりを見せています。2020年に中止となったEVO2020は2021年にはオンラインで、2022年にはリアルで開催されました。
eスポーツの市場規模

eスポーツといった言葉を多くの人が使うようになりはじめたのが2000年に入ってからです。2000年の10月に開催されたWCGC (World Cyber Games Challenge)がきっかけといえるでしょう。
その後、さまざまな国で大きな大会が開催されたり、正式体育種目に指定されたりしたことでeスポーツの市場規模は拡大していきました。
出典:Statista
日本のeスポーツの市場規模
日本のeスポーツは2019年頃には、市場規模が61億1,800万円だったのですが年々急激に広まっており、2022年には125億3,600万円と大きく成長しました。また、2023年の時点で、日本のeスポーツ市場規模は2022年と比較して前年比117%の146.85億円です。また、今後も市場規模は拡大していくと予想されています。
出典:JESU
日本のeスポーツファン数
eスポーツを実際に観戦している人、動画や地上波などで視聴している人を合計したスポーツファン数も市場規模と同様年々増加中です。2023年には2022年と比較して前年比110.3%の856万人と推定されており、2025年には1,000万人を超えると予想されています。
出典:JESU
eスポーツの種類

eスポーツには次のようにさまざまな種目、タイトルが挙げられます。
- スポーツ
- FPS/TPS
- RTS
- MOBA
- 音楽を使ったゲーム
- パズルゲーム
スポーツ
サッカーのウイニングイレブンやFIFA、野球の実況パワフルプロ野球などリアルスポーツをゲームにしたものです。ルールや登場人物も同じであることが多く、現実世界の知識を理解しているプレイヤーが戦略を立てて実践できる楽しさがあります。
また、車や飛行機などを使ってレースをするゲームも人気です。主なゲームとして例に挙げた2つ以外に、グランツーリスモ7やロケットリーグ(Rocket League)などが挙げられるでしょう。
FPS/TPS
いずれもシューティングゲームですが、FPS(First Person Shooter、ファーストパーソン・シューター)はプレイヤーが視点であるのに対して、TPS(Third Person Shooter、サードパーソン・シューター)は第三者視点となっています。
FPSは、プレイヤーの視点であることから、変化していく周りの環境に対して臨機応変な対応が求められます。また、突然敵が襲ってくる場合があるので反射神経や精密な操作が必要です。全身は見えませんが、没入感の高さは大きな特徴だといえるでしょう。主な例として、エーペックスレジェンズ(Apex Legends)やオーバーウォッチ(Overwatch)などが挙げられます。
TPSは、FPSと比べて広い範囲で見渡せるため戦略を立てるのが好きなプレイヤーに適しています。操縦しているキャラクターを後ろから見る形となるため没入感はFPSと比べて低くなりますが、周辺状況を把握しながらプレイしたい人向きです。スプラトゥーン3やフォートナイト(FORTNITE)が主な例です。
RTS
RTS(Real Time Strategy、リアルタイムストラテジー)とは、戦場において相手とバトルするシミュレーションゲームです。1対1で戦うことが多く、軍隊を率いて戦況に応じて戦略を立てる必要があります。
eスポーツでは、スタークラフト2(StarCraft II)やクラッシュ・ロワイヤル、ウォークラフト3(Warcraft III)などが大会でよく採用されています。
MOBA
MOBA(Multiplayer Online Battle Arena、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)とは、グループで敵の陣地を攻略するゲームです。戦場で戦うといった点では RTS と共通しています。しかし、RTSと比較してもより攻守のバランス 高い戦略性が求められる点が特徴です。
主なゲームとして、リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)が挙げられるでしょう。また、Honor of Kingsもeゲームの大会に採用される場合があります。
音楽を使ったゲーム
流れる音楽に合わせてボタンを押したり、体を動かしたりして得点を競うゲームです。eスポーツではあまりなじみはありませんが、近年大会が増えておりプロの音ゲーマーも存在しています。
BEMANIやビートマニア2DX(beatmania IIDX)などをはじめとして、さまざまな音楽ゲームがあります。
パズルゲーム
古くからさまざまな種類のパズルゲームはeスポーツでも採用されており、中でも落ちてくるブロックを消し続けて高得点を狙うテトリスが有名です。また、パズル&ドラゴンズやスイカゲーム、ぷよぷよなどがeスポーツで採用されています。
パズルゲームはルールがシンプルであり、多くのプレイヤーが参加しやすい点が特徴です。対戦相手の動向も確認する必要があるため、さまざまな能力が求められる点も特徴だといえるでしょう。
日本でのeスポーツの大会

eスポーツにはさまざまな大会があり、多くの観客が足を運んでいます。大きな規模の世界大会が開催されていますが、日本でもeスポーツの大会が年々増えています。
- 東京eスポーツフェスタ2025
- 全国都道府県対抗eスポーツ選手権
- その他の大会
東京eスポーツフェスタ2025
2025年1月10日から12日まで東京ビッグサイトにて京eスポーツフェスタ2025が開催されました。競技大会のほかに展示会をはじめとした企画があり、期間中の来場者数は約9,000人、また配信されたオンライン動画は約5万回視聴されています。
~eスポーツ競技大会6タイトルの優勝者が決定!~(JESU)
全国都道府県対抗eスポーツ選手権
2019年から毎年全国都道府県対抗eスポーツ選手権が開催されています。7回目を迎える 2025年の大会は滋賀県で開催されることが決定しています。2024年のSAGA2024国スポ・全障スポでは、4種目が文化プログラムとして選ばれ全国で約40万人が予選に参加しており、需要の高さがわかることでしょう。
参考:全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2025 SHIGA開催決定のお知らせ(JESU)
その他の大会
その他にも、グランツーリスモやプロ野球スピリッツ、荒野行動など人気ゲームに焦点をあてた大会や、日本代表とアジア選抜など国際的な大会も開催されています。
まとめ
eスポーツは日本でも大きな大会が開催されたり、多くのプロが活躍したりしています。eスポーツで活躍するためにはプロからノウハウを学ぶのが一番でしょう。
eスポーツスクールのAFRAS(アフラス)では、現役で活躍しているプロからノウハウやオンラインゲームに必要なコミュニケーション方法を学べます。将来的にeスポーツで活躍したい人のほかに、ゲームを通して楽しくさまざまなスキルを身につけたい方はぜひホームページをチェックしてください。