2024年9月25日~11月2日の日程で LOLの世界大会(League of Legends World Championship;WCS)が開催されます。本稿では、最近 LOLに興味を持ち始めた方に向けて、LOL世界大会の流れや大会形式、日本語実況解説のチャンネルなどを紹介します。
LOL世界大会とは
LOLの国際大会には MSIと WCSがあり、2024年からはサウジアラビアカップも始まりました。中でも WCS(League of Legends World Championship, WORLDSとも)は LOL界で最も注目度の高い大会です。日本で「LOLの世界大会」と言えば、基本的には MSIではなく、WCSを指します。
近年、競技シーンでのLOLはどの国もほぼ同じ時期に地域リーグが開催されるようになりました。国際大会も含めた年間の予定は凡そ以下のようになっています。
1~3月頃:地域リーグ、Spling Split
5月頃:MSI
6~8月頃:地域リーグ、Summer Split
10月頃:WCS
各地域リーグの上位数チームが MSIや WCSの出場権を獲得し、他地域を勝ち上がった代表チームと対戦します。
WCSは、文字通り世界最高峰のチームが集結する舞台です。自身が普段遊んでいる LOLとはあまりに次元が違うため、初めて観戦する方は何が起きているか全く分からないかもしれません。それでも LOLへの理解度は確実に高まりますし、友人と LOLについて語り合うことができます。
一般的なスポーツ観戦などとも通じるところがありますが、同じチームを応援することによる一体感、勝利や超絶プレーへの感動はこうした大きな舞台でしか感じられないものです。幸いなことに LOLの世界大会は無料で観戦できますし、実況解説付きで楽しむチャンネルも数多く存在します。
是非、この機会に LOL世界大会を一緒に楽しみましょう。
大会日程と出場チーム
WCSは、プレイインステージ、スイスステージ、ノックアウトステージという3つのステージを段階ごとに進行していきます(※)。以下では、各ステージの日程、ルール、参加チームや会場を紹介します。詳しい対戦日程についてはRiotの公式サイト(※)をご覧ください。
(※)https://lolesports.com/ja-JP/news/worlds-2024-primer
(※)https://lolesports.com/standings/worlds/worlds_2024/play_in_elim
プレイインステージ
日程:9月25~29日
開催地:Riot Games Arena(ドイツ、ベルリン)
試合時間:日本時間 21時~
プレイインステージでは韓国、中国などの強豪リーグのチームは登場しません。ヨーロッパ、北アメリカ(NA)のリーグ3位チームと、日本も含めたマイナー地域の6チーム、計8チームで4つの枠を争う、いわゆる「予選」です。ここを超えて本選出場を目指します。
ステージの形式はBO3のダブルエリミネーション(2敗で敗退決定)です。
プレイインステージには以下のチームが参加します。
ヨーロッパ第3シード – MAD Lions KOI(MAD)
北アメリカ第3シード – 100 Thieves(100)
アジア太平洋第1シード – PSG Talon(PSG)
アジア太平洋第2シード – Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)
ベトナム第1シード – GAM Esports(GAM)
ベトナム第2シード – Vikings Esports(VKE)
ブラジル – paiN Gaming(PNG)
ラテンアメリカ – Movistar R7(R7)
過去大会ではプレイインステージに中国、韓国チームが登場していましたが、本大会からは登場しなくなりました。また、プレイイン突破のチーム数も過去大会より増え、プレイイン突破が容易になっています。
日本が WCSのプレイインステージを突破したのは、2021年のDFMが最初で最後となっており、次のステージへ駒を進められるかどうかに注目が集まります。
スイスステージ
日程:10月3~7日、10月10~13日
開催地:Riot Games Arena(ドイツ、ベルリン)
試合時間:日本時間 21時~
スイスステージはいわゆる「本選」であり、中国、韓国を含めた全てのチームが出揃います。
スイスステージの初戦は「メジャー地域リーグの第1シード」vs「プレイインステージ突破チーム」、及び「メジャー地域リーグの第2シード」vs「メジャー地域リーグの第3シード」を行い、この際同一地域のチームとは対戦しません。
第2試合以降は同一成績のチームと対戦するようになり、地域の縛りはなくなります。これを繰り返し、3勝したチームは次のステージへ進出、3敗したチームはステージ敗退です。つまり、弱いチームとだけ戦ってステージ進出を決めることはできない仕組みになりました。
各試合はBO1で進みますが、次ステージへの進出、またはステージ敗退をかけた試合はBO3で行われます。
スイスステージに参加するのは以下のチームです。
中国第1シード – Bilibili Gaming DreamSmart(BLG)
中国第2シード – TOP Esports(TES)
中国第3シード – LNG Ninebot Esports(LNG)
中国第4シード – WeiboGaming TapTap(WBG)
韓国第1シード – Hanwha Life Esports(HLE)
韓国第2シード – Gen.G(GEN)
韓国第3シード – Dplus KIA (DK)
韓国第4シード – T1 (T1)
ヨーロッパ第1シード – G2 Esports(G2)
ヨーロッパ第2シード – Fnatic(FNC)
北アメリカ第1シード – FlyQuest(FLY)
北アメリカ第2シード – Team Liquid Honda(TL)
+プレイインステージ突破の4チーム
前回大会優勝の韓国T1は地域リーグでは不調で、韓国第4シードにギリギリで滑り込みました。ただし、メンバーは前回大会と変わっていません。メタも新たに変わるWCSに向けて調整を行ってくることでしょう。
ノックアウトステージ
日程:10月17~20日(準々決勝)、10月26~27日(準決勝)
開催地:Addidas Arena(フランス、パリ)
試合時間:日本時間 21時~
ノックアウトステージはスイスステージの順位によって組み合わせの決まるトーナメントです。シングルエリミネーション(1敗で敗退決定)のBO5を行います。
ここからは同じ相手と何度も連続で試合をすることになり、各選手の得意不得意や前試合を踏まえたバンピックがより重要になります。対戦カードによっては、ここで事実上の決勝戦が繰り広げられるかもしれません。
Final
日程:11月2日
開催地:O2 Arena(イギリス、ロンドン)
試合時間:日本時間 23時~
決勝もBO5です。勝ち上がるまでに幾度か対戦した組み合わせもあり得るため、お互いの手の内も、メタもある程度分かった状態で対戦します。
韓国T1の連覇や中国チームのリベンジ、2019年以来決勝に進めていないヨーロッパG2の復権に注目です。
大会パッチ
LOLでは頻繁にパッチ調整があり、その度にメタが変更しますが、WCSやMSIなどの大会は特定のパッチに準拠し、メタ変更の影響を受けません。WORLDSを戦う選手たちは外界のオンラインLOLとは異なるパッチで戦うことになります。
WCSのパッチは9月10日頃に発表されたパッチ14.18です(※)。
(※)https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-14-18-notes/
ADミッドレーナーが弱体化、APバーストアイテムが強化されたことで、アーリ、ルブラン、リサンドラなどのAPミッドレーナーが多く登場することが予想されます。
また、試合序盤のタワー耐久力が増し、近年プロシーンで頻繁に見られるレーンスワップのデメリットが大きくなる調整がなされました。ただし、この調整ではスワップのメリットを相殺できず、WCSでもスワップが主流になるのではないかと危惧されています。
配信
以下ではWCSの配信を行っているチャンネルを紹介します。
LoL Esports JP
WCSの詳細な日程はLoLEsports.com(※)で確認でき、こちらのサイトから現在進行中の試合実況に飛ぶことができます。また、日本語実況解説動画はYoutube上にアップされます(※)。
(※)https://lolesports.com/ja-JP
(※)https://www.youtube.com/c/lolesportsjp
RiotGamesJP
RiotGames日本公式のTwitchチャンネル(※)ではLJLのキャスター陣による日本語実況解説が放送されます。
(※)https://www.twitch.tv/riotgamesjp
日本語実況ウォッチパーティー
WCSでは公式ウォッチパーティーが行われています。現地とのタイムラグなしに、実況者の解説の下、試合を観戦することが可能です。
日本では、らいじん、しゃるる、たかやスペシャル、千燈ゆうひがウォッチパーティーを開催します(※)。
(※)https://lolesports.com/ja-JP/news/worlds-2024-virtual-co-streamers
Music Video
LOL WCSのもう1つの楽しみと言えば、開会に合わせて発表されるミュージックビデオです。今年は『LINKIN PARK』が楽曲を提供することが発表されました(※)。
(※)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000661.000024470.html
WCSのテーマ曲となる本楽曲のミュージックビデオは2024年9月25日(水)0時00分からYoutubeに公開されます。
LOLのworldsの歴代優勝チームは?
LOLの世界大会の歴代優勝チームは以下の通りです。
トーナメント | 優勝チーム | メンバー |
---|---|---|
2025 World Championship | – | – |
2024World Championship | T1 | Zeus Oner Faker Gumayusi Keria |
2023World Championship | T1 | Zeus Oner Faker Gumayusi Keria |
2022 World Championship | DRX | Kingen Pyosik Zeka BDeft BeryL |
2021 World Championship | EDward Gaming | Flandre JJiejie Scout Viper Meiko |
2020 World Championship | DAMWON Gaming | Nuguri Canyon ShowMaker Ghost BeryL |
2019World Championship | FunPlus Phoenix | GimGoon Tian doinb lwx Crisp |
2018 World Championship | Invictus Gaming | TheShy Ning Rookie JackeyLove Baolan |
2017World Championship | Samsung Galaxy | CuVee Ambition Haru Crown Ruler CoreJJ |
2016World Championship | SK Telecom T1 | Duke Bengi Faker Bang Wolf |
2015World Championship | SK Telecom T1 | MaRin Bengi Faker Bang Wolf |
2014World Championship | Samsung White | Acorn Spirit Dade Deft Heart |
Season 3 World Championship | SK Telecom T1 K | Impact bengi Faker Piglet PoohManDu |
Season 2 World Championship | Taipei Assassins | Stanley Lilballz Toyz BeBe MiSTakE |
Riot Season 1 World Championship | Fnatic | xPeke CyanideFI Shushei LaMiaZealot Mellisan |
LoLが1番盛んな地域である韓国のチームの優勝が非常に多くなっています。また、2013年開催のSeason 3 World Championship以降、優勝チームには必ず韓国のプロ選手が所属しています。
なんと、韓国のプロゲーミングチームであるT1は5回も優勝しているのです。LoLの伝説と言われてるFakerはT1で5回優勝を経験しています。5回ともT1でプレイをしていて、プロ選手の中ではめずらしい10年間移籍をせずに在籍しています。
LOLの世界大会の賞金は?
2019年からは445,000ドル
LOLの世界大会の賞金は年ごとに変わっていますが、2019年からは445,000ドルとなっています。日本円に換算(1ドル150円換算)すると、66,750,000円になります。他のeスポーツに比べると、そこまで高い金額ではありません。例えば、VALORANTの優勝賞金は1,000,000ドルであったり、APEXの世界大会は600,000ドルであったりと、LOLの世界大会よりも高額です。
最高額は2018年の世界大会
LOLの世界大会の優勝賞金の最高額は2018年の2,418,750ドルです。2018年の優勝賞金は他のeスポーツの優勝賞金よりも高めになっています。また、合計の賞金も6,450,000ドルとかなり高いものになっています。しかし、その翌年の2019年からは総額賞金は半額以下の2,225,000ドルです。