1991年に1作目が発表されて以降、人気の落ち物ゲームとして老若男女問わず愛されてきた「ぷよぷよ」をご存知でしょうか。ゲームをしたことが無くても、ぷよぷよのキャラクー「ぷよ」や「カーバンクル」などを知っているという人も少なくないでしょう。
世代を超えて愛されてきたぷよぷよが、eスポーツに特化した「ぷよぷよeスポーツ」として発表されました。落ち物パズルゲームとして競技性も高くeスポーツ競技に適していたぷよぷよが、eスポーツに特化した形で最新作を発表したことで、eスポーツにおけるぷよぷよ部門は大いに盛り上がりを見せています。
今回は、ぷよぷよeスポーツがどのようなゲームなのかを紹介します。最新作・ぷよぷよeスポーツで新たに追加されたルールや開発・販売元であるSEGA主催のぷよぷよ大会などを詳し紹介します。ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事のコンテンツ
ぷよぷよeスポーツってどんなゲーム?

ぷよぷよは、さまざまな色の「ぷよ」を4個以上繋げて消滅させる落ち物ゲームです。対戦モードでは、ぷよを消すことで相手フィールドに「おじゃまぷよ」を送り込む事ができ、自フィールドの「×」マスにぷよが到達してしまった方が負けとなります。
連鎖してぷよを消すことで相手に多くのおじゃまぷよを送り込むことができるため、先を予測しながら上手にぷよを詰んでいく計算力が求められるゲームです。連鎖を狙う競技性の高さから旧作を含めてeスポーツ向きのゲームタイトルでした。
最新作「ぷよぷよeスポーツ」はeスポーツ推進を目的に開発されたため、従来のぷよぷよシリーズよりも対戦モードに特化した内容になっています。より対戦が面白くなるルールが追加されており、発表されて以降、各地でeスポーツ大会の競技タイトルとして、用いられています。
合わせて、発売・販売元であるSEGAもぷよぷよの大会を多数開催しているなど、eスポーツ界隈でも注目のタイトルとして競技人口を増やしています。
ぷよぷよeスポーツのルール

続いては、ぷよぷよeスポーツのルールを紹介します。従来のルールに加え、eスポーツに特化した新ルールも採用されているので、旧作でプレイしたことのある人も充分にチェックしておきましょう。
基本ルール
ぷよぷよでは、「ぷよ」が4つ以上繋げると消えます。ぷよを連続して消すことを「連鎖」と呼び、連鎖してぷよを消すと相手陣地に「おじゃまぷよ」と呼ばれる無彩色のぷよが送られます。
おじゃまぷよは、おじゃまぷよ同士を繋げても消すことができず、隣接したぷよが消える際に一緒に消えます。つまり、おじゃまぷよを多く相手に送ることができれば、相手のプレイを邪魔することができるのです。
ぷよぷよは、自フィールドの「×」マスにぷよを積み上げてしまうと負けになります。なるべく、テンポよくぷよを消しつつ、相手の陣地におじゃまぷよを送りこんでぷよを消すのを邪魔しながら、長く生き残った方が勝ちというルールです。
ぷよぷよeスポーツでは、基本のルールに加え過去シリーズのなかからeスポーツ大会で採用されることの多い「ぷよぷよ通ルール」もしくは「ぷよぷよフィーバールール」のいずれかを選択してプレイできます。
ぷよぷよ通ルール
ぷよぷよ通ルールは、1994年に発売されたシリーズ作品「ぷよぷよ通」で採用されたルールです。
- 12段目の3列目が埋まると負け
- 得点が70点増えるごとに、相手フィールドにおじゃまぷよが送られる
- 4つ以上ぷよを繋げた場合、多く繋げるほど高い得点が得られる
- ぷよを繋げて消した際、得点としてカウントされる最大数は11個
- ぷよを消した際、以下の順番で多くの得点が得られる
- 4つ以上のぷよを消す<2色以上のぷよを同時に消す<連鎖してぷよを消す
- 全消しした場合、相手フィールドに5段のおじゃまぷよが送られる
- 相手から送られる予定のおじゃまぷよを、自分のフィールドで連鎖を起こすことで相殺することができる
- 2手先のぷよまで表示され、次やその次のターンで何色のぷよが落ちて来るのか分かる
ぷよぷよ通ルールは、連鎖を多く発生させることを重視しているルールです。公式大会やプロ大会などでは、「通ルール」とも呼ばれ、一般的なルールとして用いられています。
ぷよぷよフィーバールール
ぷよぷよフィーバールールは、1994年に発売されたシリーズ作品「ぷよぷよフィーバー」で採用されたルールです。ぷよぷよ通の基本ルールに加えて、以下ルールが追加されています。
- ぷよが4種類ある(2個ぷよ、3個ぷよ、22ぷよ、でかぷよ)
- 相殺するとフィーバーゲージが溜まり、7つ溜まるとフィーバーモードになる
- フィーバーモード中は、連鎖する度に次の連鎖に必要な色のぷよが落ちてくる
フィーバーモードが発動することで、連鎖が起こりやすくなるため、初心者でも楽しみやすいルールです。初心者大会や連鎖の練習に最適なモードと言えます。
ぷよぷよeスポーツでプレイできる2つのモード

ぷよぷよeスポーツでは、従来のぷよぷよに搭載されていたストーリーモードが削除されている一方で、eスポーツとしてより楽しむための機能が追加されています。
大会モード
大会モードでは、最大8人でトーナメント形式の対戦を手軽に行えます。オフラインで行う際に便利な機能です。
インターネットモード
インターネットモードでは、オンラインでさまざまなプレイヤーとぷよぷよ対戦が可能です。録画投稿機能やリプレイ機能なども搭載されているため、プレイ動画を配信したり自分のプレイを見返したりする際にも便利です。
ぷよぷよがeスポーツ競技として高く評価されている理由

ぷよぷよは、見た目はシンプルな落ち物パズルですが、実はeスポーツとしても非常に注目されています。その理由は大きく以下の3つに集約されます:
- 反射神経と戦略性が求められる
- 誰でも始めやすいルールと操作性
- 観戦も盛り上がるわかりやすさ
これらの特性が揃っているからこそ、ぷよぷよはプロシーンでも活躍し、eスポーツの競技タイトルとして定着しているのです。それぞれの魅力を詳しく見ていきましょう。
反射神経と戦略性が求められる
ぷよぷよの真髄は、瞬時の判断力と先を見越した戦略にあります。単純な連鎖を組むだけではなく、相手の動きを読みながら連鎖を崩すタイミングを見極める必要があり、アクションゲームのような反射神経と、チェスや将棋のような読み合いが融合した知的バトルが魅力です。
誰でも始めやすいルールと操作性
操作は左右移動・回転・落下の3つだけというシンプルなルールで、初心者でも数分でルールを理解し、すぐに遊べる間口の広さがあります。一方で、競技シーンでは数十手先まで読んだ高度な連鎖構築が求められるため、カジュアルとハードコアの両面を持つ奥深さも持ち合わせています。
観戦も盛り上がるわかりやすさ
ぷよぷよは、見ていて直感的に楽しめるのも大きな強みです。連鎖が決まったときの爽快感、相手へのおじゃまぷよの攻撃、連鎖を使ったカウンターなど、画面越しでも盛り上がる演出が多く、eスポーツ観戦初心者にも親しみやすいコンテンツとなっています。
ぷよぷよeスポーツのプロ選手制度について

ぷよぷよは他の格闘・FPS系のタイトルと同じように、日本eスポーツ連合(JeSU)が認定する「プロライセンス制度」を導入しています。これにより、単なるゲームから「職業的な競技」へとステージが広がりました。
このセクションでは、以下のような観点からぷよぷよのプロ制度について解説します:
- プロライセンス制度とは
- プロになるためのステップ
ぷよぷよでプロ選手を目指すうえで欠かせない制度や、目指し方の実例も含めて詳しく紹介していきます。
プロライセンス制度とは
ぷよぷよは、2018年にJeSU(日本eスポーツ連合)の認定タイトルとなり、以降「ぷよぷよeスポーツ」として公式大会が開催されるようになりました。このプロライセンス制度は、特定の大会で一定の成績を収めた選手に対して**「ぷよぷよプロプレイヤーライセンス」**を発行するものです。
このライセンスを持っていることで、賞金制限なしで高額賞金大会に出場できるようになり、実質的に「ぷよぷよを職業にできる」状態になります。現在では、ぷよぷよ公認プロとして活動する選手は十数名おり、企業スポンサーの支援を受けながら大会やイベント、メディア出演などで活躍しています。
プロになるためのステップ
プロになるためには、誰でも自由に申請できるわけではなく、認定された公式大会で上位入賞する必要があります。具体的には、以下のような流れが一般的です。
- 「ぷよぷよチャンピオンシップ」など公式大会に出場
参加資格が設けられている大会もあるため、日頃からオンライン予選や地域大会への参加で実力をアピールする必要があります。 - 大会で優秀な成績を収める(多くは上位入賞)
ライセンス発行の基準は大会によって異なりますが、一定の技術と安定した実績が求められます。 - JeSUからの認定・プロライセンスの取得
主催者を通じて推薦され、JeSUから正式に「ぷよぷよプロライセンス」が交付されます。
また、プロ選手になると、単に大会に出るだけではなく、SNSやYouTubeでの発信、eスポーツイベントでの解説や講演なども期待されるようになります。競技力と同時に「見せ方」や「発信力」も問われる時代と言えるでしょう。
参照サイト
- eスポーツジャーニー:eスポーツのライセンスをとる方法
- セガ公式発表:「ぷよぷよ」シリーズがJeSUプロライセンス認定タイトルに
- ぷよぷよキャンプ:全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA ぷよぷよ部門
- セガ公式サイト:全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA ぷよぷよ部門
SEGA主催のぷよぷよeスポーツ大会

ぷよぷよeスポーツを開発・販売しているSEGAではeスポーツ大会の運営も行っています。なかには、ぷよぷよeスポーツの単独大会などもあり、国内外から大きな注目を集めています。
今回はSEGAが主催している3つのぷよぷよeスポーツ大会を紹介します。
ぷよぷよグランプリ・グランプリファイナル
ぷよぷよグランプリは、ぷよぷよeスポーツの公式プロリーグです。
一般社団法人日本eスポーツ連盟(JeSU)の発行しているぷよぷよeスポーツのプロライセンス所持者のみ参加でき、予選リーグであるぷよぷよグランプリの優勝者が決勝トーナメント・ぷよぷよグランプリファイナルで頂点を競います。
ぷよよグランプチでは以下のルールが採用されています。
- 1試合10本先取制
- ぷよぷよ通ルール適用
コントローラーの持ち込みは不可能ですが、キー操作設定の変更は可能です。優勝賞金は100万円が用意さえており、ぷよぷよグランプリ2025ではプロプレイヤー「ともくん」が栄冠と賞金を手にしました。
ぷよぷよランキングプロ選抜大会
ぷよぷよランキングプロ選抜大会は、ぷよぷよランキングのポイント取得数によって競われる大会です。優勝選手、準優勝選手にはJeSUからぷよぷよeスポーツのプロライセンスが発行されることもあり、プロeスポーツプレイヤーの登竜門としても注目されています。
プロ、一般選手が混合で出場するぷよぷよカップを始めとしたSEGA公式大会で結果を残すことで得られるランキングポイントの上位16名のみがぷよぷよランキングプロ選抜大会の出場権を得ます。
プロライセンスを得ると、ぷよぷよチャンピオンシップなどの参加権を獲得できることから、プロ大会に出るためにライセンス取得を目的としてぷよぷよランキングプロ選抜大会に出場する選手も多くいます。
2024年大会では優勝が「ながれ」選手、準優勝が「とりぱん」選手となり、2名が新たにぷよぷよeスポーツのプロライセンスを獲得しました。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権
全国都道府県対抗eスポーツ選手権は、全国都道府県対抗eスポーツ選手権実行委員会が主催している大会ですが、SEGAがぷよぷよeスポーツの公式大会として認めています。
同大会ではぷよぷよeスポーツをはじめ、複数の競技を行う総合的なeスポーツ大会です。
第1回大会が茨城で開催されて以降、第2回の鹿児島大会、第3回の三重大会、第4回の栃木大会、第5回の鹿児島大会が行われており、2024年は第6回大会として佐賀で開催されます。
都道府県対抗ということだけあり、例年白熱した対戦がみられ、多くのeスポーツファンが注目する大会です。 ぷよぷよeスポーツ部門では小学生以下を対象とした「小学生の部」と12歳以上を対象とした一般の部で分けられており、どちらも見ごたえのあるプレイが期待されます。
賞金額が最も大きいぷよぷよeスポーツの国内大会は?

eスポーツと言えば、高額賞金が気になる人も多いのではないでしょうか。現在、国内で最も高額な賞金が設定さえているぷよぷよeスポーツの大会は、SEGAが主催している「ぷよぷよグランプリファイナル」です。
ぷよぷよグランプリ2025では優勝賞金として100万円が贈呈されています。その他、準優勝には30万円、ベスト4には10万円の賞金も用意されていました。
しかし、ぷよぷよグランプリ・グランプリファイナルは、プロライセンス所持者にのみ出場権が与えられるため、出場するにはJeSUの発行するプロライセンス取得が必要です。
ぷよぷよのeスポーツとしての将来性と課題

ぷよぷよは、eスポーツの中でも珍しい「落ち物パズルゲーム」として確固たる地位を築いてきました。
しかし、今後も競技タイトルとして広く親しまれ続けるためには、いくつかの課題にも向き合う必要があります。
このセクションでは、以下の2つの視点から「ぷよぷよeスポーツ」の未来を考察していきます:
- ぷよぷよ人気の持続性とプレイヤー層
- 他のeスポーツタイトルとの違い
それぞれ詳しく解説していきましょう。
ぷよぷよ人気の持続性とプレイヤー層
ぷよぷよは1991年に登場して以来、30年以上にわたって愛されている長寿タイトルです。そのため、長年のファン層が厚く、特に30代〜40代のプレイヤーを中心に安定した人気があります。一方で、eスポーツとして成長を続けるには、若年層の新規参入をいかに増やせるかがカギとなります。
近年では、学校教育や自治体主催の大会に「ぷよぷよeスポーツ」が採用されるなど、裾野を広げる動きも出てきています。ただし、「派手さ」や「SNS映え」の点でFPSや格闘系タイトルに比べて見劣りすると感じる若者も少なくなく、地道な普及活動と教育的価値の発信が今後の継続的な人気維持には不可欠です。
他のeスポーツタイトルとの違い
ぷよぷよのeスポーツとしての大きな特徴は、非暴力的・非攻撃的なゲーム性にあります。多くのeスポーツタイトルが銃撃戦や戦闘を主軸にしている中で、ぷよぷよは誰でも安心してプレイ・観戦できる平和的な競技ゲームとして際立っています。
また、必要スペックの低い機材でもプレイ可能であり、地方大会や教育機関でも導入しやすいという利点もあります。反面、爆発的なトレンド化や国際的注目度という点では他のビッグタイトルに遅れを取っているのも事実です。
こうした特徴をどう活かし、独自のポジションで存在感を発揮していくかが、ぷよぷよeスポーツの将来性を左右するでしょう。
ぷよぷよでeスポーツを楽しもう
老若男女問わず楽しめる落ち物ゲームぷよぷよ。最新作のぷよぷよeスポーツは、初心者からプロeスポーツプレイヤーまで楽しめる仕様になっています。
今回紹介したとおり、ぷよぷよeスポーツは誰にでも理解しやすく、やり込み要素も多いルールが適用されているため、初めてぷよぷよをプレイする人も過去作をプレイしたことがある人も楽しめるでしょう。
ぜひ、ぷよぷよeスポーツをプレイして、eスポーツの楽しさを体感してみてください。
AFRAS(アフラス)はeスポーツを学べるゲーミングスクールです。ぷよぷよeスポーツをプレイしてみてeスポーツに興味を持った人は、ぜひ他のジャンルでもeスポーツに挑戦してみてはいかがでしょうか。AFRASではFortniteやApexLegeds、League of Legends、VALORANTなどのゲームをプロゲーマからマンツーマンで学ぶことができます。
eスポーツをプロから学びたい方は、ぜひAFRASをご検討ください。