EVOは格闘ゲーム競技のなかでも世界最高峰と呼ばれる国際大会です。プロ・アマチュア問わず屈指の実力を持つプレイヤーが一同に集結するため、eスポーツ界およびゲームファンから注目を集めています。
この記事ではEVOについて、成り立ちや概要、最高峰の国際大会と言われる理由、EVO JAPANとの違いについて解説します。合わせて、EVO2025やEVO JAPAN2025の情報も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
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EVOとは?

EVOはEvolution Championship Seriesの略称で、競技タイトルを格闘ゲームに限定して行われる国際大会です。前進大会が初めて開催されたのは1995年で、2002年より「Evolution(エボリューション)」に改名しました。
2019年までは毎年夏と冬の2回開催されていましたが、世界的なコロナウイルス感染症の流行が原因で規模を縮小し、以降は2022年より毎年1度、夏にラスベガスで開催されています。
参加資格の条件がほぼ無いことから、多くのプレイヤーが例年参加を表明します。また、格闘ゲーム界隈から高く評価されていることもあり、優勝者には他の大規模大会のシード権が与えられるなど、数多の格闘ゲーム大会のなかでも特別な大会として注目されているのがEVOです。
EVOはどうして特別な大会なの?

EVOはeスポーツ界隈でも特に重要な大会に位置付けられており、各タイトルの公式世界大会にならぶ大会として扱われています。
その1番の理由は大会参加者の多さと言えるでしょう。プロ・アマチュア問わず希望者は誰でも参加できる形式で、尚且つダブルエリミネーションを採用しているため、運の要素を可能な限り取り除き、純粋に実力者だけが勝ち上がれるシステムが成立しています。
結局のところ決勝戦に進出するのはプロプレイヤーが多いですが、それすらも実力で勝ち上がってきたと認めざるを得ないでしょう。
このように、確固たる実力者が勝ち上がることから、優勝者には世界大会のシード権が与えられることもあり、EVO2025に関してはストリートファイター6部門の優勝者にCAPCOM CUP 12およびEsports World Cup 2025の出場権が与えられます。
また、日本在住者が入賞した場合、ストリートファイター6は入賞者、GUILTY GEAR -STRIVE-、グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング- 、UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celesは各優勝者がJeSU(日本eスポーツ協会)のプロライセンスを所持していない場合、プロライセンス推薦対象となります。
EVOの結果が他の大会にまで影響を及ぼすことから、格闘ゲーム界でも特に重要な大会として位置づけられているのです。
EVOの歴史と沿革

EVOは単なる格闘ゲーム大会ではなく、20年以上の歴史を積み重ねてきたイベントです。ここでは創設から現在に至るまでの流れを整理し、どのようにして世界最大規模の大会へ成長したのかを見ていきましょう。
EVOの起源と創設
EVOは1996年、アメリカ・カリフォルニアで小規模な「Battle by the Bay」という大会から始まりました。当初は数十人規模のコミュニティイベントでしたが、格闘ゲームの人気とともに参加者が急増し、世界中のプレイヤーが集まる大会へと発展していきました。
Evolution Championship Seriesへの発展
2002年に大会名を「Evolution Championship Series」に改称。これ以降「EVO」の名で広く知られるようになり、世界各国からトッププレイヤーが参戦する「格闘ゲームの祭典」として確立しました。
EVO JAPANの誕生
2018年には日本でも「EVO JAPAN」がスタート。国内外の有名選手が多数参加し、日本の格ゲー文化を世界に発信する場となっています。EVO本大会と同様のフォーマットで行われ、毎年大きな注目を集めています。
近年のEVOと今後の展望
近年はオンライン大会やハイブリッド形式を導入し、より多くのプレイヤーが参加できるように進化しています。
また採用タイトルも毎年変化し、「ストリートファイター」「鉄拳」「スマブラ」などの新作登場に合わせて大会の盛り上がりも高まっています。そして今後も世界規模で拡大が続くことが予想されます。
EVO2025が開催!

2025年も例年通りラスベガスでEVO2025が開催されます。続いては、EVO2025の大会情報を紹介してきましょう。
EVO2025の日程
EVO2025の日程は以下のとおりです。
| 2025年8月1日(金)~2025年8月3日(日) ※現地時間 |
3日間の日程で開催される予定です。
競技会以外にもゲーム会社の出店や未発売ゲームのデモなども行われるため、ゲームフェスのような感覚で多くの来場者が例年足を運びます。大会参加者だけでもおよそ15,000人の来場者が見込まれるとされており、この参加者の多さこそが世界最高峰の格闘ゲーム大会と言われる由縁です。
EVO2025の採用タイトル
EVOの採用タイトルは毎年変わります。2025年大会は以下のタイトルが競技タイトルとして採用されました。
- ストリートファイター6
- 鉄拳8
- GUILTY GEAR -STRIVE-
- グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-
- UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celes
- Mortal Kombat 1
- 餓狼伝説 City of the Wolves
- Marvel vs. Capcom 2
また、EVOではメイントーナメントの他に拡張ラインナップとしてサブトーナメントが行われます。メイントーナメントのような賞金などはありませんが、優勝者にはメダルが授与されます。
拡張ラインナップの競技タイトルには以下が選出されました。
- THE KING OF FIGHTERS XV
- Rivals of Aether II
- Virtua Fighter 5 R.E.V.O.
- BlazBlue Centralfiction
- Killer Instinct
- SAMURAI SPIRITS
- GUILTY GEAR Xrd REV 2
- Capcom vs. SNK 2
日本のゲーム制作会社が作る格闘ゲームは世界的にも高く評価されており、ストリートファイターや鉄拳など、さまざまな日本製タイトルがピックアップされている点にも注目です。
EVO2025の大会規定
EVO2025の基本的な大会規定は以下となっています。
- ダブルエリミネーション
- 1ゲームあたり2ラウンド先取
- 1セットあたり2ゲーム先取
- トップ8決勝:3ゲーム先取
ダブルエリミネーションとは、2回負けるまではトーナメントに残れるシステムを指します。1試合目を落としても逆転の可能性があることも、EVOが盛り上がる理由と言えるでしょう。
さまざまなタイトルが採用されるEVOですが、格闘ゲームであれば上記の規定に当てはめることができるため、タイトルを跨いで共通の規定として定めることができます。尚、ここで紹介している以外にも細かいルールがあるため、気になる方はEVO公式サイトをチェックしてみてください。
EVO2025の賞金
EVOでは、基本的に大会当日まで賞金が発表されません。ただし、全大会通してタイトルごとの賞金総額は3万ドル(約440万円)が設定されているようです。
EVO2024の各タイトルにおける賞金は以下のとおりでした。
- 1位12,000ドル(約180万円)
- 2位6,000ドル(約90万円)
- 3位4,500ドル(約70万円)
- 4位3,000ドル(約45万円)
- 5位タイ1,800ドル(約27万円)
- 7位タイ450ドル(約7万円)
初心者やアマチュア選手でも出場できる大会としては、異例の高額設定賞金と言えます。
EVO2025は観戦できる?配信はされる?
EVO2025は以下で配信される予定です。
ただし、本ページで紹介したEVO2025の日程は現地時間なので、日本時間では以下の日程で配信される点に注意してください。
| 1日目 | 8月2日 2:00~14:00 |
| 2日目 | 8月3日 2:00~14:00 |
| 3日目 | 8月4日 2:00~14:00 |
ラスベガスと日本は時差が約16時間のため、日本では深夜から翌昼にかけて配信されます。
2018年以降は日本でもEVO JAPANが開催

世界最高峰の格闘ゲーム大会として人気のEVOですが、2018年には派生大会としてEVO JAPANが開催されています。EVO JAPANは参加資格として満13歳以上(タイトルによっては満15才以上)と定められている以外は、EVOと同じくプロでもアマチュアでも参加できます。
また、2024年からは初の欧州EVOとしてEVO FRANCEの開催が発表され、初開催は2025年10月とされており、EVO FRNCE2025にも注目が集まっています。フランスのニースで開催され、ストリートファイター6や鉄拳8などのメジャータイトルの他、欧州で特に人気が高いドラゴンボールファイターズが競技タイトルにエントリーされている点にも注目が集まっている期待の大会です。
日程は未定なものの、2026年にはシンガポール大会も予定されており、世界中でEVO旋風が巻き起こっています。
EVO JAPAN2025の概要

2018年以降、毎年盛り上がりを見せるEVO JAPANですが、2025年に開催されたEVO JAPAN2025はこれまでにない熱狂を巻き起こしました。
続いては、EVO JAPAN 2025の概要を紹介します。
日程
EVO JAPAN 2025は、以下の日程で開催されました。
| 2025年5月9日~5月11日 |
場所は、東京ビッグサイトです。大会当日は多くのプレイヤーと観覧者がビッグサイトに集結しました。
採用タイトル
EVO JAPAN 2025の採用タイトルは以下のとおりです。
- GUILTY GEAR -STRIVE-
- Granblue Fantasy Versus: Rising
- THE KING OF FIGHTERS XV
- ストリートファイター 6
- ストリートファイター III 3rd STRIKE
- TEKKEN 8
- Virtua Fighter 5 R.E.V.O.
基本は1on1トーナメントですが、ストリートファイター III 3rd STRIKEおよびVirtua Fighter 5 R.E.V.O.のみ5on5トーナメントで行われました。
賞金
EVO JAPAN 2025では各タイトルのエントリー数に応じて賞金が変動し、以下のように設定されました。
| ストリートファイター6 | 1位 1,750,000円 |
| 鉄拳8 | 1位 1,375,000円 |
| GUILTY GEAR -STRIVE- | 1位 1,250,000円 |
| Granblue Fantasy Versus: Rising | 1位 1,125,000円 |
| THE KING OF FIGHTERS XV | 1位 1,000,000円 |
| Virtua Fighter 5 R.E.V.O. | 1位 500,000円 |
| ストリートファイター III 3rd STRIKE | 1位 5000,000円 |
賞金総額は過去最高の1,500万円。7位タイまで入賞に設定されています。
結果
EVO JAPAN2025の結果は以下のとおりです。
| タイトル | 優勝 | 準優勝 |
| ストリートファイター6 | MenaRD(フランス) | りゅうきち(日本) |
| 鉄拳8 | Knee(韓国) | Mulgold(韓国) |
| GUILTY GEAR -STRIVE- | Daru(韓国) | RedDitto(アメリカ) |
| Granblue Fantasy Versus: Rising | かさうさぎ(日本) | Zangief Dream(日本) |
| THE KING OF FIGHTERS XV | ET(台湾) | mok(日本) |
| Virtua Fighter 5 R.E.V.O. | 米国病院(日本) ・レオラオ ・エンたん ・マルコメX ・おさげ ・とんちゃん | 暴れ馬牧場 ・暴れ馬 ・とぅでい ・猪 ・SHENRON ・しろ |
| ストリートファイター III 3rd STRIKE | 3ed Monster(日本) ・SHO ・ボス ・ミモラ ・ヨモダ ・まいける | ヌキチルドレン(日本) ・くに ・元気 ・オオヌキ ・トクラ ・ピエロ |
EVOの出場方法、参加方法

EVOは「プロ限定の大会」ではなく、基本的に誰でも挑戦できるオープントーナメント形式です。ここでは実際に参加してみたい人のために、具体的な流れや注意点を解説します。
参加資格と条件
EVOは年齢や実力を問わず、エントリーすれば誰でも出場可能です。ただし、18歳未満の参加には保護者の同意が必要になる場合があり、また国際大会への渡航にはパスポートやビザなどの準備も求められます。
エントリー方法と手順
参加申し込みは公式サイトから行います。エントリーフィー(参加費)は種目ごとに設定されており、クレジットカードやオンライン決済で支払い可能です。
希望するゲームタイトルを選んで登録すればエントリー完了となります。大会直前は定員に達することもあるので、早めの申し込みがおすすめです。
大会当日の流れ
大会当日は、受付でプレイヤーIDを確認し、指定されたプール(予選ブロック)に参加します。
EVOは基本的にダブルエリミネーション方式(2回負けると敗退)なので、初心者でも複数試合を楽しめるのが特徴です。勝ち進めば世界のトッププレイヤーと同じ舞台で戦うことも夢ではありません。
参加に向けた準備のポイント
海外開催の場合は航空券・宿泊・保険などの手配が必須です。
また、使用するアケコンやパッドは現地でのルールに対応しているかを事前に確認しましょう。
英語が苦手でも最低限の会話ができれば問題なく参加できます。
今後のEVOの展望とeスポーツの広がり

EVOは格闘ゲームの祭典として長い歴史を持つ一方で、今後はさらに大きな進化が期待されています。
ここではeスポーツ全体の成長や経済的な広がりも踏まえて、EVOの未来像を見ていきましょう。
世界的なeスポーツ市場の拡大
世界のeスポーツ市場は年々拡大しており、賞金総額・観戦者数・スポンサー契約数はいずれも右肩上がりです。
格闘ゲームジャンルはMOBAやFPSと比べると規模が小さいとされますが、EVOはその代表格として世界中の注目を集め続けています。今後も市場の成長とともに、EVOの規模・影響力はさらに大きくなるでしょう。
下記ではeスポーツ市場の拡大についてを開設しています。こちらも併せてご覧ください。
eスポーツのeとは何のこと?歴史や市場規模について詳しく解説
地域大会・EVO JAPANの発展
EVO JAPANの成功により、日本やアジア地域での開催が定着しました。
今後は他地域でもスピンオフ大会が開催される可能性があり、EVOブランドはよりグローバルに広がっていくことが予想されます。
地域予選やオンライン大会を通じて、より多くのプレイヤーが挑戦できる環境が整っていくでしょう。
新規タイトル・次世代プレイヤーの台頭
「ストリートファイター6」「鉄拳8「など新作格闘ゲームの登場により、EVOの競技タイトルも常に刷新され続けています。
これに伴い新世代のプレイヤーが台頭し、ベテランとの世代交代やドラマが生まれることも大きな魅力です。今後はさらに多様なタイトルがEVOのステージを彩るでしょう。
eスポーツと経済・文化への影響
EVOは単なるゲーム大会ではなく、観光・経済・スポンサーシップの面でも大きな影響を持ちます。
開催地の都市経済を潤し、海外からの観光客や企業の参入を呼び込む存在となっています。将来的には、オリンピックや国際スポーツイベントと並んで語られるほどの文化的・経済的価値を持つ可能性もあります。
例えば下記ではeスポーツと地方創生のかかわりを紹介しています。
注目されるeスポーツと地方創生!その理由や効果について分かりやすく解説
また、社会人や企業単位でもeスポーツの人気が高まっています。
社会人・企業eスポーツが人気急上昇中!社会人eスポーツのメリットや始め方も紹介
このように、eスポーツそのものが大きな発展を見せていることから、その中でも大きな存在感を放っているEVOも、同様に大きな成長が見込まれています。
EVOに関するよくある質問(FAQ)

ここでは、EVOについて読者から寄せられることが多い疑問をまとめました。これをチェックすれば、EVOの全体像がさらにクリアになるはずです。
Q1:EVOには誰でも参加できますか?
A:はい。EVOはプロ限定ではなく、基本的に誰でも参加できるオープントーナメント形式です。エントリー費を支払い、規定に沿って登録すれば出場可能です。ただし18歳未満の場合は保護者の同意が必要になる場合があります。
Q2:EVOの観戦方法は?日本からでも見られる?
A:EVOはTwitchやYouTubeなどの公式配信チャンネルを通じて、世界中から観戦可能です。日本からでも無料で視聴でき、日本時間に合わせたスケジュールをチェックすればリアルタイムで楽しめます。
Q3:EVO JAPANと本大会の違いは何ですか?
A:本大会はアメリカ・ラスベガスなどで行われる国際大会で、世界中のプレイヤーが集まります。EVO JAPANは日本国内で開催される姉妹大会で、同様のルールとフォーマットで行われますが、参加者層や雰囲気に地域性が表れます。
Q4:賞金はどのくらいですか?
A:タイトルや年度によって異なりますが、近年は数万ドル規模の賞金が設定されており、スポンサーやゲームメーカーが追加で賞金を提供するケースもあります。プロゲーマーにとっては大きなモチベーションとなっています。
Q5:初心者でも勝てるチャンスはありますか?
A:トッププレイヤーの壁は厚いですが、EVOは誰でも挑戦できる大会なので、初心者でも運が良ければ有名選手と戦えるチャンスがあります。また、会場で得られる経験や交流そのものが大きな価値になります。
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今回は世界最高峰の格闘ゲーム大会EVOについて紹介しました。EVOは、世界中の強者が集う大会でありながら、初心者でも参加できる大会です。だからこそ、ある程度の実力を身に付けてEVO JAPANなど、国内大会から出場していくのがよいでしょう。
EVO JAPANで手応えがあれば、EVOラスベガスを目指すのもおすすめです。
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