今話題の「eスポーツ」。世界中で盛り上がりを見せる「eスポーツ」とは何なのでしょう?主な種目、大会規模・賞金などについて紹介していきます。
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eスポーツとは?
「eスポーツ」とは、「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲーム、スマホゲームを使ってプレイする、対戦競技のことです。
「ゲーム」を「スポーツ」ととらえることを「運動じゃないのに?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、「スポーツ」の語源はラテン語で「楽しむ」「遊ぶ」といったゆるい意味で使われる言葉なので、そのように広く考えると納得です。
「ルールに基づいて勝敗を競う」という点では、ゲームも野球やサッカーなどと共通していますね。
格闘ゲームやシューティングゲームなどでは、素早い反射神経や相手を出し抜くための戦略性なども必須で、頭と身体をフル回転させて行う点もスポーツ的な要素といえるでしょう。
eスポーツは様々な人が参加できますが、特にプロの大会のことを指すことが多いです。
プロゲーマーの集まる大会では、毎年何百万ドルという大金が賞金として用意されており、世界中のファンが配信を視聴して推しのプレイヤーやチームを応援しています。
日本でも2019年頃から注目され始め、コロナ禍でも自宅で楽しめるエンターテインメントとして広がりました。
eスポーツは、近年国内外で盛り上がりを見せており、日本でも大規模な大会やリーグ戦が開催されたり、政府主導で環境整備を進めていく方針が示されたりしているところです。
eスポーツの歴史
eスポーツの歴史を紐解くと、なんと50年以上前までさかのぼることができます。
1972年10月19日にスタンフォード大学で開催された「スペースウォー!」というゲームの大会が最初とされています。
その後から今日まで、発展してきた歴史を見てみましょう。
1980年代 | コンピューターゲームが誕生数多くの大会が開催される |
1990年代 | 日本で格闘ゲームがブームに欧米ではPGL、CPL等プレイヤーのプロ化が始まるインターネットの普及によってゲームのスポーツ化が加速 |
2000 | 「eスポーツ」という単語が使われ始める10月WCGC (World Cyber Games Challenge) 開催 |
2003 | 1月 ESWC(Electronic Sports World Cup)がフランスで開催11月 中国国家体育総局がeスポーツを99番目の正式体育種目に指定 |
2004 | ロシア政府が後援したRussian Cup開催 |
2006 | 10月 OCA主催第2回アジア室内競技大会で、eスポーツが正式種目として採用決定 |
2007 | 6月 日本eスポーツ協会設立準備委員会発足10月 第2回アジア室内競技大会がマカオにて開催12月 eスポーツ日韓戦開催 |
2011 | 11月 第1回eスポーツJAPAN CUP 開催 |
2013 | 4月 Japan Competitive Gaming(JCG) 設立 |
2014 | 1月 「e-sports SQUARE AKIHABARA」開店10月 「League of Legends World Championship」ソウルで開催 |
2015 | 4月 一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)設立10月 一般社団法人e-sports促進機構設立 |
2016 | 3月 一般社団法人日本プロeスポーツ連盟設立※2017年2月、一般社団法人日本eスポーツ連盟に名称変更 |
2018 | 1月 一般社団法人日本eスポーツ連合設立2月 一般社団法人日本eスポーツ連合設立記者会見 |
eスポーツは本当に「スポーツ」なのか?よくある議論と見解を深掘り

eスポーツが注目を集める一方で、しばしば議論されるのが「eスポーツはは本当にスポーツなのか?」という問いです。
確かにeスポーツはフィジカルな運動を伴わず、座ってプレイするスタイルが中心です。そのため、従来のスポーツと比較して「身体を動かさない=スポーツではない」とする声も根強くあります。
しかし、eスポーツには瞬時の判断力、戦略性、反射神経、チームワークといった要素が不可欠であり、多くの競技性を持っています。
eスポーツが「スポーツ」とされる理由とは?
eスポーツがスポーツとして認識される理由の一つは、その高度な競技性にあります。勝敗を分けるのは一瞬の判断力、操作精度、反応速度、そして戦略構築といったスキルです。これらは単なる遊びの域を超えており、チェスや射撃競技のような知的スポーツにも通じる要素を持ちます。
また、国際的な大会が整備され、賞金やスポンサー、プロチームも存在することから、産業としてのスポーツ性が高く評価されています。実際に、IOC(国際オリンピック委員会)もeスポーツを一定の条件下でスポーツとみなす動きを見せており、国際的な認知が進んでいます。
「スポーツではない」とする意見とその背景
一方で、「eスポーツはスポーツではない」という意見も根強く存在します。その理由として多いのが、「身体を動かさないから」「健康的ではないから」といったフィジカル面への懸念です。
また、長時間のゲームプレイによる依存症や視力低下などの健康リスクも指摘されており、教育現場や保護者世代からの抵抗感は根強いのが現実です。
さらに、「ゲーム=娯楽」という固定観念もあり、感覚的にスポーツと結びつきにくいという声もあります。このような意見は、eスポーツの持つ“競技性”をまだ正しく理解されていないことに起因している場合が多いのです。
国や団体による見解・定義の違い
国や団体によってもeスポーツに対する認識はさまざまです。たとえば日本では、文部科学省やスポーツ庁がeスポーツを新たなスポーツ文化として位置づけ始めており、高校・大学での部活動や授業導入も進行中です。
また、アジア競技大会では正式な種目として採用され、オリンピックでも将来的な採用を検討する動きが加速しています。一方で、国内ではプロライセンス制度や年齢制限など制度面の課題が残っており、「競技」としての整備はまだ発展途上です。
国際的には韓国や中国などが国家戦略レベルで支援しており、政策面での温度差もスポーツ認定の状況を左右しています。
本質は「肉体×知力の競技性」にある
「スポーツ=身体を動かすもの」という定義は、時代とともに変化してきました。
チェスや囲碁、F1のような肉体よりも判断力が勝敗を左右する競技も、れっきとしたスポーツとして認められています。eスポーツも同様に、身体操作と頭脳戦を融合した新しい競技形態と捉えるべきでしょう。
現代における「スポーツ」の定義は、単なる運動量ではなく、ルールに基づく対人競技であることや、精神的・技術的な訓練を要することに重きが置かれています。つまり、eスポーツは“新時代のスポーツ”として、既存の枠組みを再定義する存在なのです。
eスポーツはなぜ注目されているのか?

近年、eスポーツは単なるゲームの延長線ではなく、ビジネス・教育・地域振興など多方面で注目される社会的トピックへと成長しています。以下の3つの視点から、その注目理由を深掘りしてみましょう。
- 市場規模と成長率(グローバル・日本)
- プロゲーマーという新たな職業
- 教育・高齢者・地方創生などの活用分野
それぞれの観点から、eスポーツが現代社会に与えるインパクトを見ていきます。
市場規模と成長率(グローバル・日本)
eスポーツの市場は、世界全体で年々拡大を続けており、2024年には20億ドル(約3,000億円)規模に到達。視聴者数もグローバルで5億人以上に達しており、既存のプロスポーツに匹敵する注目度を持つコンテンツとなっています。
一方、日本国内でも、スポンサー収益・大会規模・メディア露出のいずれも右肩上がり。特に企業のマーケティング活用や、教育機関・自治体の導入が進んだことで「単なる娯楽」から「成長産業」へと位置づけが変わりつつあります。
以下記事ではeスポーツの成長について詳しく解説しています。そちらも併せてご覧ください。
国内eスポーツ市場の規模は125億円に!2030年まで年次20%以上の規模で成長するとの予想も?
プロゲーマーという新たな職業
eスポーツの発展に伴い、「プロゲーマー」という職業が若者を中心に憧れの存在に。国内外のトッププレイヤーは、スポンサー収入・配信・グッズ販売など多角的な収益モデルを確立しており、中には年収数千万円規模の選手も存在します。
また、選手としてだけでなく、コーチ、ストリーマー、イベントMC、アナリストなど職域も多様化。eスポーツは単なる競技ではなく、「デジタル時代のキャリア選択肢の1つ」として注目されています。
教育・高齢者・地方創生などの活用分野
eスポーツは若者だけのものではなく、教育や高齢者支援、地域活性化のツールとしても活用が進んでいます。高校・大学ではeスポーツ部が続々と設立され、チームワーク・集中力・ICTリテラシー向上といった効果が期待されています。
また、地方自治体では「eスポーツによる町おこし」や、高齢者施設での脳トレ的なゲーム活用も増加中。世代を超えて楽しめるコンテンツとして、今後も幅広い分野への展開が期待されています。
自治体での取り組みについては下記でも詳しく紹介しています。ご興味のある方は是非ご覧ください。
eスポーツの楽しみ方

eスポーツはインターネット環境さえあれば楽しむことができます。
「Twitch」「YouTube」などの動画配信サービスで配信される大会を観戦しても楽しめますし、大会に参加して腕を試してみるのもいいでしょう。
ここでは以下の内容について解説していきます。
- eスポーツの主な種目
- eスポーツの観戦方法
- eスポーツの参加方法
- eスポーツってどんな人がやっているの?
それでは詳しく見ていきましょう!
eスポーツの主な種目
eスポーツの種目として採用されているものは、主に以下のジャンルに分類されます。
FPS/TPS | シューティングゲームTPSは第三者視点のシューティングゲーム |
格闘対戦ゲーム | 1対1で戦う対戦ゲーム |
レース・スポーツゲーム | 車やバイクなどの乗り物、サッカーや野球といった一般的なスポーツを模したゲーム |
パズルゲーム | パズルを解いて相手より長く生き残ったり、早くクリアしたりすると勝利となるゲーム |
DCG | デジタルカードゲームで、一人でも気軽にプレイできる |
MOBA | 陣地の取り合いを目的としたゲーム |
RTS | 集団の指揮を執りながらリアルタイムで戦略を駆使し相手と戦うゲーム |
具体的なゲームのタイトルについても見ていきましょう。
日本の団体が主催したタイトルや派遣した国際大会などで扱われたタイトルの他、国内の大会で使用される主なタイトルは以下の通りです。
タイトル名 | 主な大会名、または導入施設名 |
「eBASEBALLパワフルプロ野球」シリーズ | 東京eスポーツフェスタ2021など |
「eBASEBALLプロ野球スピリッツ」シリーズ | 東京eスポーツフェスタ2022など |
エーペックスレジェンズ | After 6 League Season2など |
オーバーウォッチ | eSPORTS国際チャレンジカップ ~日本代表 vs アジア選抜~など |
Counter-Strike: Global Offensive (CS:GO) | IESF「第10回 eスポーツワールドチャンピオンシップ」日本代表派遣タイトル |
クラッシュ・ロワイヤル | STAGE:0 eSports High-School Championship 2022など |
グランツーリスモSPORT | 全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGIなど |
荒野行動 | KAGOSHIMA GAMES/FLAG 2021など |
THE KING OF FIGHTERS XIV | 日本・サウジアラビアeスポーツマッチ(JAPAN ROUND)など |
SAMURAI SPIRITS | SAMURAI SQUARE「SAMURAI SPIRITS」手合わせ会など |
シャドウバース | 全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGIなど |
Zwift | TOKYO100スポDAYなど |
StarCraft II: Legacy of the Void | 第18回アジア競技大会 ジャカルタ・パレンバン eスポーツ 日本代表選考会など |
ストリートファイターⅡ | 大丸有まちづくり30周年 e-Sports Festival ~俺より強いやつに大丸有で会いに行く。~など |
「スプラトゥーン」シリーズ | 闘会議2018など |
太鼓の達人Nintendo Switchば~じょん! | 東京eスポーツフェスタ2022など |
「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ | 闘会議2019など |
Dungeon & Fighter (アラド戦記) | 東アジアeスポーツチャンピオンシップ(Esports Championships East Asia) |
伝説対決 -Arena of Valor- | 「AESF e-Masters 深セン 2020」日本代表選考大会など |
DOTA2 | IESF「第11回 eスポーツワールドチャンピオンシップ」日本代表決定戦など |
ドラゴンボールファイターズ | マチアソビeスポーツステージなど |
ハースストーン | 第19回アジア競技大会 杭州 eスポーツ 日本代表派遣タイトル |
PUBG:BATTLEGROUNDS | 東アジアeスポーツチャンピオンシップ(Esports Championships East Asia)など |
PUBG Mobile | 第19回アジア競技大会 杭州 eスポーツ 日本代表派遣タイトル |
「FIFA」シリーズ | 東京ゲームショウ2018 e-Sports Xなど |
フォートナイト | STAGE:0 eSports High-School Championship 2022など |
フォールガイズ | STAGE:0 eSports High-School Championship 2021など |
ブロスタ | WSL2021 日本代表決定戦 / World eSports League 2021 Japan National Finalなど |
プロ野球スピリッツA | 全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGIなど |
Vainglory | World Electronic Sports Games(WESG) 2018-2019 Japan Divisionなど |
マインクラフト | eスポーツステージとくしまなど |
リーグ・オブ・レジェンド | 第19回アジア競技大会 杭州 eスポーツ 日本代表派遣タイトル |
eスポーツの観戦方法
eスポーツの観戦には、オフラインとオンラインの2つの方法があります。
オフライン大会では実際の会場に選手や関係者が集まるため、観客は選手の生のプレイを目の当たりにできるのが魅力です。
一方、オンライン大会は特定の会場を持たず、選手は自宅や、いくつかのeスポーツチームが持つゲーミングハウスから参戦します。
大会の様子は、YouTubeやTwitchなどでストリーム配信されます。
観戦したいeスポーツの大会を探すには「(ゲームタイトル) eスポーツ」と検索すると、該当する大会の公式サイトにアクセスできるでしょう。
こちらで大会の詳細、日程、出場チーム、そしてルールや見どころを確認することができます。
eスポーツの参加方法
eスポーツに参加するには、どうしたら良いのでしょうか?
まず、ジャンルによりますが、年1回開催の大規模なトーナメントまたはイベントは「招待制」であり、トッププレイヤーだけが参加できます。
その他プロが出る大会以外に、高校生向けの大会や社会人限定の大会、小規模なローカルイベントのゲーム大会など、誰でも参加できる大会が開催されています。
また、ほとんどのゲームには、自分のレベルに合わせて対戦できるオンラインランキングモードがあるので、そこから参加するのもおすすめです。
数年前までは、eスポーツといえば「ゲーミングPC」というゲームに特化したPCを用意しなければなりませんでした。
しかし、最近はスマホゲームの大会やVRの大会が増えてきています。
いきなりゲーミングPCを買うのに抵抗のある人は、スマホゲームから始めてみてはいかがでしょうか。
eスポーツってどんな人がやっているの?
eスポーツの競技人口は世界では約1億人以上、競技人口以外に観戦者は4億人以上もいるといわれています。
主に関心を持っている世代は10〜30代といわれていますが、実は幅広い年代の人が活躍しています。
海外には、10代で年間何億円も稼ぐプレイヤーもいれば、最高齢78歳のシニア層だけで構成されたプロゲーマーチームもあるのです。
eスポーツは若年層だけでなく、高齢者にもレクリエーションや趣味として受け入れられ始めています。
参照:文教大学・e-Sports(エレクトロニック・スポーツ)についての調査
運動になるタイプのeスポーツは「エクサゲーム」と呼ばれ、認知症予防や運動不足解消にも役立つことが分かってきました。
eスポーツは年齢や性別、住む場所を問わず、誰もが楽しめる新しい形の競技です。
今後の普及に注目です!
eスポーツがオリンピックに?!

eスポーツをオリンピックでも採り入れようする動きが世界的に進んでいます。
しかし、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「オリンピックでのeスポーツは規制が必要だ」と話しています。
バッハ会長が問題にしている、オリンピックでeスポーツを採用するための課題は、以下の2つです。
- 暴力的内容の制限
- eスポーツを管理する国際団体の不足
これを受けて、「NBA 2K」や「FIFA」など、実際のスポーツをバーチャルで行う形のゲームが、オリンピックでのeスポーツとしてはふさわしいと考えられています。
実際、2023年6月シンガポールにおいて、IOCが初開催した「オリンピック・eスポーツ・シリーズ」では、以下の10種目が行われました。
- アーチェリー(Tic Tac Bow)
- 野球(WBSC eBASEBALL™:パワプロ)
- チェス(Chess.com)
- 自転車(Zwift)
- ダンス (ジャストダンス)
- モータースポーツ (グランツーリスモ)
- セーリング (バーチャルレガッタ)
- 射撃 (ISSFチャレンジ・フィーチャリング・フォートナイト)
- テニス(テニスクラッシュ)
- テコンドー(バーチャルテコンドー)
さらにIOCのバッハ会長は同年10月、インドのムンバイで行われた総会の開会式で「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」と題した新設大会の構想を明らかにしました。
今後「eスポーツ委員会」によって詳細を検討していきます。
このeスポーツの新しい大会が実現すれば、画期的なものになるでしょう!
eスポーツの賞金ってどれくらい?
eスポーツは世界で非常に人気が高まっており、1回の大会で数億円が動くこともあります。
eスポーツのデータサイト『Esports Earnings』から、「高額賞金のゲームベスト5」について見ていきましょう。
なお、ゲームタイトル横の金額は、そのタイトルで開催された国際大会の賞金を合算したものです。
1位:Dota 2 | $314,455,846.42(約415億5,300万円) |
2位:Fortnite | $154,851,332.43(約204億6,300万円) |
3位:Counter-Strike: Global Offensive | $150,302,254.64(約198億6000万円) |
4位:League of Legends | $100,690,798.39(約133億円) |
5位:Arena of Valor | $70,371,367.25(約93億円) |
非常に大きな金額が動く大会なので、ビジネスとしてeスポーツに参入する企業も相次いでいます。
チームのスポンサーになる、大会を開催するなどすれば、広告収入や大会の放映による収入が見込めるでしょう。
eスポーツの市場規模はさらなる拡大が期待されており、高い経済効果が見込まれる注目の市場といえます。
eスポーツの日本での盛り上がりは?
eスポーツの日本での盛り上がりは、現在どうなっているのでしょうか?
残念ながら2018年の市場規模は、世界の1000億円に対して、日本国内ではわずか約5億円と遠く及ばない、というのが現状です。
かつてゲーム大国と言われ、ゲーム市場では世界の約10%を占めている日本。
いったいなぜeスポーツではこんなにも出遅れているのでしょうか。
主な要因は「法整備」と「認知」だといわれています。
日本は現在、「賭博規制」と「景品表示法」により、海外のように高額な賞金を出すのが難しい状況です。
賞金額が収入の大部分を占めるプロゲーマーにとって、これはかなり深刻な問題であり、選手の育成もままならない状態が続いています。
この現状を打破するためには法を整備していくことが不可欠です。
また、日本ではまだまだeスポーツの認知度が高いとは言えず、海外に比べて観客の数が少ないという現状があります。
したがって、eスポーツの認知度を上げるためにも積極的にPRして、少しでも多くの人にeスポーツの魅力を知ってもらう必要があります。
観客が増えればスポンサー企業も増えやすくなり、プロゲーマーが活躍しやすい環境となるはずです。
良いニュースとしては、東京タワーや大阪・吹田に日本最大級のeスポーツ施設がオープンしたり、ファッション雑誌にeスポーツのプロ選手の記事が掲載されたりしています。
今後のeスポーツの発展に期待です!
eスポーツの課題と未来

eスポーツが成長を続ける一方で、その健全な発展にはいくつかの課題が存在します。競技としての基盤づくりや、年齢層に応じた配慮、そして長期的に文化として根付かせるための視点が欠かせません。ここでは以下の3つのテーマから、eスポーツの未来を見据えた課題と展望を掘り下げます。
- 競技環境の整備と安全性
- 若年層への影響・依存症リスク
- 持続可能な競技文化の構築
いずれもeスポーツにとって大切な考え方です。
競技環境の整備と安全性
eスポーツは物理的な接触がない一方で、通信環境やハードウェアの公平性、長時間プレイによる健康リスクなど、独自の安全性が問われる競技です。
プロの大会では設備の統一や不正防止対策が進んでいますが、アマチュアレベルではまだ整備が不十分。運営体制の強化や、選手・観客を守るガイドラインの普及が今後の重要な課題となります。
若年層への影響・依存症リスク
eスポーツが若者に人気を集める一方で、過度なプレイによる学業や生活への影響、ゲーム依存への懸念も指摘されています。
親世代や教育機関の理解が追いつかない中で、無計画な時間管理がトラブルの原因に。大会参加やトレーニングの枠組みを「教育的視点」で捉え直し、健全な関わり方を育てる支援体制の構築が求められています。
持続可能な競技文化の構築
eスポーツを一時的なブームで終わらせず、持続可能な「競技文化」として社会に定着させるには多面的な取り組みが必要です。
選手の引退後のキャリア支援、地域コミュニティでの継続的な活動、スポンサー依存に偏らないビジネスモデルなど、産業全体での成熟がカギを握ります。また、多様な世代が関われる仕組みづくりもeスポーツの未来を切り開く重要な一歩です。
eスポーツに関するよくある質問(FAQ)

eスポーツに興味を持った方が最初に感じる疑問や不安をまとめました。以下でわかりやすく解説していきます。
Q1:eスポーツと普通のゲームの違いは何ですか?
A:eスポーツは「Electronic Sports(エレクトロニック・スポーツ)」の略で、競技性のあるゲームを使って勝敗を争うスポーツの一種です。遊び目的のゲームと違い、明確なルールと勝敗があり、大会やプロ制度が存在する点が特徴です。サッカーにおける草サッカーとプロリーグのような違いと考えるとわかりやすいでしょう。
Q2:誰でもプロゲーマーになれますか?
A:基本的に年齢や学歴、資格などの制限はありません。腕前や戦術、コミュニケーション能力などが評価されれば、誰でもプロゲーマーを目指せます。ただし、実力だけでなく継続力・人柄・配信活動など総合的な要素が求められるため、簡単な道ではありません。プロチームに所属するにはスカウトやトライアウトへの参加が主な方法です。
Q3:eスポーツは勉強や健康に悪影響を与えませんか?
A:適切に取り組めば、思考力・判断力・集中力の向上など、教育的な効果もあります。ただし、長時間のプレイや不規則な生活になると、視力低下・睡眠不足・依存症のリスクが高まるため、親子でのルールづくりや学校・クラブによる適切な指導が重要です。現在では教育機関や自治体も健康的なプレイ環境の整備を進めています。
Q4:日本の有名なeスポーツチームにはどんなものがありますか?
A:日本国内では以下のような有名プロチームが活動しています:
- ZETA DIVISION(ゼータディビジョン):VALORANTやストリートファイターなどで世界的にも活躍
- DetonatioN FocusMe(DFM):League of Legends部門が有名で、国際大会出場実績もあり
- SCARZ(スカーズ):Apex LegendsやCODで強豪として知られる
これらのチームはYouTubeやTwitchなどでも活動しており、プレイだけでなくエンタメ性でも人気を集めています。
Q5:子どもにeスポーツを習わせても将来性はありますか?
A:eスポーツは現在、世界で1,000億円を超える市場を持ち、将来的な成長も期待されています。プロゲーマーだけでなく、実況・運営・分析官・マーケターなどの関連職種も多様です。習い事としては、「楽しみながら論理的思考やチームワークを育てる場」として注目されています。ただし、職業に直結するには相当な努力と適性が求められる点も理解しておくべきです。
今後のeスポーツ市場に関しては下記で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
日本eスポーツの市場規模を解説!今後の動向や世界のeスポーツ市場についても紹介
eスポーツを楽しもう!
本記事ではeスポーツについてご紹介しました。ここで紹介した内容をまとめます。
- eスポーツとは?
- eスポーツは本当に「スポーツ」なのか?よくある議論と見解を深掘り
- eスポーツはなぜ注目されているのか?
- eスポーツの楽しみ方
- eスポーツがオリンピックに?!
- eスポーツの課題と未来
- eスポーツに関するよくある質問(FAQ)
eスポーツは老若男女、体格の違いや障害の有無を問わず、誰もが挑戦できる新しい形のゲームです。
楽しく遊んで競い合い、人種や国籍に関係なく楽しめるeスポーツの可能性は無限大です。
これを機会にeスポーツをもっと知り、大会を観戦したり参加したりして楽しんでみてください。
eスポーツスクール「AFRAS」ではeスポーツの知識を深めることができるだけではなく、eスポーツのスキルアップも実現します。日本国内だけではなく、世界市場で成長を遂げているeスポーツについて、もっと詳しく知りたい方やプロとなって活躍したいと考えている方は是非AFRASを頼って下さい!