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藤沢校のブログ

「ゲーム依存症かも」と感じたら。頭ごなしに禁止する前に知っておきたい“付き合い方”と治し方

「ゲーム依存症かも」と感じたら。頭ごなしに禁止する前に知っておきたい“付き合い方”と治し方

「最近、子どもがゲームをやめられなくて…」「注意すると激しく怒り出して、どう声をかければいいかわからない」——そんな悩みを抱えている保護者の方は、今とても多いんです。

ゲームやスマホが生活に深く溶け込んだ現代では、子どもだけでなく大人もついつい長時間使ってしまうことがありますよね。でも「うちの子、もしかしてゲーム依存症?」と心配になったとき、真っ先に「禁止!」と決断するのはちょっと待ってください。

この記事では、ゲーム依存症の正しい理解から、家庭でできる”付き合い方”、そして専門的なサポートまで、順を追ってわかりやすく解説していきます。

そもそも「ゲーム依存症」って何?ゲーム好きとの違い

まず大切なのは、「ゲームをたくさんする=ゲーム依存症」ではないということです。ゲームが好きで毎日楽しんでいる子と、依存症の状態にある子は、似ているようでまったく異なります。

世界保健機関(WHO)は2019年に「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を正式な疾患として認定しました。その定義によると、以下の3つの特徴が12ヶ月以上続いている場合に診断の対象となります。

  • ゲームをする時間・頻度・強度をコントロールできない
  • 日常生活(学業・仕事・睡眠・食事・人間関係)よりゲームを優先してしまう
  • 問題が起きていると自覚していても、ゲームを続けてしまう

ポイントは「自分でやめたいと思っても、やめられない状態」であること。楽しくてつい長時間やってしまう段階とは、脳の働き方がかなり異なってきます。

依存症と「ゲームが好き」の境界線

判断の目安として、次のチェックリストを参考にしてみてください。当てはまる項目が多いほど、専門家への相談を検討するサインです。

  • ゲームをやめるように言うと、激しく怒ったり暴言を吐いたりする
  • ゲームのことが頭から離れず、授業中や食事中も上の空
  • 睡眠時間が明らかに減り、昼夜逆転になってきた
  • 以前は楽しんでいた趣味や友人との関係に興味を示さなくなった
  • 「今日だけ」「あと少し」という約束を繰り返し守れない
  • 学校の成績が急激に落ちたり、不登校になりかけている
  • ゲームができない状況でイライラ・不安が強くなる(離脱症状)

3〜4項目以上当てはまるようであれば、「ゲームが好き」という段階を超えている可能性があります。ただし、これはあくまでも目安。確定診断は必ず専門医が行うものですので、この段階では「心配だな」と感じるための参考として使ってください。

なぜゲームはやめられないの?脳の仕組みから考える

「意志が弱いだけ」「スマホを取り上げれば治る」——そう思う方もいるかもしれません。でも、依存症になった脳の状態は、意志の問題だけでは説明できないんです。

ゲームをプレイするとき、脳の報酬系と呼ばれる部分が活性化し、ドーパミンという神経伝達物質が放出されます。これは「楽しい!」「もっとやりたい!」という感覚のもとになる物質で、アルコールや薬物の依存症と同じメカニズムが働いています。

特にオンラインゲームは、「達成感」「仲間との繋がり」「終わりのない刺激」を絶妙に組み合わせて設計されており、脳がやめにくい状態になるよう意図的に作られている側面もあります。子どもが「やめたくてもやめられない」のは、意志の弱さではなく、脳が文字通り乗っ取られている状態に近いのです。

だからこそ、頭ごなしに叱ったり強制的に取り上げたりするだけでは解決しないことが多く、むしろ関係を悪化させてしまうリスクがあります。

頭ごなしの禁止が逆効果になる理由

「とにかくゲームを取り上げてしまえばいい」という気持ち、よく分かります。でも、その方法がうまくいかないケースが非常に多いのには理由があります。

反発・反動が起きやすい

思春期の子どもにとって、ゲームは単なる娯楽ではなく、友人との繋がりや自己表現の場になっていることもあります。それを突然奪われると、激しい反発や家庭内トラブルに発展することも。「ゲームを取り上げたら不登校になってしまった」という相談は、決して珍しくありません。

問題の根っこが隠れていることがある

ゲームに没頭しすぎる背景に、学校でのいじめ・学習への挫折感・家庭環境のストレス・発達特性(ADHDや自閉スペクトラム症との関連も指摘されています)など、別の問題が潜んでいるケースがあります。ゲームを取り上げるだけでは、その根っこには触れられません。

「隠れてやる」習慣ができてしまう

禁止すると、こっそりスマホを使ったり、友人の家でゲームをしたりと、監視が届かない場所での使用につながりやすくなります。親子の信頼関係が壊れると、子どもが悩みを話してくれなくなる二次被害も生まれます。

家庭でできる「正しい付き合い方」7つのステップ

では、禁止する代わりに何をすればいいのか。研究や臨床の現場で有効性が認められているアプローチをご紹介します。

① まずは子どもの話を聞く

「なぜそのゲームが楽しいの?」「どんなキャラクターを使ってるの?」と、ゲームの世界に少し踏み込んでみましょう。親が興味を示してくれると、子どもは安心感を覚え、話し合いのテーブルにつきやすくなります。批判ゼロで話を聞くことが、最初の第一歩です。

② 一緒にルールを作る

親が一方的に決めたルールより、子ども自身が関わって決めたルールの方がずっと守られやすいです。「1日何時間まで?」「宿題が終わってから?」「夜何時以降はオフ?」といった内容を、対話しながら一緒に決めましょう。紙に書いて貼っておくのも効果的です。

③ ゲーム以外の「楽しい体験」を増やす

ゲームへの依存が深まる背景には、「ゲーム以外に楽しいことがない」という状況があることも。スポーツ、料理、音楽、読書、友人との外出など、リアルな体験の充実がゲームへの執着を自然と和らげることがあります。「やめさせる」より「別の楽しさを作る」という発想の転換が大切です。

④ スクリーンタイムの仕組みを活用する

iPhoneの「スクリーンタイム」やAndroidの「デジタルウェルビーイング」など、使用時間を管理できるツールがあります。これを子ども自身に見せながら「1日〇時間使っていたね」と客観的に振り返ると、自分ごととして考えやすくなります。

⑤ 睡眠環境を守る

就寝前のゲームやスマホは、ブルーライトの影響や興奮状態により睡眠の質を大きく下げます。寝室にデバイスを持ち込まないルール、夜10時以降はリビングで充電するなど、物理的な工夫が睡眠を守るうえで有効です。

⑥ 親自身のスマホ使用を見直す

子どもはよく親の行動を見ています。「ゲームはダメ」と言いながら親が食卓でスマホを見ていては、説得力がありません。家族みんなで「デジタルオフタイム」を作るなど、家庭全体で取り組むことが長続きのコツです。

⑦ 小さな変化を褒める

「昨日より10分早くやめられたね」「ルールを守れた日が3日続いたね」——小さな変化を見逃さず、具体的に褒めましょう。依存傾向がある子どもは自己肯定感が下がっていることも多く、成功体験の積み重ねが回復への大きな力になります。

それでも改善しないときは?専門的なサポートの選択肢

家庭での取り組みを続けても、状況が改善しない・むしろ悪化している・不登校や暴力などの二次問題が出ている場合は、専門家の力を借りることをためらわないでください。

受診できる医療機関

  • 児童精神科・思春期外来:子どものゲーム・スマホ依存に特化した診察が受けられます。まずかかりつけ医に相談し、紹介状をもらうのがスムーズです。
  • 依存症専門外来:ゲーム障害を専門に扱うクリニックが全国にあります。国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)はゲーム依存の研究・治療で国内トップクラスの施設です。

相談窓口・支援機関

  • 都道府県の精神保健福祉センター:無料で相談できる公的窓口。神奈川県では「よりそいホットライン」なども活用できます。
  • 子どもの人権110番(法務省):0120-007-110 / 無料・平日対応
  • 学校のスクールカウンセラー:学校生活への影響が出ている場合、まず担任やスクールカウンセラーへの相談が入口になります。

治療・支援の内容

ゲーム障害の治療では、認知行動療法(CBT)が中心的なアプローチとして用いられます。「ゲームに向かってしまうきっかけ(トリガー)を知り、行動パターンを変える」という方法で、薬に頼らずに改善できるケースも多くあります。また、家族全体を巻き込んだ「家族療法」も効果的とされており、親御さん自身が対話の仕方を学ぶ機会にもなります。

学習と生活リズムを取り戻すために——AFRASができること

AFRAS藤沢校では、勉強そのものを教えるだけでなく、「学校に行きたくない」「やる気が出ない」「ゲームばかりしてしまう」という状態から、少しずつ生活リズムと自信を取り戻したいお子さんのサポートにも向き合っています。

ゲーム依存の状態にある子どもの多くは、学習への自信も同時に失っていることが少なくありません。「どうせ自分はダメだ」という思い込みが、ゲームへの逃避をさらに加速させるという悪循環が生まれやすいのです。

そこで私たちが大切にしているのは、「できた!」という体験を積み重ねること。小さな成功体験が自己効力感を育て、生活全体へのポジティブな変化につながると考えています。勉強が楽しくなれば、自然とゲームとのバランスも変わってくるものです。

お子さんの状態や状況に合わせた柔軟な学習スタイルをご提案しています。「うちの子に合うかな?」と思ったら、まずは気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ゲーム依存症は何歳から起きやすいですか?

A. 特に10代前半〜後半(中学生・高校生)は脳の報酬系が発達途上であり、依存しやすい時期とされています。ただし、小学生高学年での相談も増えており、年齢を問わず注意が必要です。

Q2. スマホ依存とゲーム依存は別物ですか?

A. 重なる部分も多いですが、厳密には異なります。ゲーム障害はゲームプレイに特化した依存ですが、SNS・動画・ショート動画への過度な使用も「問題のあるインターネット使用」として同様に注意が必要です。症状の見え方は似ているため、対処法も共通点が多いです。

Q3. 子どもがゲームを取り上げられると暴れます。どうすれば?

A. 激しい感情的反応(いわゆる「離脱症状」に似た状態)が出ている場合、家庭内での対処が難しいレベルに達しているサインかもしれません。まずは学校のスクールカウンセラーや地域の精神保健福祉センターに相談することをおすすめします。一人で抱え込まないことが最も大切です。

Q4. ゲームを完全にやめさせないといけませんか?

A. 必ずしもそうではありません。専門家の多くは「完全禁止」より「適切なコントロール」を目標とすることを推奨しています。ゲームとの健全な関係を再構築することが、長期的な解決につながります。ただし、症状が重い場合は一時的な完全禁止が治療の一環として行われることもあります。

Q5. 親だけが心配していて、子ども本人は困っていません。どうすれば?

A. 依存状態では「自分は問題ない」と感じる「否認」が起きやすいのが特徴です。責めたり言い争ったりするよりも、日常の会話の中で「最近どう?」と関心を示し続けることが大切。専門家に相談するのは「子どもを連れていく」だけが選択肢ではなく、「親だけが相談しに行く」ことも十分な第一歩になります。

Q6. 藤沢・湘南エリアで相談できる場所はありますか?

A. 藤沢市内では、藤沢市子ども家庭相談課藤沢市教育相談センターへの相談が可能です。医療機関としては、横浜・川崎方面の児童精神科や、前述の久里浜医療センター(横須賀市)が県内で有名です。AFRAS藤沢校でも、学習面からのサポートについてご相談を受け付けています。


ゲーム依存は、子ども本人の「意志の弱さ」でも「育て方の失敗」でもありません。脳の仕組みと環境がからみ合った、れっきとした健康上の問題です。だからこそ、正しい理解と適切なサポートで、必ず変わることができます。

まず一歩、「話を聞いてみよう」から始めてみてください。その小さな一歩が、お子さんとの関係を変える大きなきっかけになるはずです。