MOBAに特有のシステムとしてミニオンウェーブがありますが、特にLOLではミニオンを相手陣地側に押し込んだり(プッシュ)、自陣側に引いたり(プル)する動きを状況によって使い分け、有利を生み出すことが重要です。
ある程度LOLに触ってチャンピオンの動かし方は分かってきたものの、なぜか勝てないという人はウェーブコントロールに問題があるかもしれません。ウェーブコントロールにはハンドスキル(ミクロ)が一切必要なく、知識だけで相手と差が付く部分なので、知らない内に相手と差を付けられてしまいます。
本稿では、ウェーブをプッシュするメリットやその方法について解説し、ウェーブコントロールの基礎を履修して頂きます。
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ウェーブコントロールとは
ウェーブコントロールとは、ミニオンウェーブ同士が衝突する位置やミニオンの数を調整する技術です。
LOLではゲーム開始から1分後にミニオンが出現し、1分30秒頃に各レーンの中央で敵ミニオンと衝突します。序盤のミニオンの攻撃はチャンピオンに致命的なダメージを与えますし、プレイヤーはCSを取りたいので、自動的にミニオンの衝突地点付近が主戦場となります。
何度かLOLをプレイしていればミニオンの衝突地点が常にレーンの中央でないことが分かるでしょう。敵と味方のミニオンHPの減り具合によって衝突ラインは変化します。逆に言えば、ミニオンのHPを調整することによってウェーブの衝突位置はある程度調整でき、敵と交戦する場所を選べるということです。
ウェーブを意図して相手陣地側に押し込むことを「プッシュ」、意図して自陣側に引き込むことを「プル」と言います。
ウェーブプッシュのメリット
上記説明のみですと、「プルした方が安全にレーン戦ができそうだし、メリットが大きそうだ」と感じる保守的な方もいるかもしれませんが、それは多くの場合に間違いです。LOLは基本的にウェーブをプッシュした方がメリットが大きく、勝利への貢献度が高くなるよう設計されています。
以下でウェーブをプッシュすることのメリットを見ていきましょう。
視界の確保
ウェーブをプッシュし、敵のタワー下までミニオンを押し付けることができれば、レーンで相対する敵チャンピオンはCSを取るためにタワー下に留まらなければなりません。この際、自チャンピオンはレーンですることがなく、視界確保のためにワードを置きに行く時間が生まれます。
敵レーナーはタワー下にいるため、ここでばったり敵JGと遭遇しても1vs1であり、致命傷を避けられます。ただし、敵レーナーがタワー下のミニオンを無視してこちらへ向かってくるならば、敵JGが近くにいるかもしれません。ワードを置くことは諦めて、ガンクを警戒しましょう。
ロームできる
自由時間が生まれるということは他レーンに介入(ローム)する時間が生まれるということです。もし、プッシュせずにロームすると、敵ミニオンがタワーで焼かれてしまい、相手と経験値差が生まれてしまいます。
アーリやフィズなど、ロームしてキルを稼ぐタイプのチャンピオン達はプッシュのスピードが特に重要です。味方JGが敵JGと交戦している場合にも、レーンをプッシュしていれば相手レーナーより先にJGへ寄ることができます。
ミニオンの数的有利
プッシュは周辺への影響力を増すだけでなく、レーンでの1vs1も有利にします。プッシュをしている、つまり相手のミニオンが味方ミニオンより少ないということは単純に数的有利があるということです。
特に序盤のミニオンの攻撃は馬鹿にならないので、自分のミニオンが相手より多いときは仕掛け時と言えるでしょう。逆に、序盤強いチャンピオンであっても多数の敵ミニオンに囲まれればあっさり負けることもあります。
スキルショットを当てやすくなる
ミニオンは敵の攻撃を防ぐ盾でもあります。ミニオンが居ないということは敵のスキルショットを防ぐ手段を失っているということです。
特にヴェル=コズやイラオイなど、ミニオンを貫通しない強力なスキルショットを持つチャンピオン達は敵ミニオンがいないタイミングがチャンスになります。
相手がCSを取りにくくなる
ミニオン同士の小突き合いでじわじわHPが削れていく状態より、タワーショットで大きく削れていくときの方がCSは難しくなります。特にAAが貧弱なメイジはタワー下のCSを取るためにスキルを使わざるを得ず、これによってマナも減っていきます。
総じて、プッシュをしているだけで自然とCS差が広がり、敵のマナは枯渇していく、という状況を生み出すことが可能です。
ウェーブプッシュのデメリット
以上のようにウェーブをプッシュすると多くのメリットがありますが、唯一の懸念点は敵のガンクが刺さりやすくなり、自チームのガンクは刺さりにくくなるということです。
JGがガンクしそうなタイミングには敢えてレーンをプルすることで敵のガンクを回避したり、味方のガンクに合わせることができます。よって、単にプッシュし続けるだけでなく、押し引きをコントロールしなければなりません。
プッシュ・プルする方法
ここまで、レーンをプッシュするメリットとデメリットを書いてきました。では、一体どうすればレーンをプッシュ、またはプルできるのでしょうか。
ミニオンやチャンピオンへの攻撃
レーンをプッシュする方法については想像に難くないでしょう。敵のミニオンを攻撃し、そのHPを減らすことでウェーブをプッシュできます。
また、ミニオンだけでなく、敵チャンピオンを攻撃することでもプッシュできます。なぜなら、敵チャンピオンを攻撃すると敵ミニオンが反応し、敵ミニオンの攻撃対象がチャンピオンへ移るためです。この際、味方ミニオンは敵ミニオンを攻撃し続けるので、敵ミニオンのHPのみが一方的に削れていき、結果としてプッシュします。
逆に、以上のことを敵にされるとウェーブをプルできます。つまり、敵チャンピオンがミニオンを攻撃したり、自チャンピオンに攻撃した場合です。自身はCSのためにラストヒットだけを取るようにしましょう。
敵にウェーブをプッシュさせたい場合、敢えて味方ミニオン群の中に立ち、敵の範囲攻撃を誘ってミニオンを巻き込ませることが有効です。ケイルやライズなどのレイトキャリーがTOPレーンで安全にファームしたい場合などはこうした戦略が採られます。
また、シンジドやイラオイなど、広範囲攻撃を主体とするチャンピオンは意図せずミニオンを攻撃してしまうため、プルすることが他のチャンピオンより困難です。
ミニオンが衝突する位置の調整
プッシュ・プルはミニオン同士が衝突する位置によっても変わります。
例えば、同数のミニオンが敵陣側で衝突した場合、両チャンピオンがこれらミニオンに触らなければ、次のウェーブは敵ミニオンの方が早く到着し、敵ミニオンの方が早く攻撃を始めます。すると、味方ミニオンの方が早くやられてしまうため、プルウェーブになります。
このように、ウェーブをプッシュした後、次のウェーブが自陣側へ帰ってくることを「バウンス」と言います。
敵陣側でほぼ同数のミニオンが衝突している状態はガンクを受けやすく、レーン戦で最も危険なシーンの1つですが、ミニオンウェーブがバウンスすることを知っていれば危険なCSをわざわざ取りに行く必要はありません。ウェーブがバウンスして戻ってくるのをゆっくり待ちましょう。
レーンでミニオンウェーブが衝突する位置はその前のウェーブのミニオンを倒す早さで決まります。ミニオンを素早く処理すればレーンの深い位置で次のウェーブのミニオンと衝突し、ゆっくり処理すれば戦線の位置は動きません。
ウェーブコントロール補足編
知っておくと更に相手と差を付けられるウェーブコントロールのテクニックを紹介します。
大きなウェーブを作ろう
相手とのミニオンに対して味方のミニオンの数が多いほど、プッシュした際のメリットも大きくなります。ミニオンの攻撃が痛いので敵は反撃できず、タワー下に長時間拘束することができるため、ロームに多くの時間を割くことが可能です。
現在プルウェーブならば、敵が味方ミニオンに攻撃できないようにし、ラストヒットだけを取ってゆっくりプッシュすると、自然と大きなウェーブが出来上がります。大きなウェーブが出来たタイミングは敵と長時間交戦する、またはロームするチャンスです。
レーンの中央でミニオンが衝突している場合、敵の後衛ミニオンのみを攻撃し、前衛ミニオンに対してはラストヒットだけを取るようにすると大きなウェーブを作りやすくなります。
次にどのような状況を作りたいかを考えながらミニオンに攻撃することが求められます。
フリーズ
ダリウスやガレンなど、オールインが得意なべた足チャンピオンは自身の間合いで戦えれば強いのですが、相手が中々近づいてきてくれず、交戦できないまま、なあなあでレーン戦を終わらせられてしまいます。これらチャンピオンを使う場合、特に「フリーズ」という戦術が有効です。
通常、プルしたウェーブは次のウェーブで味方ミニオンの方が早く到着し、バウンスして敵側へプッシュしてしまうのですが、敵のミニオンが一定数多い状態を維持することで、プルした状態を維持することができます。これがフリーズです。
フリーズすれば、敵はCSを取るためにダリウスやガレンの間合いへ自ら近づいてきてくれます。キルを恐れて近づいて来なければ、相手と一方的にCS差や経験差を作り出すことが可能です。
逆にフリーズをされてしまった場合、味方JGを呼んで一緒にウェーブをプッシュし、フリーズを解除するか、他レーンへガンクすることで不利を埋め合わせることが対策になります。
フリーズの条件は「敵ミニオンが3体以上多いこと」です。ただし、敵ミニオンが多すぎると味方ミニオンがすぐにやられてしまい、敵ウェーブがタワー下まで来てしまうので、敵ミニオンが多くなりすぎないように調整が必要です。敵とある程度戦力差をつけて、もっとスノーボールしたい、という場合にはフリーズを試してみてください。
AFRASについて
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