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コラム

ディレイとは?FPS・格ゲーで発生する遅延の意味・原因・対策を徹底解説!

eスポーツ全般

ゲーム中に自分の操作がワンテンポ遅れて反映されたり、コンボがうまくつながらなかった経験はありませんか?このような“操作と反応のズレ”の正体が、まさに「ディレイ(遅延)」です。

特にFPSや格闘ゲーム(格ゲー)などの対戦型ゲームでは、このディレイが勝敗を分ける重要な要素になります。

しかし、多くの初心者プレイヤーは「ラグ」との違いや、「なぜ遅れるのか」という原因を正しく理解していないまま、ストレスを感じてしまいがちです。

この記事では、ゲームで発生する「ディレイ」について、

  • 意味や仕組み
  • FPS・格ゲーでの具体的な影響
  • 原因と対策方法

そしてeスポーツ大会でも導入される「ディレイ配信」の役割についてもわかりやすく解説します。

ゲームをもっと楽しみたい方、eスポーツに本気で取り組みたい方にとって、「ディレイの理解=スキル向上への第一歩」です。ディレイを知りたい方はもちろん、eスポーツのスキルアップを考えている方も是非ご覧ください。

そもそも「ディレイ」とは?

「ディレイ」とは、ゲームにおいてプレイヤーの入力操作が画面上に反映されるまでに発生する時間差のことを指します。日本語では「遅延」と訳されることが多く、オンラインゲームやeスポーツにおいては非常に重要な要素です。

この遅延が大きいと、例えば攻撃ボタンを押してもキャラクターの動きが遅れて表示されるなど、プレイ体験に支障をきたすことになります。特にFPS(ファーストパーソン・シューティング)や格闘ゲームのような一瞬の判断と操作が勝敗に直結するジャンルでは、ディレイが極めて深刻な影響を及ぼします。

ディレイの原因には、通信環境や使用しているデバイス、さらにはゲームソフト自体の設計など、さまざまな要因が関係しています。そのため、単に「ネットの問題」とだけ片付けられるものではありません。まずは、混同されがちな「ラグ」との違いから整理しておきましょう。

「ラグ」との違いを理解しよう

ディレイとよく混同される用語に「ラグ」があります。どちらもゲームの遅延を指す言葉ですが、厳密には意味が異なります。

ディレイは、プレイヤーの入力操作が反応として返ってくるまでの時間差、つまり「入力遅延」を指します。一方でラグは、主にネットワーク環境が原因となって起こる通信遅延やフリーズ現象のことです。

たとえば、ボタンを押してキャラクターが0.5秒後に動いた場合、それはディレイによるものです。一方で、敵の位置が突然ワープしたり、画面がカクつくような現象はラグが原因となります。

このように、両者は「遅延」という点では共通していますが、発生の仕組みや影響の出方が異なるため、それぞれ適切な対策が求められます。

ディレイが起きる主な場面とは?

ディレイは、ゲームのプレイ中にさまざまなシーンで発生します。以下は代表的な例です。

  • FPSの場合:照準を合わせて撃ったはずなのに、弾が遅れて発射されてしまう。結果として敵に先制されることが多くなります。
  • 格闘ゲームの場合:タイミングを計ったコンボ入力がずれ、攻撃がヒットしない。ガードの操作が間に合わずダメージを受けるといった現象もディレイによるものです。
  • MOBAやRTS系のゲーム:スキルの発動やユニットの移動が意図通りに反映されないことで、戦術的なミスに繋がるケースが多く見られます。

特にeスポーツシーンにおいては、わずかなディレイが試合の勝敗を左右するため、どのような状況で発生するかを理解しておくことが極めて重要です。

FPSや格ゲーでの「ディレイ」の影響とは

ディレイはゲーム全般に影響を及ぼしますが、特に瞬間的な判断や操作が求められるジャンルにおいては、その影響がより顕著に現れます。中でもFPS(ファーストパーソン・シューティング)や格闘ゲーム(格ゲー)は、わずかな遅れが勝敗に直結することも少なくありません。

ここでは、以下の3つの観点からディレイの具体的な影響を解説します。

  • FPS|撃ち負ける原因になるエイムずれ
  • 格ゲー|コンボがつながらない、ガードが間に合わない
  • 対戦ゲームでは命取りになるケースも

各項目を通じて、ディレイがプレイにどのような支障を与えるのかを把握しましょう。

FPS|撃ち負ける原因になるエイムずれ

FPSでは、マウスやコントローラーの操作によって照準(エイム)を合わせ、瞬時に発砲する正確さが求められます。しかし、ディレイが発生している場合、照準を合わせて撃ったつもりでも、敵の位置に弾が届かないといった現象が起こります。

これは、自分が見ている画面と、実際のゲームサーバー上での状況にズレが生じることによって起きるもので、反応が一瞬遅れるだけで撃ち負ける原因になります。特に競技性の高いFPSタイトルにおいては、数フレームのズレが勝敗を分ける場面も珍しくありません。

格ゲー|コンボがつながらない、ガードが間に合わない

格闘ゲームでは、フレーム単位での正確な入力が求められます。コンボを成立させるためには、特定の技を特定のタイミングで繋ぐ必要があり、ここにディレイが介入すると本来つながるはずの攻撃がミスになることがあります。

また、防御面でも影響は深刻です。相手の攻撃モーションを見てからガード入力をしても、ディレイのせいで間に合わず被弾してしまうといったケースは、初心者だけでなく中級者以上でも頻発します。こうした不利な状況は、実力とは関係なく敗北を招く原因になりかねません。

対戦ゲームでは命取りになるケースも

FPSや格ゲーに限らず、MOBAやRTSといった他ジャンルの対戦型ゲームでも、ディレイは重大な問題となります。たとえばスキル発動やアイテム使用のタイミングが遅れたことで、敵に先手を取られてしまうなど、状況判断と行動が直結しているゲームでは命取りになり得ます。

また、ディレイの存在がプレイヤーの判断力や反応速度の評価に影響を与えることもあります。実際には的確な操作をしていても、遅延によって失敗したように見える場面では、自己評価やチーム内での信頼にも影響を及ぼしかねません。

eスポーツのような競技性の高い世界では、このような環境要因への理解と対策が選手の評価にも関わるため、非常に重要なポイントとなります。

「ディレイ」が起きる原因とは?

ディレイは、単に「ネットの問題」と片付けられるものではなく、複数の要素が複雑に絡み合って発生する現象です。原因を正確に理解することは、適切な対策につなげるうえで極めて重要です。

ここでは、ディレイを引き起こす主な3つの要因について詳しく解説します。

  • ネットワーク(回線やPing値)による影響
  • PC・ゲーム機・周辺機器のスペック
  • ゲーム側の遅延設定やオンライン環境

それぞれの要因がどのようにディレイを生み出すのかを把握し、今後の環境改善に役立てましょう。

ネットワーク(回線やPing値)による影響

もっとも代表的な原因のひとつが、インターネット回線の品質や接続方法の問題です。特に重要なのが「Ping値」と呼ばれる数値で、これはプレイヤーの端末とサーバー間で通信が往復するのにかかる時間を示します。

Ping値が高い、つまり通信に時間がかかる状態では、プレイヤーの操作がサーバーに届くまでに遅延が生じ、相手より一歩遅れた動きになってしまうのです。

また、無線接続(Wi-Fi)は電波干渉やルーターとの距離によって通信が不安定になりやすいため、できるだけ有線接続を利用することが推奨されます。

実際、eスポーツの発展を受け、「eスポーツでも安定する回線」を売りにしている業者が出てくるほど、回線環境は重要視されています。

参照:フレッツ光・多彩なeスポーツライフに常時接続するフレッツ光最大概ね10G 速さの裏側 | e-Sports360

PC・ゲーム機・周辺機器のスペック

ハードウェアの性能も、ディレイを引き起こす大きな要因の一つです。たとえば、CPUやグラフィックボードの性能が不足していると、ゲームの処理が追いつかず、操作が画面に反映されるまでに時間がかかることがあります。

また、使用しているモニターやキーボード、コントローラーなどの周辺機器にも“入力遅延”が存在する場合があります。特に古いモニターやテレビでは、映像処理の過程で遅延が発生しやすいため、ゲーミングモニターの使用が望ましいとされています。

快適なプレイ環境を整えるためには、ネット環境だけでなく、デバイス全体の性能を見直すことが効果的です。

ゲーム側の遅延設定やオンライン環境

意外に見落とされがちなのが、ゲームソフト自体の仕様やオンライン環境です。一部のゲームでは、入力に対して意図的にディレイを設けている設計が採用されており、これが操作感に大きな影響を与えることもあります。

また、オンライン対戦においては、対戦相手の回線状況やサーバーの混雑具合も遅延の原因になります。とくに海外サーバーと接続している場合、日本からの通信距離が長いため、Ping値が高くなる傾向があります。

このように、個人側の環境だけでなく、ゲームそのものや対戦相手の環境にも影響されるという点を理解しておくことが重要です。

ディレイ配信とは?チート対策や大会運営で使われる理由

ゲームにおける「ディレイ」は操作の遅延だけではありません。配信の世界でも「ディレイ」が重要な役割を果たしているのをご存じでしょうか。

特に近年のeスポーツシーンでは、不正行為(チート)や試合の公平性確保のために「ディレイ配信」が積極的に取り入れられています。

このセクションでは、以下の4つの観点から「ディレイ配信」について詳しく解説します。

  • そもそも「ディレイ配信」とは何か
  • なぜ配信にディレイを入れるのか
  • eスポーツ大会でも導入されることが多い理由
  • 配信者・選手の立場から見たメリットと注意点

それぞれの視点から知ることで、ディレイ配信を深く理解できるはずです。

そもそも「ディレイ配信」とは何か

ディレイ配信とは、実際のプレイから数秒〜数分遅れて配信映像を視聴者に届ける方法を指します。リアルタイムでプレイしている最中でも、視聴者が見ているのは少し前の場面という状態になります。

この遅延設定は配信ソフトやプラットフォームの機能として簡単に導入でき、配信者自身が意図的に「何秒遅らせるか」を設定できるのが特徴です。

なぜ配信にディレイを入れるのか

ディレイ配信が最も重要とされる理由は、ゴースティング(Ghosting)対策にあります。ゴースティングとは、対戦相手が配信を視聴しながらプレイヤーの位置や戦略を不正に把握し、有利に立ち回る行為です。

これは明確な不正行為であり、公平な競技を妨げる重大な問題となります。特に賞金やランキングがかかったeスポーツの試合では、このような行為が発覚すると即失格となることも珍しくありません。

しかしディレイ配信を導入することで、相手が配信を見たとしてもリアルタイムの情報を取得できなくなるため、不正の抑止力として非常に有効です。

eスポーツ大会でも導入されることが多い理由

現在のeスポーツ大会では、ほぼ標準的にディレイ配信が導入されています。これは大会運営側が選手の安全・公平性・視聴者体験すべてを守るための措置でもあります。

たとえば、会場に観客がいるオフライン大会では、配信を見ている観客が選手に情報を伝える“外部からのゴースティング”のリスクもあります。そのため、競技の本番中には数分〜10分程度の配信遅延が設けられることが多いのです。

また、運営側がトラブル発生時に映像を調整したり、不適切なシーンをカットするためのバッファとしても機能します。

配信者・選手の立場から見たメリットと注意点

ディレイ配信には、配信者や選手にとっても複数のメリットがあります。まず第一に、安心して競技に集中できる環境が得られるという点です。戦略や位置情報をリアルタイムで漏らす心配がなくなり、心理的にも落ち着いてプレイに専念できます。

また、事前に対戦相手のリサーチを受けにくくするという利点もあり、特にトーナメントなどで戦略性が高いゲームにおいては重要なポイントです。

ただし、視聴者とのインタラクションが遅れるため、チャットの反応や実況解説とのズレが生まれる点には注意が必要です。ストリーマーとして活動する場合には、この影響をどう緩和するかも考慮する必要があります。

「ディレイ」への対策方法|すぐにできる改善策

ディレイはプレイヤーの実力とは関係なく、環境によって発生するものです。そのため、根本的な原因を把握したうえで、できる範囲で改善を図ることが重要となります。

ここでは、日常的に実践できる代表的な改善策として、次の4つのポイントをご紹介します。

  • 有線接続に切り替える
  • ルーターやモデムを最適化する
  • ゲーム設定・画質を見直す
  • 周辺機器(モニター・キーボードなど)の見直し

少しの工夫でプレイ環境が大きく変わることもあります。すぐに取り入れられる対策から順に見ていきましょう。

有線接続に切り替える

もっとも効果的で手軽な対策が、無線(Wi-Fi)から有線接続に切り替えることです。Wi-Fiは周囲の電子機器や壁などの障害物の影響を受けやすく、通信の安定性に欠ける場合があるため、ラグやディレイが発生しやすい傾向にあります。

一方、有線LANは直接ルーターと接続されており、データの送受信が安定しやすいという大きな利点があります。特にFPSや格闘ゲームといった、シビアな反応速度が要求されるゲームでは、有線接続が事実上の必須条件とも言えるでしょう。

eスポーツに限らず、有線接続はwi-fi接続より安定性に優れているため、無線環境でディレイが発生する場合は有線環境を検討してみましょう。

参照:プラネックスコミュニケーションズ株式会社・Wi-Fiは便利ですが、有線LANは速さと安定性の高さが魅力

ルーターやモデムを最適化する

通信機器自体の見直しも、ディレイ改善に直結します。長年使用しているルーターやモデムは、内部処理速度が遅くなったり、最新の通信規格に対応していないことがあります。

また、複数の端末を同時に接続していると、帯域が分散されてゲームへの通信速度が不安定になることもあります。これを防ぐためには、QoS(Quality of Service)設定でゲーム通信を優先するといった工夫も効果的です。

ルーターの再起動やファームウェアの更新といった基本的なメンテナンスも、定期的に行うことで安定性が向上します。

ゲーム設定・画質を見直す

ゲームの設定項目を調整することで、ディレイの影響を軽減できる場合もあります。たとえば、高画質・高解像度設定にしていると、処理負荷が大きくなり、フレームレートや応答速度が低下する可能性があります。

特にスペックに余裕のない端末を使用している場合には、画質を中程度以下に落とし、動作の安定性を優先することが有効です。また、一部のゲームでは「入力遅延軽減モード」や「パフォーマンス優先」などの設定が用意されていることもあるため、自分のプレイスタイルに合わせた調整が可能です。

周辺機器(モニター・キーボードなど)の見直し

プレイ環境を本格的に整える場合は、モニターや入力デバイスにも注目すべきです。特にモニターは、リフレッシュレートや応答速度の数値がゲーム体験に大きな影響を与える要素のひとつです。

ゲーミングモニターであれば、リフレッシュレート144Hz以上、応答速度1ms以下の製品を選ぶことで、より滑らかな映像表示が可能となり、ディレイを体感しにくくなります。

また、キーボードやマウス、コントローラーの入力遅延(インプットラグ)も意外に見落とされがちなポイントです。反応速度の速いゲーミングデバイスを導入することで、プレイ精度の向上につながる可能性があります。

ディレイを理解することは、勝率UPにもつながる!

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「ディレイ」は単なるストレス要因ではなく、プレイの質や勝率に直結する重要なテーマです。とくにeスポーツのように競技性の高い環境では、ディレイへの理解と対策がプレイヤーとしての評価を左右する場面もあります。

ここでは、以下の3つの視点から「なぜディレイを知ることが重要なのか」を考えていきましょう。

  • スキルではなく環境が原因のこともある
  • 競技性が高いゲームほど対策が重要になる
  • eスポーツでは「勝てる環境づくり」が大切

ディレイを知り、適切に対処することで、自分本来の実力を発揮しやすくなります。

スキルではなく環境が原因のこともある

ゲームにおいて思い通りの操作ができないと、つい「自分の腕が悪い」と感じてしまいがちです。しかし実際には、プレイヤーの操作スキルではなく、通信環境や機材が原因でミスが起きているケースも多くあります。

たとえば、回線が不安定だったり、モニターの応答速度が遅かったりするだけで、反応の遅れや入力ずれが発生し、結果的に敗北につながることもあります。

自分の実力を正しく把握するためには、まずプレイ環境を整えることが前提となります。技術の向上だけでなく、環境の最適化にも目を向けることで、より効果的に成長できるはずです。

競技性が高いゲームほど対策が重要になる

FPSや格闘ゲームなど、わずかな反応速度が勝敗を左右するジャンルでは、ディレイの影響が特に大きく表れます。そのため、プロやハイレベルなプレイヤーほど、通信環境・デバイスの選定に細心の注意を払っています。

たとえば、プロチームの選手は対戦時に必ず有線接続を使用し、ラグを最小限に抑えるようにしています。また、モニターやマウスなどのデバイスにもこだわり、「反応速度の遅延を限りなくゼロに近づける」ことを前提とした環境構築を行っています。競技レベルで勝ち続けるには、技術面だけでなく、環境面も同じくらい重要であることを理解する必要があります。

eスポーツでは「勝てる環境づくり」が大切

eスポーツにおいて成果を出すためには、自分のパフォーマンスを最大限に引き出せる環境を整えることが不可欠です。これはプロ選手に限らず、学生チームやアマチュア大会でも同様です。

適切な回線・機材・プレイ設定を整えることで、ミスを減らし、自分の戦術や反射神経を正しくゲームに反映させることが可能になります。また、ディレイによる誤解(例:仲間からのミス扱いなど)を防ぎ、チームの信頼関係を保つうえでも環境整備は有効です。

まとめ

本記事では、ゲームプレイにおける「ディレイ」について、意味や原因、具体的な影響から改善方法までを詳しく解説してきました。

ディレイは、ネットワーク環境や使用デバイス、さらにはゲーム自体の仕様によって生じるものであり、決してプレイヤーのスキル不足だけが原因ではありません。特にFPSや格闘ゲームなど、競技性の高いジャンルにおいては、わずかな遅延が勝敗を分ける要因になることもあります。

だからこそ、プレイヤーとして成長するためには「勝てる環境」を整えることが重要です。それはネット回線やモニターといった物理的な環境だけでなく、自分のスキルを正しく学び、高めていける「身を置く場所」という意味でも同様です。

たとえば、eスポーツスクール「AFRAS」では、プロも活用する最適な環境下で、ディレイ対策の知識や実戦的なスキルを体系的に学ぶことができます。技術面だけでなく、戦略的思考・チームコミュニケーション・大会運営の知識まで幅広く学べるため、「本気で上達したい」「将来eスポーツに関わりたい」と考えている方にとっては最適な選択肢となるはずです。

eスポーツスクールのスキルアップをと考えている方は、是非一度AFRASをチェックしてみてくださいね。