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コラム

eスポーツと普通のゲームの違いとは?定義や歴史・プロプレイヤーに求められるスキル

eスポーツ全般

コンピューターゲームで勝敗を競うeスポーツ。高度なスキルと知略を必要とするテーブルスポーツですが、eスポーツをよく知らない人からすると「普通のゲームとeスポーツは何が違うの?」という疑問が浮かぶこともあるでしょう。

この記事では、eスポーツと普通のゲームの違いについて紹介します。

eスポーツについて知りたい人やeスポーツプレイヤーを目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。

eスポーツとは

eスポーツとは、Electronic Sports(エレクトロニックスポーツ)の略称です。コンピューターゲームを用いて勝敗を競技として国内外で人気が高まっています。

ゲームのプラットフォームは、パソコン、テレビゲーム、スマートフォン、タブレットなど多岐にわたり、それぞれのゲームタイトルごとに明確にルールを定めて競技を行うのが特徴です。

一般社団法人日本eスポーツ協会では、eスポーツの定義を以下として紹介しています。

“「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦スポーツ競技として捉える際の名称”

引用元・一般社団法人eスポーツ協会

娯楽のひとつとして誕生したゲームですが、対戦スポーツとして行うことで新たなジャンルを生み出す事に成功しました。eスポーツは、最新のスポーツと言えます。

eスポーツの歴史

コンピューターゲームが開発されたのは1900年代半ばと言われています。現在のeスポーツの原点となる世界発のゲーム大会は1970年代にアメリカで行われた「スペースウォー!」というゲームタイトルの競技会であるという説が有力です。

続いて、世界的にスペースインベーダーが大流行し、1980年代に行われた同タイトルの大会では全米から1万人近い参加者・観戦者が集まったと言われています。インベーダーブームは日本にも到来し、第一次ゲームブームが始まりました。

1990年代にはストリートファイターシリーズを初めとした、格闘ゲームが流行し、日本でも大規模なゲーム大会が行われ始まます。

2000年頃、韓国でeスポーツという造語が誕生して以降、世界中でeスポーツ大会が盛んに行われるようになりました。2011年には「第1回eスポーツJAPAN CUP」開催、2015年には一般社団法人日本eスポーツ協会設立など、日本でも徐々にeスポーツが浸透し始めます。

2024年にはeスポーツワールドカップが開催され、2026年にはアジア競技会でeスポーツが正式種目として行われる事も決定済です。eスポーツは世界各国で盛り上がりを見せ、徐々に一種のスポーツとして認められ始めています。

eスポーツの競技人口

eスポーツは年齢や男女の性差などの影響を受けにくく同じ条件で競える数少ないスポーツです。そのため、世界中で続々と競技人口を増やしており世界のeスポーツ競技人口は1億人を超えているとも言われています。

国内のeスポーツ人口は約390万人と試算されており、国内のバスケットボール実施人口である504万人※を追いかける形になっています。

eスポーツは歴史が浅いながらも着々と国内外で競技人口を増やしています。

※笹川スポーツ団体による調査結果より、20代以上の競技人口と10代の競技人口を合計した数値

参照元:10代のバスケットボール人口バスケットボール人口

eスポーツは普通のゲームと何が違うの?

eスポーツはコンピューターゲームを用いて競うスポーツですが、一般的に流通しているゲームならどんなタイトルでも使用できる訳ではありません。

続いては、eスポーツと普通のゲームの違いについて解説します。

eスポーツは競技要素が高い

eスポーツで扱われるゲームタイトルは必ず勝敗のつくものです。そのため、シュミレーションゲームやRPG(ロールプレイングゲーム)などがタイトルに採用されることは、ほとんどありません。 何らかの要素によって勝敗がつくことで、スポーツ競技として成り立っています。

eスポーツはエンターテイメント性が高い

一般的に普通のゲームは家庭内でプレイする事が多いでしょう。近年はオンラインゲームが流行していることもあり、家庭内でも友人や見知らぬ人と対戦する事ができます。

しかし、eスポーツは主に会場に足を運んで大会に出場するのが一般的です。地区予選などは、オンラインで開催される事もありますがeスポーツの大会の多くはスポンサーに出資を募り、会場で大々的に開催されます。

これは、eスポーツが収益の発生するエンターテイメントであるからです。

これまで家庭内で行っていたゲームを、eスポーツに昇華することで、エンターテイメント性を向上させています。

大きな大会を開催して注目を集める事でスポンサーが集まり、出資によってプロプレイヤーの育成や海外大会への遠征など、業界を盛り上げていくのがプロスポーツの基本的構造です。野球やサッカーなどと同じように、eスポーツもプロリーグが発足され、多くのスポンサーに注目される興行となっています。

高額の賞金がでる

eスポーツと普通のゲームの最も大きな違いは高額の賞金が設定されていることでしょう。

世界中で人気を博しているDota2は、これまで国際大会の賞金総額が約536億を超えたと言われています。eスポーツの中でも特に高い賞金が設定されるタイトルとして知られており、2021年に行われた世界チャンピオンシップ大会では1つの大会における賞金総額が約53億円であった事も話題になりました。

2019年に行われたフォートナイトの世界大会では16歳の少年が優勝し、賞金約3億円を獲得したこともニュースに取り上げられました。

年齢に関わらず莫大な賞金をかけて競うことができるeスポーツは、夢があると言えます。

eスポーツ競技に使われるタイトル

ゲームにはさまざまなジャンルがあります。なかには、特定のジャンルのゲームしかプレイした事がないという人もいるのではないでしょうか。

eスポーツと普通のゲームには、競技タイトルに指定されるジャンルにも違いがあります。

どのようなジャンルのゲームでもeスポーツができる訳ではありません。eスポーツでは、一般的に以下のジャンルが競技タイトルとして採用されることが多いです。

MOBA
(マルチプレイヤーオンラインバトルエリア)
主にチーム戦で競い、敵の陣形などを崩しながら勝利条件を満たす事を目的としたゲーム
RTS
(リアスタイムストラテジー)
第三者の視点で、コマンドに沿って動く複数のキャラクターに指示を出して相手の陣地を攻略する戦略型ゲーム
FPS
(ファーストパーソンシューティング)
自分の視点で行うシューティングゲーム
TPS
(サードパーソンシューティング)
第三者目線の視点で行うシューティングゲーム
スポーツ野球、サッカーなど実在するスポーツをモチーフにしたゲーム
格闘キャラクターを操り、相手の体力ゲージを0にすることを勝利条件として対戦するゲーム
OGC
(オンラインカードゲーム)
ゲーム上でプレイするカードゲーム

【スポーツじゃないとは言わせない】eスポーツプレイヤーに求められるスキル

eスポーツプレイヤーには、普通にゲームをしている人とは違う次元のスキルが求められます。続いては、eスポーツがスポーツとして扱われるようになった由縁とも言えるスキルについて紹介します。

高度なゲームスキル

eスポーツで世界のプロプレイヤーと競うために、高度なゲームスキルは欠かせません。卓越したエイム力やアクションコマンドの入力スキルなど、何十時間、何百時間、何千時間とかけて磨き上げた技術で競い合うのがeスポーツの醍醐味です。

ゲームを熟知した戦略

eスポーツでは単純なゲームスキルが高いだけでは上位プレイヤーと競い合えません。そこに必要なのは戦略です。どのように相手を攻撃すれば効率良く勝つ事ができるのかを、日頃から分析して何通りもの戦略を立てます。

また、ゲーム特有のルールをどう活かすのかや、フィールドの地形を覚えて攻撃を組み立てるなど、スキルと同等以上に知略が求められるのもeスポーツの特徴です。

瞬間的に選択ができる判断力

eスポーツでは刻一刻と戦況が変化します。その際に瞬時に判断して最善の選択をできるプレイヤーが勝ち残ると言ってもよいでしょう。

eスポーツにはリアクションタイムという言葉があります。これは、ゲーム中に何らかの動きがあるのに対し、自分が反応するまでの時間を指す言葉です。特に格闘ゲーム、FPS、TPS、レーシングゲームなど、スピード感を重視するゲームジャンルではリアクションタイムの短さが求められます。

何らかの状況変化に対して、いかに短時間で行動を起こすのかによって勝敗が分かれるからです。

リアクションタイムは、年齢、遺伝子、経験などで培われるものだと言われており、eスポーツプレイヤーはリアクションタイムを縮めるためのトレーニングに励んでいます。

長くゲームを続けられるフィジカル

ゲームと聞くと、空調の効いた室内でお菓子やジュースを食べながらのんびりとプレイするイメージを持っている人も多いでしょう。普通のゲームであればそうかもしれません。

しかし、eスポーツプレイヤーは違います。長くゲームを続けるために、腰痛対策や視力の低下を抑える工夫など、今後もプレイヤーとして最前線で戦い続けるための体作りにも取り組んでいるケースがほとんどです。

eスポーツはプロライセンスもある

日本eスポーツ連合では、eスポーツのプロライセンスも発行しています。必ずしもプロライセンスが必要という訳ではありませんが、ライセンス保持者のみを対象とした大会などもあるため、近年eスポーツプレイヤーのなかでもライセンスを取得する人が増えています。

プロライセンスは、大会などでの実績を加味して発行されます。そのため、ライセンスを所持しているだけでもある程度の実力を持つeスポーツプレイヤーである事が分かるでしょう。

eスポーツプレイヤーとして普通にゲームをしている人との区別をするためにも、ライセンスは良い目安になると言えます。

eスポーツはただのゲームとは違う

野球やサッカーなどにもプロ野球とアマチュア野球、プロサッカーとアマチュアサッカーなどがあるように、ゲームでもアマチュアとプロには大きな違いがあります。

自己研鑽を詰み、莫大な時間をかけて作り上げたスキルや知略を駆使して競うeスポーツは、座上のスポーツと言えるでしょう。日本ではまだ馴染みが薄く勘違いされてしまう事もありますが、世界的に盛り上がりを見せているeスポーツの認知度は今後ますます上昇していくでしょう。

eスポーツが多くの人に正しく理解されるよう、eスポーツ業界の取り組みが期待されます。

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