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コラム

eスポーツが強い国はどこ?強豪チームや選手・好成績のタイトル・ 強さの理由も解説

コンピューターゲームで勝敗を競い合うeスポーツは、人種や国籍、性差など関係なく公平な条件で戦うことができる競技です。だからこそ、世界中で競技レベルはどんどん上がり、近年は強豪国と呼ばれるeスポーツの強い国出身の選手たちの活躍が目覚ましいと話題になっています。

今回は、eスポーツの強い国について紹介します。強豪国だけでなく、なぜその国のeスポーツプレイヤーが強いのかなど、理由についても考察しているので、ぜひ最後までご覧ください。

eスポーツの強い国はゲームジャンルごとに違う

バスケットボールにおけるアメリカや、サッカーにおけるヨーロッパ、柔道における日本など、スポーツにはそれぞれ強豪国と呼ばれる競技レベルの高い国があります。

母国で生まれた競技は自然と強豪国になることが多いですし、人種による体格の違いによって優劣が付きやすい競技も有利な国が出てくるでしょう。

eスポーツは、ゲーム文化が発展したものです。そのため、強豪国と呼ばれる国は、先進国が多い傾向にあります。しかし、性差や体格差などによる優劣はないため、勢力図はいつ一転してもおかしくないと言えるでしょう。

また、eスポーツはゲームジャンルごとに強い国が異なる事も特徴的です。これは、国民性や各国でのゲームブームの傾向なども影響していると考えられます。国民性による特徴を活かすために、多国籍選手で構成しているチームも増加傾向にあります。

FPSが強い国はヨーロッパ

FPSは一人称視点型のシューティングゲームです。「Call of Duty」シリーズや「Battle Field」シリーズ、「VALORANT」、「APEX」、「Counter-Strike」などのタイトルがFPSジャンルとして知られています。これぞeスポーツと言われるタイトルが多く、世界大会なども度々開催されているジャンルです。

FPSはヨーロッパエリアに強豪国・競合チームが多いのが特徴です。もともと、ヨーロッパは世界中にFPSブームが訪れる前から、シューティングゲームの人気が高く、FPSがいち早く根付いたエリアとも言えます。

ヨーロッパが強いeスポーツのゲームタイトル

FPS発祥の国と言われているのはアメリカですが、界隈で不滅の人気を誇る「Rainbow Six」や「Battle Field」シリーズなどは、ヨーロッパの企業が開発したタイトルです。これらのタイトルには、ヨーロッパの人々の軒並みならぬFPSへのこだわりが現れていると言っても過言ではありません。

世界的に人気を博しているVALORANTではスウェーデン出身のLeo選手が現在世界で最も強いプレイヤーではないのかと噂されており、APEXでは欧州の多国籍チームFaZe Clanが近年目覚ましい活躍を見せています。

特にFPSジャンルで世界的人気を誇るCounter-Strikeにおいては、ヨーロッパチームの独壇場とも言えるでしょう。

【考察】FPSでヨーロッパが強い理由

ヨーロッパは元々ゲーム市場が盛んで、2015年のゲーム市場は1兆円規模を越えていたと試算されています。一方、ゲーム開発については消極的で、アメリカや日本からの輸入頼みの状態です。

ゲーム開発が盛んではないことから、プレイステーションやファミコンなどのゲームハードは販路が開拓されるまで、ヨーロッパではほとんど普及しなかったと言われています。ゲームが好きな人が多い国なのに、最新のゲームが簡単に手に入らないといった現状を打破したのはPCゲームでした。ヨーロッパとアメリカ間は戦後友好的な関係を維持していたため、輸入出も安定していたうえ、PCゲームならソフトだけを輸入すればプレイできることから、ヨーロッパはPCゲームの普及が早かったと考えられます。

FPSはPCゲームから発祥したものが多いため、PCゲームの操作や感覚に慣れているヨーロッパ勢が強豪となっているのではないでしょうか。多数のFPSジャンルを作り出してきたアメリカでは、自国がFPSジャンル発祥国であるものの、日本からファミコンなどのゲームハードが流通するなど、人気が分散したことで、ヨーロッパとの差が生まれたのではないかと考えられます。

MOBAが強いのは韓国

MOBAとは、マルチオンラインバトルアリーナと呼ばれるRTS(リアルタイムストラテジー)系のサブジャンルです。主に複数のプレイヤーがチームで対戦し、敵のチームの拠点を破壊することが勝利条件となります。代表的なタイトルとして「LEAGUE OF LEGENDS」や「Dota2」「伝説対決(Arena of Valor)」「MOBALE LEGENDS:BangBang」などが挙げられ、eスポーツで人気のジャンルです。

そんなMOBAの強豪国と言えば韓国でしょう。韓国はそもそもeスポーツの生まれた国と言われている程、ゲームの人気が高い国です。特に、RTSジャンルは韓国で大ブームとなりました。

RTSから派生したMOBAも韓国人の好みにマッチしていたのでしょう。爆発的な人気によって普及し、強豪チームが続々と誕生しました。

韓国が強いeスポーツのゲームタイトル

韓国が強いeスポーツのゲームタイトルとして真っ先に挙げられるのが、「LEAGUE OF LEGENDS」ではないでしょうか。LEAGUE OF LEGENDSで生きる伝説と謳われる世界最高峰プレイヤー・Faker氏は韓国のeスポーツチーム「T1」に所属する選手です。国際大会では2015年2016年と連覇を果たしており、LEAGUE OF LEGENDSにおける最強の選手とも言われています。

【考察】MOBAで韓国が強い理由

韓国では「PCバン」と呼ばれるインターネットカフェが若者達に大流行しており、安価で長時間ゲームを楽しめる環境が手に入りやすい状況です。そこで、PCのスペックを用いてプレイするMOBAにハマり、強豪国として成長していったのではないかと考えられます。

また、政府としてeスポーツを支援しているのも大きな理由として挙げられるでしょう。MOBAのようにチームで行うゲームジャンルの場合、コミュニケーションスキルの高さが物を言います。仲間の動向を把握し、それに合わせて選択するスキルは、数えきれない程の練習を重ねなければ習得できないでしょう。

そのために、eスポーツへの理解やeスポーツを支える環境整備が欠かせません。韓国は国が主体となってeスポーツを推進しているため、「プロeスポーツプレイヤー」が当たり前のよう職業として認められる状況です。

最高の環境で連携スキルを磨き上げたからこそ、MOBA強豪国となったのではないかと考えられます。

格闘ゲーム(格ゲー)が強いのは日本

格闘ゲームは、お互いのキャラクターのHPを0にするまで戦うゲームジャンルです。日本が強いeスポーツジャンルと言えば格闘ゲームでしょう。特に、日本で生まれた「ストリートファイター」シリーズや「鉄拳」シリーズに関しては、日本人の世界ランカーも数多くいます。

その他にも、「THE KING OF FIGHTERS」シリーズ、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズなどもeスポーツ界隈で人気を博しています。大乱闘スマッシュブラザーズに関しては、格闘ゲームなのか対戦アクションゲームなのかとジャンル分けにさまざまな意見が飛び交うことも多いですが、日本の人気キャラクターが使用できる同作の人気は高く、国内外でさまざまな大会が行われています。

日本が強いeスポーツのゲームタイトル

世界的なeスポーツ大会において、日本が特に多くの実績を残しているのが「ストリートファイター6」です。

2024年に開催されたストリートファイター世界最強選手を決める「CAPCOM Pro Tour 2024」では、優勝者のShuto選手に注目が集まりました。アマチュア時代には「あんまん」というプレイヤーネームでプレイしていたShuto選手。日本eスポーツ協会の発行するプロライセンス所持者で、兼ねてより活躍に期待されていた選手でした。

CAPCOM Pro Tour 2024では、1敗もすることなく全戦全勝という圧巻の強さを披露。世界に名を轟かせ、文句のつけようもない世界最強王者に君臨しています。

【考察】格闘ゲーム(格ゲー)で日本が強い理由

日本が格闘ゲーム強豪国になったのは、自国から開発されたゲームが世界的な人気タイトルになったことが大きな理由として挙げられるでしょう。CAPCOMから開発された「ストリートファイター」や「鉄拳」は元々アーケードゲームとして作られていました。

インベーダーブームから続き、アーケードゲームは一躍大ブームを引き起こしています。そのため、他国より早くから格闘ゲームに触れる機会が多かった日本は、家庭用ゲーム機に移行した後も格闘ゲームの人気が廃りませんでした。この点も大きなポイントと言えるでしょう。

元々、考察好きの日本人に格闘ゲームのハメ技要素が好まれたのも大きかったと考えられます。技のコンボを繰り返して防御困難な攻撃を行うハメ技の開発や攻略方法の発見にしのぎを削ることで、プレイヤー同士の競技レベルが上がっていったという背景もあるでしょう。

まだ見ぬ強豪国も続々誕生している

eスポーツにおいては、主に先進国が上位ランカーを抱えている状況が続いています。これは、あくまでeスポーツの根源に娯楽である「ゲーム」があるからと言えるでしょう。

生活に余裕がなければ娯楽を楽しむ余裕もありません。つまり発展途上国から優秀な選手が誕生しにくいのは当然の結果とも言えます。

しかし、世界中でeスポーツが盛んに行われていることで、途上国でも考え方に変化が現れています。eスポーツの世界大会における賞金総額は目を見張るものがあり、世界で最も高額賞金がかけられるゲームタイトル「Dota2」では、過去に約3億ドルの優勝賞金がかけられたこともあります。

一攫千金を狙ってeスポーツ界隈に飛び込む人も増えてきており、スマホゲームの参入によってさらに途上国から実力派選手が出てくるケースが増えてきています。高額で通信環境を揃える必要も、PCゲームやゲームハードを購入する必要もなく、通信手段として使用しているスマホを使えば無料でゲームができるからです。

現にスマホのプラットフォームで行われることの多い「PUBGモバイル」や「荒野行動」などは、インドネシアやタイから有望な選手が続々と誕生しています。

eスポーツの強い国は変化し続ける可能性大

今回は、eスポーツが強い国について紹介してきました。しかし、紹介した考察を読んでもらえばお分かりのように、現在の強豪国の多くは元々の優位性を持っています。ヨーロッパであればPCゲームの普及率、韓国であればeスポーツへの支援体制や理解、日本では自国で開発されたジャンルなど、が優位性に当たると言えるでしょう。

これらの優位性はどんどん失われていきます。その理由は、時が経つに連れてPCゲームの普及率は世界的に上昇し、世界各国でeスポーツへの理解が進み、自国で開発されたゲームも直ぐに世界に拡販される世の中に変化しているからです。

この変化のなかで世界に通用するeスポーツプレイヤーを目指すためには、並々ならぬ努力が必要でしょう。各国、各プレイヤーが、スキルを極め知略を高めていくことで、現状の強豪国が敗北する可能性も少なくありません。それこそが、eスポーツの魅力でもあります。

今後も、eスポーツにおける世界情勢から目が離せません。

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