「能力開発」という言葉を聞くと、どのようなことを想像しますか?新しい能力を得ることを想像する人もれば、今もっている能力を伸ばすことをイメージする人もいるでしょう。
どちらも正解ですが、能力開発は求められる環境や行う人物によって意味が大きく変わってきます。
この記事では、能力開発についてわかりやすく解説します。合わせて、大人の能力開発と子供の能力開発についての違いも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
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能力開発とは

能力開発とは、新たな能力を得ることや今持っている能力を向上させることを言います。もともと、人は多くの能力を持っていますが、全ての能力を100%発揮できている人は極わずかでしょう。
なかには、自分自身が優れた能力を持っていることに気付いていない人もいます。
能力開発とは、さまざまな働きかけによってこれらの能力が発揮できる状態に導くことを言います。
能力開発の目的
能力開発の目的はシーンや対象によって異なります。
子供の能力開発の目的
まだ人生経験が少なく、自分が持っている能力に気付いていない子供に対して、能力を引き出し活用できる環境を整える目的で能力開発を行うことが多いです。
発揮できるようになった能力によって未来へのさまざまな選択肢が増えます。
大人の能力開発
大人の能力開発の場合、企業などが研修として働きかけを行い能力開発を促します。会社にとって必要な能力を開発し発揮させることで、優秀な人材の育成、業務生産性の向上などを目的としています。
能力開発が求められる背景
能力開発が注目されている背景として、以下のような理由が挙げられます。
子供の場合
子供の能力開発が求められるのには、グローバル教育の推進が影響していると考えられています。国内で定型的に生きていれば安定していた時代とは異なり、これからはグローバルな視点が求められることとなるでしょう。
人よりも優れたもの、かけがえのない能力を手に入れることで、選択肢は広がり重宝されるようになります。少子高齢化で子供の数が減るなか、子供に対して親は十分な教育や環境に金銭を使う傾向があります。そんななか、より子供の選択肢を増やし豊かな未来を与えるため幼児教育や習い事をはじめとした教育にお金をかけ、能力開発に尽力している保護者も少なくありません。
大人の場合
昨今、申告な人材不足が起きており、多くの企業で人材確保が課題となっています。有能な人材は大手企業が軒並み確保してしまうことや、せっかく確保した人材も短期間で転職してしまうなど、従来と同様の育成手段では通用しなくなってきています。
このような背景から、能力開発という新たな働きかけによって、現状の人材のなかから優秀な人材を創出することが求められるようになりました。
能力開発と自己啓発の違い

能力開発と似た意味の言葉として頻繁に用いられるのが自己啓発です。しかし、能力開発と自己啓発は違う意味を持っているため、それぞれの違いを理解しておきましょう。
自己啓発とは
自己啓発とは、自分自身で気付きを得るための行動を指します。書籍やセミナー、有識者、尊敬できる人の意見などから得た気付きによって認識や理解を得ることです。
これまで自分自身が気付かなかった新たな理解を得ることで、考え方が変わり、考え方が変わることで行動が変わる人もいるでしょう。
自分自身にとってより良い変化を求めて自己啓発に励む人もいます。
能力開発との違い
能力開発と自己啓発の大きな違いは、スキルにあります。能力開発では、本人が持っているスキルを把握したりスキルを向上させたりすることを目的とします。一方で、自己啓発はマインドを変えることを目的としているため、この2つは似ているようで全く違うものということを理解しておきましょう。
【社会人向け】能力開発の3つの方法

能力開発にはさまざまな方法がありますが、今回は社会人向けの能力開発について紹介します。
1.研修・セミナー
社会人の能力開発に多く選ばれているのが集合型研修やセミナーです。特に、企業研修として行う際には、能力の素養を持った人材を選出して研修することが多い傾向にあります。
求められる能力に関する講義を受けたり、他の参加者とのディスカッションを行ったりして能力を引き出し、スキルとして向上を図ります。
ちなみに、職場以外の場所で行う研修をOFF-JT(Off The Job Trainingの略)と呼ぶこともあります。
2.eラーニング
eラーニングとは、あらかじめインターネット上に用意された動画や課題などに取り組むことで行う学習方法です。人的コストを割くことなく研修が行えるため、年々eラーニングを導入する企業が増えています。
eラーニングによって能力への理解を深めて、実践的に活用できる状態を目指し学習します。
3.OJT
OJTとはOn The Job Trainingの略称で、実際に職場で業務を行いながら学ぶ研修方式を指します。実践的に学べるため、スキル向上に大きな効果が期待できます。
研修修了後には即戦力として従事できることや、指導する上司や先輩とも直接的に人間関係を構築できることが大きなメリットとして注目されています。
子供の能力開発はどうやってするの?

社会人の場合、企業研修の一環として能力開発を行いますが、これらの方法は子供向けではありません。
子供の場合、そもそも「求める能力を伸ばす」のではなく「秘められた能力を発見する」ことに要点を置くことが多いです。
そのため、さまざまな物に触れ、経験するなかで子供にどのような能力があるのかを見極めることが大切だと考えられます。子供向けの能力開発塾を行う幼児教育塾などでは、独自の方法をとっているケースが非常に多く、自然に触れるなかで自己能力の発見・開発を謳うケースもあれば、学習塾と同様に勉強をするなかで自己能力の発見・開発を謳うケースもあります。
子供の場合、経験が浅く能力を発揮する機会に恵まれていないケースが非常に多いため、さまざまな経験のなかで自己能力の把握をすることに重点を置いているケースが多いでしょう。
能力開発の注意点

能力開発は大人であっても子供であっても、自発的な学びへの姿勢がなければ成立しません。大人の場合、自分自身で学ぶ意欲が必要となります。子供の場合は、好奇心や興味を持って取り組めるかどうかが大きなポイントとなるでしょう。
企業や大人に強制される形で能力開発に取り組んでも望む結果は得にくい傾向にあります。
eスポーツが能力開発に向いている理由

eスポーツはコンピューターゲームを用いて勝敗を競う新興スポーツです。2000年頃から世界中に広がり、現在では競技人口が世界中で1億人を越えているとも言われています。
ゲームときくと、遊びのように思われがちですが、スキルや知略、チームメイトとのコミュニケーションなど、さまざまな要素で競うeスポーツは他のスポーツと同様に競技性を持っています。
近年、eスポーツの能力開発に効果が期待できると言われ、企業研修や子供の習い事として取り組む人も増えてきました。続いては、eスポーツが能力開発に効果的と考えられる理由を解説します。
認知能力の向上が期待できるから
eスポーツには認知能力の向上効果が期待できます。eスポーツと認知能力に関する研究は世界中で行われており、認知能力の向上効果についての論文なども多数見受けられます。
そもそも、認知能力とは数値で表せる能力を指します。種類は多岐に渉り、代表的なものに以下の能力が挙げられます。
- 記憶力
- 言語力
- 注意力
- 問題解決能力
- 判断力
- 抽象化能力
コンピューターゲームを通して、これらの能力の向上が期待できると言われています。eスポーツをプレイすることで、これらの能力を開発できる可能性があるでしょう。
非認知能力の向上が期待できるから
eスポーツでは、認知能力だけでなく非認知能力の向上効果も期待できると言われています。非認知能力とは、数値化できない能力を指し、代表的なものに以下が挙げられます。
- 自己肯定感
- 自制心
- 忍耐力
- 集中力
- コミュニケーション能力
能力開発には、非認知能力を必要とするケースもしばしばあります。eスポーツでは、チームプレイを必要とするタイトルにおいてコミュニケーション能力の有無が非常に重要です。いかにして瞬間的に意思疎通をするのかを考える必要があり、プレイするなかで自然と能力が養われます。
自発的に取り組めるから
eスポーツはコンピューターゲームを用いることから、訓練やトレーニングというよりも趣味の一環として前向きに取り組める特徴があります。そもそも、ゲームが嫌いな人が無理矢理ゲームをプレイさせられるという状況はそうありません。多くの人は自分自身の意思で「ゲームをやりたい」と考え、プレイすることでしょう。
能力開発の基本は、自発的かつ前向きに取り組むことです。eスポーツは楽しみながら能力開発の効果が期待できるスポーツと言えます。
PDCAサイクルを回すことがクセづけられるから
eスポーツをプレイすることによって向上が期待できる効果のなかでも、最も重要視されているのがPDCAサイクルを回す習慣がつくことです。
eスポーツでは、勝利したプレイよりも敗北したプレイから学べることが各段に多くあります。そのため、1戦1戦を振り返り、敗因を分析し、対策をして次の戦いに挑むことが上達の近道と言えます。
これは、能力開発でも必要とされるPDCAサイクルと同じ考え方です。特に、子供の頃からeスポーツをプレイすることで、PDCAサイクルがクセづけば能力開発以外にも、さまざまな分野で役立つ習慣となるでしょう。
eスポーツで自分の持っている能力を開発しよう
大人の能力開発と子供の能力開発では、目的や内容が多少異なりますが、どちらも人生を豊かに生きるための能力を身に付けるという点において同じです。それが、持っているのに発揮されていない能力ならば、尚のこと開発して活用できる状態になる方がよいでしょう。
ぜひ、今回紹介した能力開発の方法を参考に、自分自身に必要な能力を開発してみてください。
AFRAS(アフラス)では、大人の能力開発、子供の能力開発の一環としてeスポーツを始めたい方も歓迎しています。マンツーマン授業で、自分にあったペースで楽しみながらeスポーツに触れることができます。また、プロのeスポーツプレイヤーとして活躍する講師に指導を受けることで、プロのマインドを身近に感じられることでしょう。自分にない考え方を知ることは、自分自身のなかに眠る能力を引き出すきっかけになる可能性もあります。
eスポーツで認知能力や非認知能力を鍛えつつ、自分だけが持っている秘められた能力を探してみてはいかがでしょうか。