ゲーム動画などで、通常のゲーム仕様では存在しないアイテムやグラフィックを目にしたことはありませんか?近年、ゲームに非公式追加データを導入してよりゲームを楽しむMODが大きな話題となっています。
この記事では、MODがどのようなものなのか分かりやすく紹介します。
合わせて、MODを使うことでゲームがどう変わるのか、MODを使う際の注意点などについても紹介します。MODを使ってみたいと考えている人やMODがどういったものなのか知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のコンテンツ
ゲームのMODとは

PCゲームなどで用いられるMODとは、改造データのことを指します。現代では、非公式で公開されている一般ユーザーが作成した改造データを指すことが多く、日本や中国では英語の大文字で「MOD」と表記されるのが一般的です。
正式名称は「Modification」で、修正・変更などの意味を持ちます。
オンライン環境が整っていなかった1980年代からMODは存在していたと言われ、高速ネット回線が普及し気軽にMODを配布できるようになった現在、さまざまなゲームでMODが親しまれています。
バニラとは
MODと共に使われるゲーム用語に「バニラ」という言葉があります。これは、MODを導入していない状態のゲームを指しており、ゲーム制作会社が公式で提供している状態です。アイスクリームのプレーンな味として知られるバニラを、全くカスタマイズしていないベーシックな状態に例えています。
色々な分野で使われるMOD
MODはゲーム用語だけでなく、さまざまな分野で用いられる言葉です。
時計用語のMOD
時計を自分好みに改造したりカスタマイズしたりすることをMODと言います。ゲーム用語のMODと同じくModification(修正・変更などの意味)が語源となっていると考えられます。
数学用語のMOD
数学用語において合同式を表す言葉をmodと言います。ゲーム用語のMODは一般的に大文字で表記されますが、数学用語では小文字で表記されることが多いです。
ビジネス用語のMOD
ビジネス用語においてMODはManagement of Designの略称です。経営戦略としてデザインを組み込む施策を指します。
ホテル業界用語のMOD
ホテル業界用語においてMODはManager On Dutyの略称です。一般従業員が何らかの理由で出勤できない場合、責任者(Manager)が代役として業務にあたることを指します。
エクセル関数のMOD
エクセルの関数にはMOD関数が存在します。割り算をして答えと余りを算出できる関数です。
MODは主にPCゲームで使用される

MODは、主にPCゲームで利用できるシステムです。例え、マルチプラットフォームに対応していたとしても、大抵はPCからしか導入できません。なかには、Switchなど家庭用ゲーム機で導入できるMODも配布されていますが、独自にサーバーを立てる必要があるなど、専門知識や環境が必要です。
MODよりも簡易的に導入できる非公式改造データとしてアドオンなどもあります。
MODは誰が作っているの?

MODは、一般ユーザーが作成しているものが多いです。ゲームの基本的なシステムを応用して作成することができるため、高いプログラミング能力がなくてもある程度システム開発などに精通していれば制作は可能と言えるでしょう。
趣味で作成したMODを、公開サイトなどで無料配布しているケースも度々見られます。
MODとチートはどう違うの?

MODとチートの違いは以下のとおりと言えるでしょう。
- MOD→ゲームシステムを改造して、難易度を上げたり下げたりできる。主に自分自身でゲームを楽しむために用いられることが多い
- チート→ゲームシステムを改造して、自分だけが有利になる状況を作り上げるために用いられることが多い
ざっくり言えば、他人に迷惑をかけないのはMOD、他人に迷惑をかけるがチートという認識でもよいでしょう。
データの改ざんについては、どちらも同じです。
ただし、チートは殆どのゲームタイトルで禁止されている一方、MODはゲームによっては公式に黙認されているものもあるなど、チートに比べれば容認派が多い傾向にあります。
チートに関しては下記で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ゲームのチートとは?チート行為の危険性やペナルティ・チートの見分け方など解説
MODでできる6つの楽しみ方

MODを導入することで、ゲームはさらに多様な楽しみ方ができるようになります。続いては、ゲームにMODを導入することで何ができるのかを解説します。
1.コンテンツを増やせる
ゲームにおけるコンテンツには、アイテムやマップ、キャラクター、音楽などさまざまなものがあります。MODを使ってコンテンツを増やすことが可能です。
特にシュミレーションゲームでは、コンテンツが増えることでこれまでとは違うビジュアルを楽しめるものが多々あります。RPGやアクションにおいても、新たなアイテムを得ることで違ったゲームをプレイしているような魅力を感じることができるでしょう。
2.ゲームルールを変えられる
MODには、ゲームルールを変えられるものも存在します。ゲームのルールを変えることで全く違ったゲームとして楽しむことが可能です。
ゲームルールと漠然と言われてもピンと来ないかもしれません。
例えば、村人は落ちているアイテムを拾わないのが定番です。しかし、ゲームルールによって村人がアイテムを拾えるようになったら?プレイヤーと村人との間でアイテムの争奪戦が始まり、ゲームの難易度が上昇するでしょう。
このように、本来なら存在しないルールなどをMODによって追加することが可能です。ゲームルールを変更することで、ゲーム難易度や要素が大きく変わり、新たな楽しみ方を見つけることができます。
3.不具合を修正できる
ゲームによっては、長期間不具合が放置されているケースも見受けられます。ゲームシステムに大きな問題を生じさせる不具合ではないという理由やアップデート(修正)の優先順位が低いという理由などで、放置されていることが多いです。
MODによって、これらの不具合を修正できるものもあります。不具合の修正を目的にしたMODは一般的に「非公式パッチ」と呼ばれます。
4.対応言語を追加できる
MODのなかには、対応言語を追加できるものもあります。例えば、海外のゲームソフトで日本語に対応していないタイトルの場合、MODを使って言語に日本語を追加することも可能です。
これまでアクションでしか楽しめなかったゲームのシナリオを詳しく楽しめるようになるのは嬉しいですね。
5.グラフィック表現を変えられる
MODにはグラフィック表現を変えられるものがあり、特に有名なのがサンドボックスゲームMinecraftのMODです。です。本来ならシンプルなブロックで構成されているワールドにおいて、MODを追加することで水面や草原、雪の表現などがリアルになります。
Minecraft(マイクラ)のように、自分のアイデアで建造物を創作していくタイプのゲームでは特に、グラフィック表現が変わることでよりこだわってゲームを楽しめるでしょう。
6.インターフェースを変えられる
ゲームにおけるインターフェースとは、情報や操作性などを表すことが多いです。情報にはステータスのように目で見て判断するものだけでなく、音を聞いて判断するものも含まれます。
MODのなかには任意のインターフェースを実装できるものもあり、自分にとって使いやすいインターフェースにカスタムすることで、よりゲームがプレイしやすくなるメリットがあります。
modの導入方法と注意点【初心者向け】

MODを利用するには、一般的に以下のものが必要です。
- MODの導入に必要なスペックをもったPC
- MODを導入するPCゲーム
- MOD導入支援ツール(MOD管理ツールと呼ばれることもある)
MODは海外で発展したゲーム文化です。そのため、製作者の多くは外国人であり、言語も外国語を用いてマニュアルなどが作られているケースが見られます。MODの内容を確認するためにも、ある程度英語が理解できる状態が望ましいでしょう。
MODを使ってゲームをカスタマイズしてみたいけれど、「導入って難しそう…」「パソコンが壊れたらどうしよう」と不安に思う方も多いはず。ですが、基本的な手順と注意点を押さえれば、初心者でも安心してMODを導入できます。
ここでは、人気ゲーム「Minecraft Java版」を例に、MODの導入手順やおすすめの管理ツール、トラブル時の対処法まで、MOD導入の基本をわかりやすく解説します。
導入手順(例:Minecraft Java版)
MinecraftでMODを使う場合、「Java版」であることが前提条件です。Bedrock版(統合版)では基本的にMODは使えません。
- 公式サイトからMinecraft Java版をインストール
- MODを動作させるために、Forge(フォージ)という前提ツールをインストール
- 信頼できるMOD配布サイト(例:CurseForge)からMODファイル(.jar形式)をダウンロード
- ダウンロードしたMODを、
%appdata%\.minecraft\mods
フォルダにコピー - MinecraftランチャーでForgeを選んで起動 → MODが反映されていれば成功
MODによっては特定のForgeバージョンでしか動作しないこともあるため、導入前に対応バージョンの確認を忘れずに。
mod管理ツール(ForgeやMod Organizerなど)
複数のMODを導入したい場合や、ゲームごとにMOD環境を整理したい場合は管理ツールの導入がおすすめです。
- Minecraft系
Forge:MODを読み込む前提環境。MOD同士の互換性を調整するためにも必須。
Fabric:Forgeと並ぶ軽量・高速なMODローダー。MODによってはFabric専用もある。 - SkyrimやFallout系
Mod Organizer 2(MO2):複雑なMOD構成を管理しやすく、競合回避機能も充実。
Vortex:Nexus Mods公式のMOD管理ツールで、操作が直感的。
これらのツールを使えば、MODの有効・無効を簡単に切り替えられるうえ、ゲームデータを汚さずに済むため、初心者にも安心です。
トラブル時の対処法
MOD導入時によくあるトラブルとその対処法も押さえておきましょう。
トラブル内容 | 対処法 |
---|---|
ゲームが起動しない | MODとForgeのバージョン不一致が原因のことが多い。対応バージョンを確認 |
画面が真っ暗になる | 他のMODとの競合が疑われる。一つずつ導入して原因を特定 |
セーブデータが壊れる | 導入前にバックアップを取っておくことが重要 |
不正アクセス・ウイルス感染 | 公式・大手MODサイトからのみダウンロードする |
また、MODの削除でエラーが起きる場合もあるため、ツール経由での導入・管理が安全性を高める鍵となります。
MODを使う時の注意点

MODはゲームをより楽しくプレイするためのデータですが、メリットばかりではありません。必ずデメリットについても理解したうえで利用してください。
トラブルが起きても自己責任になる
MODのほとんどは非公式のデータであり、一般人が作成したものが多くあります。そのため、全てのMODが安全かつ正確に作動する訳ではありません。
MODのなかには母体となるゲームシステムに重大な損害を与えてしまうものや、パソコンのシステムにまで影響をおよぼす可能性があるものも少なくありません。
安易に利用したことで損害が起きた場合、パソコンメーカーやゲーム会社による補償などは受けられないものと考えておくのがよいでしょう。MODの利用はあくまで自己責任です。トラブルが起きた場合には、全て自分自身で対処する必要があります。
動作不良を起こすことがある
MODはそれぞれに別の制作者がプログラムしているものです。そのため、複数のMODを導入した場合、それぞれのシステムが干渉し合って動作不良を起こしてしまうことがあります。
基本的に、MODは単品で導入することを前提としてテストし、動作確認とされています。複数のMODを同時に利用することは想定されていないことが多いため、注意してください。
ゲームによってはMODが禁止されていることがある
基本的に非公式データであるMODですが、MODに対するゲーム会社の対応はそれぞれです。MinecraftのようにMODも含めてゲームを楽しむことを容認しているタイトルもあれば、コールオブデューティーやバトルフィールドのようにMODの提供を禁止しているタイトルもあります。
日本のゲーム会社も海外に比べるとMODに対して否定的な面が多く見られ、過去にはゲーム会社がMODを有償で配布した業者に対して著作権法違反で訴訟を起こした事例もあります。
動画公開がNGなMODもある
近年、ストリーマーの人気が高まりゲームのさまざまな楽しみ方を動画にして配信する人も増えています、こういった人々にとって、MODは最適なコンテンツと言えるでしょう。
しかし、MODのなかには母体となるゲームを配信しているメーカーがMODの存在を黙認しているにも関わらず、対象となるMODを動画として配信することを禁止しているケースも見受けられます。
公式が黙認しているから何でもしていい、という訳ではなく、MODを使用する際にもルールに従って利用する必要があります。
MODの違法性とは?安全に楽しむために知っておきたいルールとマナー

MODを使ってゲームをより楽しく、自由にカスタマイズすることは、多くのゲーマーにとって魅力的な体験です。しかしその一方で、「MODって違法なの?」「勝手に改造したら問題にならない?」といった不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
このセクションでは、MODが違法になる可能性があるケースや、著作権・利用規約との関係、安全に楽しむためのマナーについて詳しく解説していきます。
MODが違法になるのはどんなケース?
基本的にMODの使用自体が違法になることは少ないですが、いくつかのケースでは法律や規約に違反する可能性があります。代表的な例は以下のとおりです。
- ゲーム会社の規約でMODが禁止されている場合
- 有料DLCの内容を無断で再現・配布しているMOD
- 他人が制作したMODや素材を許可なく再配布・改変する行為
- オンライン対戦ゲームで不正なチートMODを使用すること(バン対象)
とくにチートMODや商用目的でのMOD配布は、法的にもモラル的にもNGとされており、最悪の場合は訴訟リスクもあります。
参照:弁護士法人モノリス法律事務所・ゲームMODの使用は違法?法的問題点を解説
著作権や利用規約との関係性
ゲーム内のデータやキャラクターは、当然ながらゲーム会社が著作権を持っています。そのため、ゲームの著作物を使って制作されたMODは、原則として著作権侵害のリスクを伴うものと考えるべきです。
ただし、多くのゲーム会社はMOD文化を容認しており、利用規約内で一定の条件を設けた上でのMOD使用を許可している場合があります。
たとえば:
- Bethesda(Skyrimなど):MOD文化を積極的に支援
- Mojang(Minecraft):条件付きでMOD利用OK
- 任天堂:MODに対して比較的厳しい姿勢
MODを使う際は、まず対象ゲームの利用規約を確認することが大切です。
安全にMODを楽しむためのポイント
MODの利用を安全に行うためには、ルールやマナーを守りながら使うことが重要です。以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 信頼できる配布元(公式フォーラム・大手MODサイトなど)から入手する
- 導入前にバックアップをとっておく(ゲームデータやセーブファイル)
- オンラインゲームではMODの使用は避ける(チート扱いされる可能性がある)
- 他人のMODを転載・再配布しない(製作者の権利を尊重)
MODはあくまで自己責任で楽しむツールです。正しい知識とマナーを持って使えば、ゲームの可能性を何倍にも広げてくれる存在になります。
MODに関するよくある質問(FAQ)

MODについて調べていると、「これはOK?」「これって危険?」といった細かい疑問や不安が次々に出てくるものです。このセクションでは、初心者の方が特に気になりやすい導入前後の「あるある」な質問をピックアップし、シンプルかつ分かりやすくお答えします。
Q1:MODを使うとアカウントがBANされることはありますか?
A:オンライン対戦型のゲームでは、BANされる可能性があります。特にPvPやマルチプレイのあるタイトルでは、MODの使用を不正行為(チート)と見なされる場合があります。一方、シングルプレイ専用のゲームで、公式がMODに寛容な姿勢であれば、BANのリスクは低いと言えます。必ず利用規約を確認しましょう。
Q2:MODってスマホや家庭用ゲーム機でも使えますか?
A:基本的にPC専用です。多くのMODは、PCゲーム(とくにWindows環境)を対象に作られています。スマートフォンやPlayStation、Switchなどの家庭用ゲーム機ではMODの導入は難しく、そもそも非対応な場合がほとんどです。
MODを楽しみたいなら、PCゲームを選ぶのが前提となります。
Q3:MODを導入するとウイルスに感染することはありますか?
A:可能性はゼロではありません。MODファイルにマルウェアが仕込まれていたという事例も実際に存在します。そのため、信頼できる配布サイト(CurseForge、Nexus Modsなど)からダウンロードし、不審なファイル形式は避けるようにしましょう。念のため、セキュリティソフトでスキャンしてから使用するのもおすすめです。
ゲームの幅が広がるMODでより刺激的なゲーム体験をしよう
MODは、ゲームを愛する一般ユーザーがより楽しむために創作したものです。ゲーム会社の予算や工程上叶えることができなかった「こうだったら良かったのに」を形にしたMODで、よりゲームを楽しむことができるでしょう。
ただし、MODはあくまで一般人が制作した非公式データです。何らかの損害が起きた場合には、全て自己責任での対処が必要となることを理解しておきましょう。
AFRAS(アフラス)はゲームをより楽しみたい人のためのゲーミングスクールです。MODを利用するのもよいですが、シンプルにスキルを磨くことでもゲームは楽しめます。スキルを磨いて対戦相手を圧倒する最高のゲーム体験をAFRASで叶えてみませんか。